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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

「横浜 マンション傾斜問題」で思う事

2015年10月22日 09時11分13秒 | 日常
【横浜マンション傾斜】同じ管理者がデータ改竄か 地盤とセメント量 全国に波及も


 いまは地名変更になっていますが、我が家の昔の地名には「谷地(やち)」がついていました。おじいさんたちが家を建てた半世紀前には、まだカモ獲りの人がくるくらいのアシの茂った湿地だったそうです。もちろん、道路も舗装されていなくて、家を建てる建材を運ぶのに、板を並べてその上をリヤカーを引いて運んだそうです。(なんでそんな場所に家を建てる?と思われるでしょうが、それゆえに「安く土地が買えたから」だそうです)

なので、震災後に家を建て直す時に、土を盛って土台を高くする事と、くい打ちをして地盤をしっかりさせる事は、主人と暗黙の了解というか、まずそれだけは絶対にしなきゃならないでしょうという共通認識がありました。

ところが、土地の測量や地盤の検査が進んだ結果、くい打ちをせずとも家が建てられる土地の硬さがありましたと、メーカーさんから実際にデータを見せられながら報告されました。私たちはまさかの結果に驚きましたが、築45年のあいだに土地が落ち着くこともあるし、素人判断よりも検査結果のデータからの判断だから、そういうもんなんだねぇと、喜びました。くい打ちだって無料じゃありませんから、その工事にかかるはずだったお金を他の事に使えるのは、ローンを組んで家を建て替える私たちにしてみれば、喜ばしい事だったんです。

でも、その話し合いからあまり日にちを置かずに、メーカーの担当者さんと支店長さんと測量担当さんとが三人揃って我が家にお詫びにいらっしゃいました。あの後、再び検査結果をチェックした結果、やはり土壌が弱くてくい打ちしなければならない事がわかったそうです。

正直、主人とは「やっぱりそうだよね~」という笑いが出たくらいで、そんなにショックではありませんでした。逆に、ちゃんとミスを報告してくれて、お詫びとしてくい打ちにかかるお金をメーカーさんで請け負って下さると言われて、あぁ、信頼できるメーカーで良かったなぁと安心しました。その後も、お互いに納得がいかない事、よく判らないい事(なぜだか庭の排水用のマンホールのふたが、裏返しにはめられていた等)は、その都度連絡しあい、確認しあって、おかげさまで満足のいく家が二年前に建ちました。


 今回の事件が発覚して、どれだけマンションにお住まいの方たちがショックだろうかと、お気の毒でたまりません。信用という、なによりも替え難い部分が失われてしまい、なにを言われても信じられなくなっておられるのではないでしょうか。

私たちが家の建て替えを依頼したメーカーさんは、うちからそう遠くない場所に十何年も前から営業所があって、いつか家を建て替える時は、お願いしたいなと密かに思っていました。震災後、20~30軒?もっと?大手のハウスメーカーさんが、タケノコのように荒れ地に営業所を開設し、モデルハウスを建てられていますが、長年地元に密着してこられたところが一番かなと思いまして、ここを選びました。

我が家は、震災でマイナスになった家族の暮らしを、それこそ建て直す大事な家であり、大金を返済に十年かかる借金をしてまで用意した財産です。このマンションにお住いの皆さんだって、私と同じように、数多くのメーカーを比較して、信じて選んで、大金を支払った住処でしょうに。このマンション建設を請け負ったメーカーや下請け業者の失った信用は、とんでもない大きさだと思います。

マンション=共通財産という、個人財産とはまたちがった難しい問題が山積み(震災で被災したマンションの修理・建て替え&保証問題は、いまでもゴタゴタが続いているところがあるんです)だとは思いますが、どうかお住いの皆さんが、安心して暮らせる毎日が少しでも早く戻ってくるよう、願っています。

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3 コメント

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すずさんへ (KGR)
2015-10-26 19:18:20
確かめようのない見えない部分は「信用」するしかないので、横浜の件は実際の被害もさることながら、裏切られた思いが強かったと思います。

間違いは完全になくすことはできないけど、直すことは可能で、その意味ですずさん宅は良心的な業者さんで良かったですね。

横浜は元請けがまだちゃんとしてますが、既に建設業者や元請けが(廃業などで)無くなってしまったケースはどうなるのか気になります。
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KGR様へ (すず)
2015-10-25 20:31:06
 今晩は。コメントをありがとうございました。

実際に打ち込まれるくいをみましたが、こんなに太い鉄筋を何本も打ち込むものなんだと驚きました。ちょっとでもそれが地盤に届いていないなんて事は、まったく想像もしませんでした、それが当然ですよね?なので、今回の事で、どんなにか住民の皆さんがショックを受けたろうかと思うと、お気の毒でたまりませんでした。

上には書きませんでしたが、謝罪された時は、測量データや地盤の緩さ?硬さ?を数値化したデータ、なぜ判断間違いを犯したかなど、いろいろな資料を見せて頂きながら説明を受けました。マンションと一戸建てでは違いがあるとは思いますが、せめてこのくらいは説明があれば、住人の皆さんもお気持ちが違うのではと思います。
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江東区 (KGR)
2015-10-25 08:32:47
メディアがそろそろ落ち着いてきたので、このことに関連して記事を書こうかなと思っていたところです。

ここ江東区は元々軟弱地盤で岩盤はかなり深いので、マンションは「杭打ち」をしません。
杭がないということではなく、あらかじめ作った杭では岩盤まで届かないので「打たない」のです。

そこで、いわゆる現場杭、場所打ち杭、と言われる工法で、極太の穴を岩盤まで掘り、鉄筋枠をつないで埋め、上からコンクリートを流して杭にします。

当マンション建設時には近くから工事の様子を見ていましたが、鉄筋枠の直径は少なくとも1.5mはあったと思います。
一本の長さが10mはあろうかという鉄筋枠をいれ、さらに何本も継ぎ足して長さ数十mの杭にしてました。

現場杭だから絶対安心ということではありませんが、作ってしまった杭が掘ってみたら短すぎて届かなかったという今回のようなことは起こりません。


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