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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

奈須きのこ 「DDD2」 感想

2007年10月03日 09時36分05秒 | 図書館で借りた本
 「DDD」以前のゲームシナリオや「空の境界」で、とっくに奈須さんの魅力を判っておられる、という方には今更かもしれませんが、私にとっては「DDD」が初・奈須きのこ体験だったのでご勘弁を。

 奈須さんの日記の拝見して、なるほど「DDD」の作者さんらしいと思う部分がありました。

 奈須きのこさんのHP内の日記竹箒日記より

>アニメ「天元突破グレンラガン」感想より引用

 グレンラガンは都合のいい話である。
 それは誰もが思う感想だし、なにより作り手自身が「そうしよう」としているのが感じられる。この「都合のいい」は「気持ちのいい」に置き換えてもいい。
 昨今の娯楽の消費スピードはハンパない。一つの物語の寿命は驚くほど短くなっている。ニコニコ動画を楽しんでいるユーザーはそれを骨身に感じているはずだ。
 そんな中、次から付きへと大挙する娯楽を受け入れながら、かつ、数多の物語を学習しているユーザーに対して、悠長に「ドラマの起承転結」「キャラクターの起承転結」をやっていていいものか。
 とくに27話という短い時間であれだけ無茶なプロットを通す為にはどうするか。
 決まっている。ユーザーが想像できる部分、起承転結のうち承か転を、削れるのなら削ってしまえ。ユーザーが見たい部分だけを最高の料理で提出する。そう。確信的に、「観ていて気持ちのいい、都合のいいプロット展開」にすればいい。
 誰それが仲間になった。
 仲間になってから、そのキャラの紹介の為に一話まるまる使って感情移入してもらう。
 それが従来のアニメのルールだ。この手法は王道で、それ故にタメがある。
 だがグレンラガンはその重さより速さをとった。
 どちらもプラスがありマイナスがあるのでどちらが優れているかは論じる事はできないが、グレンラガンはスピード、ドラマとしての重厚さよりドラマとしての豪快さをとったのだと思う。

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 この「気持ちのいい」が創作の至上課題になっているのが、奈須さんの「DDD」シリーズなんだと思います。だから「DDD・2」を読み終わった時は、「まるであさのあつこさんのバッテリーみたいだ、もっと書き込んだら”一般”でもいけそう」と一瞬思ったんですが、奈須さんは絶対に”一般”を目指しては書かない方でしょう。たぶん、ずっとラノベ(と区分して良いのかな?)で書かれていくおつもりなんじゃないでしょうか。それともそういった”区分”など眼中には無い方なのかも。

 私が奈須さんの「DDD」シリーズに惹かれるのは、硬まった頭を柔らかくしてくれるからなんだと思います。ラノベ好きな方には怒られるかもしれませんが、普段「ラノベを読めない」私でも、愉しめる創作力は”別格”じゃないですか?そういった意味で、これからも「DDD」シリーズを楽しみにしたいと思います。




 ところで、私のようなオールドタイプの受動態の方(失礼)のご意見がやっぱりありました。

>「あっけらかんと」エッジ様 http://blogs.dion.ne.jp/edge219/archives/6269955.html#more

「Fate/stay night」等でお馴染みの奈須きのこさんのグレンラガン感想は、大抵の人の感想を代弁してると思うのでオススメ。
グレンラガンは人気作だったけど、個人的にそれほどノリノリで見られた作品でなかったのが残念に思う。
奈須さんの指摘にもあった展開の速さや突き抜け感に抵抗を感じたのが全ての原因だったのかな。
「地球へ…」や「DTB」を同時期に見てたこともあり、人間と敵との対立模様に期待をかけてしまったのもマズかった。

グレンラガンを見る上で重要だったのは、目の前の展開を許容する寛大さだったはず。
僕にはそれがはっきりと欠けていた。
話の筋とは関係ないところで止まっては色々妄想していたので、ブレーキのぶっ壊れたダンプカーのようなグレン団の活躍とは波長が合わなかったらしい。
あぁ、こういう作品は子供の頃に見たかったなぁ。

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 「目の前の展開を許容する寛大さだった」

 これ、歳を重ねるにつけ目減りしているのが、ひしひしと判ります。
 

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