What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

久々な、本の感想。 『死神の浮力』&『検事の死命』

2013年11月06日 08時29分31秒 | 図書館で借りた本
○ 伊坂 幸太郎 『死神の浮力』(文藝春秋社)

 読み始めて全体の3分の1くらいにきた辺りから、あ~これはきっと映像化されるだろうなと思いました。それくらい、文章から映像(人の表情や風景)と音楽が鮮明に浮かび上がってきます。同じく伊坂さんの『ゴールデンスランバー』も、読んですぐそう思ったら映画化されたので、あると思いますよ♪(私的に、犯人役は香取 信吾さん、死神役は松田 龍平さんが良いんだけど)

伊坂さんの作品としては、珍しくすっきり犯人が罰せられていると思いました。(ワニ仕事しろ)だから、その後のエピソードの余韻がすごく深い。映画のエンドロールを観ているようでした。

あ、死神の全力な自転車漕ぎシーンは、想像するとそういうシーンではないんですが、愉快でたまらなかったです。

前作『死神の精度』を読んでいなくとも、すっと伊坂ワールドに入れます。勿論読んでいれば、同業者さんとの会話とかが愉しめて、好い事には違いないです。

 

○ 柚木 裕子 『検事の死命』(宝島社)

 『検事の本懐』に続く、佐方検事のお話。四つの短編が収められていますが、どれも味わい深くて、繰り返して読みました。本のタイトルになっている「検事の死命 刑事部編/公判部編」は、スリリングな駆け引きと、事件の真相がクズ!だったことのカタルシスがたまらんかったです。

私的に二話目の「業をおろす」は、佐方さんとお父さんの気持ちはわかるけど、わかるけど、おじいさんおばあさんが負った13年分の心の痛みを想うと、ふざけんなー!と叫びたくなりました。人には自分では予想もしない繋がりがあって、自分だけが背負っていると思いこんだモノが、他の人を苦しめる。自責の念で針のむしろだった13年間の暮らしを、想像しただけで苦しくて辛くて気の毒で泣けてきました。生きている人が、死んだ人のせいで幸せになれないのは嫌いです。

このシリーズを、柚木さんにはどしどし書いて頂きたいです。佐方さんは出世していくのか?タバコは減らせるのか?おじいさんたちに結婚の報告はできるのか?(どんどんハードルが高くなる)あ、一話目の「心を掬う」の冒頭、お酒を飲むシーンには要注意です。読むと絶対にのど乾いてくるから(爆)

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