ジャックさんとの出会いは2009年9月17日。
場所はパリ10区のエスパス・ジャポン。初めての海外での展覧会に
ココちゃんの本の日本語版とフランス語版を出品した時のこと。
エスパス・ジャポンの開館時間は午後1時からだったので、午前中はいつも
パリの街を歩き回っていた。都会は苦手だし、観光地を巡りたいというわけでは
なかったが、次の作品のために写真をたくさん撮りたかったからだ
毎朝出勤する会社員のように9時前にはメトロに乗って出かけるパリでの日々。
その日はルーブルの2階(ルーブルも4日続けてまわった)、オランジュリー
美術館のあと凱旋門を登り、エスパス・ジャポンは夜7時に閉まるので、夜には
オルセー美術館にも行った日だった。
午後、エスパス・ジャポンにいると、日本人女性がフランス人ご夫婦と一緒に
入ってきた。名古屋の知り合いの紹介で興味があっていらしたとのこと。
フランス人のご主人の方は元JALのセールスの仕事をしていた方で、日本が
好きで何度も行ったことがあるという。
その方が私のことりのココちゃんのフランス語版『A bientot,Koko-chan』を
手にとって気に入ってくださり、すぐにギャラリーの方にカードで支払いが
できないかと尋ね、できないと言われると、ちょっと待って!と言って
キャッシュコーナーまで行ってお金を準備し買ってくださった人なのである。
ジャックさんは私が日本に帰ってからも、次にいつパリに来るんだ?来る時は
必ず連絡を、Naoko-sanのために部屋は用意してあるからと何度もメールを
くださった。なので、今回のボルドー行きのことを伝えると、ぜひ行きか帰りに
パリに寄ってうちに泊まって行って!と言われたので、予定よりも1日早く
ボルドーを切り上げ、パリに寄ることにしたのた。
2009年に、ほんの30分くらいしか会ったことのない私のことを信用して、自宅に
招いていただいたこと、驚いたし、本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。
私が行きにボルドーの空港からガンベッタまでの行き方が分からないと言うと
ちゃんと事前に調べてメールで送ってくれたりもした。(なのに間違えた私!)
そのジャックさんとはモンパルナスの駅で待ち合わせしていた。
私はけっこう緊張していた。今まではほぼひとり旅とはいえ、会場に行けば
メンバーの誰かがいて日本語で普通に話すことができる。しかし、この1泊の
パリでは家族全員親日家だと聞いてはいるが、日本語はまず通じない。メールの
やりとりは英語だが、私が特に英語が得意というわけでもないし、普段日本で
ほとんど英語を使うことがないので、考えると不安が募る。
私がTGVを降り、ホームを歩いているとたくさんの人の中にジャックさんと奥様の
ファビエンヌさんを見つけることができた。向こうもすぐに気づいたようだ。
その瞬間、さっきまでの不安がさーっと引いて行った気がした。再会した時も
その後、車でジャックさんのおうちに向かう間も、なんと話がはずんだことか
変な間があくこともなく、相手のいうことが分からないとか、言いたいことを
どう言っていいのか分からなくてもどかしいということがほとんどなく、
久しぶりに会った親戚のように話がはずんだ。
ホッとした。明日までの帰国の時間が急に短くなった気がした。
その3へつづく
場所はパリ10区のエスパス・ジャポン。初めての海外での展覧会に
ココちゃんの本の日本語版とフランス語版を出品した時のこと。
エスパス・ジャポンの開館時間は午後1時からだったので、午前中はいつも
パリの街を歩き回っていた。都会は苦手だし、観光地を巡りたいというわけでは
なかったが、次の作品のために写真をたくさん撮りたかったからだ
毎朝出勤する会社員のように9時前にはメトロに乗って出かけるパリでの日々。
その日はルーブルの2階(ルーブルも4日続けてまわった)、オランジュリー
美術館のあと凱旋門を登り、エスパス・ジャポンは夜7時に閉まるので、夜には
オルセー美術館にも行った日だった。
午後、エスパス・ジャポンにいると、日本人女性がフランス人ご夫婦と一緒に
入ってきた。名古屋の知り合いの紹介で興味があっていらしたとのこと。
フランス人のご主人の方は元JALのセールスの仕事をしていた方で、日本が
好きで何度も行ったことがあるという。
その方が私のことりのココちゃんのフランス語版『A bientot,Koko-chan』を
手にとって気に入ってくださり、すぐにギャラリーの方にカードで支払いが
できないかと尋ね、できないと言われると、ちょっと待って!と言って
キャッシュコーナーまで行ってお金を準備し買ってくださった人なのである。
ジャックさんは私が日本に帰ってからも、次にいつパリに来るんだ?来る時は
必ず連絡を、Naoko-sanのために部屋は用意してあるからと何度もメールを
くださった。なので、今回のボルドー行きのことを伝えると、ぜひ行きか帰りに
パリに寄ってうちに泊まって行って!と言われたので、予定よりも1日早く
ボルドーを切り上げ、パリに寄ることにしたのた。
2009年に、ほんの30分くらいしか会ったことのない私のことを信用して、自宅に
招いていただいたこと、驚いたし、本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。
私が行きにボルドーの空港からガンベッタまでの行き方が分からないと言うと
ちゃんと事前に調べてメールで送ってくれたりもした。(なのに間違えた私!)
そのジャックさんとはモンパルナスの駅で待ち合わせしていた。
私はけっこう緊張していた。今まではほぼひとり旅とはいえ、会場に行けば
メンバーの誰かがいて日本語で普通に話すことができる。しかし、この1泊の
パリでは家族全員親日家だと聞いてはいるが、日本語はまず通じない。メールの
やりとりは英語だが、私が特に英語が得意というわけでもないし、普段日本で
ほとんど英語を使うことがないので、考えると不安が募る。
私がTGVを降り、ホームを歩いているとたくさんの人の中にジャックさんと奥様の
ファビエンヌさんを見つけることができた。向こうもすぐに気づいたようだ。
その瞬間、さっきまでの不安がさーっと引いて行った気がした。再会した時も
その後、車でジャックさんのおうちに向かう間も、なんと話がはずんだことか
変な間があくこともなく、相手のいうことが分からないとか、言いたいことを
どう言っていいのか分からなくてもどかしいということがほとんどなく、
久しぶりに会った親戚のように話がはずんだ。
ホッとした。明日までの帰国の時間が急に短くなった気がした。
その3へつづく