ひなげし日記

本と映画とお芝居と…

残念、ハーキュリーズじゃなかった。

2020年09月09日 | 日記

この度の犬くんは、野良。お肉どっさりのハンバーガーより、ビールが好物というのんべえくんでした。が、会う人毎を魅了する不思議な力がありました。「『オーストラリアン・ビア・ハウンド』アメリカに1匹しかいない、非常に珍しい種類だ」とマローンは大ぼらを吹いて、欲しがる人をけむに巻く。タクシー運転手から、病院の受付嬢、フォン・フラナガン、天使のジョーに至るまで、この犬くんを「ぜひ、譲って欲しい」と一目惚れさせる魅力の持ち主でした。

三人の郵便配達夫が殺され、倒れていた路地に、ひもじそうで、見るからに野良犬と知れる1匹の駄犬が餌あさりに入って来て、マローンと会うのです。頭を撫でてやったマローンに、最後まで名前を付けて貰わなかった犬くんは、これ以後ピッタリ、マローンにくっついていきます。犬に好かれるんですねえ、マローンは。この犬くんもマローン探しに大活躍しましたよ。

「マローン売り出す」、「時計は3時に止まる」は同じものだった。訳はどちらも小鷹信光さん。「大はずれ」「大あたり」は小泉喜美子さん。「暴徒裁判」は恩地三保子さん。「第4の郵便」田口俊樹さん。「こびと」が山田順子さん。3人が活躍する作品の前に読んだのが「スイートホーム殺人事件」長谷川修二さん、これは「甘美なる殺人」と同じもの。で、ダブって買ってるのが、「マローン売り出す」「素晴らしき犯罪」「居合わせた女」だった。

「素晴らしき」「幸運な」は同じ小泉さんだが、「わが王国」は中村能三さん、「マローン御難」森郁夫さん、短編集「マローン殺し」山田順子さん、同じシリーズがこんなに訳者がバラバラ。「セントラル・パーク」大門一男さん、「七面鳥」小笠原豊樹さん、「エイプリル・ロビン」森郁夫さん、「居合わせた」恩地さん、これらはまた別のシリーズや作品だから、マローンと違う訳者でもまあ、良いかとも思うけれど、どうしてこんなに「あの人、この人」になったのだろう?小泉さんが亡くなられて他の方には分かるけど。出版社が創元、早川、光文社と別も、理由にはなるか。原文なんて読めないんだからありがたく思わなきゃあ。さあて、「こびと」に戻って、また、読むぞ。



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