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古今集を読む 遅々として…。

2017年07月11日 | 日々のこと
春頃より月に一度、お稽古のお仲間の皆様と
古今集を読む会を始めました。

岩波の新古典文学大系の
古今和歌集を使っています。

春歌 上

から始まって、季節はもう夏ですが、
勉強会は、まだ春歌のところです(笑)
たぶん、夏が終わっても、
まだ春の歌をやっていそうです。

私は、はじめ勉強会といえば
それぞれ歌を決めて下調べしてきて
それを会で発表する、
というイメージで、ちょっと大変かも?
と思っていました。

それは皆さん同じだったようです。

事前の準備をmustにすると、
時間的にも、内容的にも
かなり負担になるかも??
それだと、続かないかもしれないので
レポーターを決めるとか、
予習をmustにすることをやめにして

ほんとに、ただ、
ひとり一首を音読するだけ!

ということになりました。


事前の予習については各自。
特に予習なしでも、まったく構わず、
当日、古今集を持ってくれば、大丈夫、
という、気楽なゆる~い会です。

それで勉強になるのか??
と思いますが…
まぁ、普段、あまり触れることのない
古典文学ですからハードルは、
とにかく、低い方がいいんです!きっと。
続けて行くことに意味がある!
だろう…

私、一応、日本文学科でした…。
ただ
万葉集研究でもしていたら、もう少し
歌に関する知識もあったかもしれないですが
古事記とか日本書紀とか、続日本紀とか
散文のゼミでした。

古今集の成立は
延喜5(905)年から12(912)年頃で

古事記は
和銅5(712)年に天皇に上表されている文献

古今和歌集は古事記の時代から200年もあと!
ぜーんぜん時代が違いますし、
表記も表現も様式もぜーんぜん違います。

日文で一応古典の範疇の分野でしたが
そんなわけで、
10世紀の文学のことは、ほとんど知識がなく
当時の宮廷のことも、政治状況、生活習慣も
和歌の言葉についても、知らないことだらけです。

始めてみて、まず、はてな?と思ったことに、
当たらなければならない基本的な資料を
知らないなぁ、です。
何を見てみたらいいのかとか、
どう調べたらいいかもわからないので…

今のところ、予習なしで毎回参加してしまい
とりあえず、歌を読んで、聞いて、訳を聞いて

ふーむ、ふーむ、

というだけ、になっています。

ただ、この「一人一首音読するだけ」というのも
なかなか簡単ではありません。


当日の参加者で、一首づつ読むのですが…
まず、歌を音読します。
そして、その後、その歌の脚注を読みます。
それからまた、歌を読みます。


それだけですが、
脚注がなかなか、クセモノでした!

限られたスペースで、必要な注を載せているので
かなり省略表示だったり、
漢文の一節が挙げられていて、
読み下せなかったり
注の出典が記載されていても
書名が読めなかったり
仮に書名は耳したことがあっても
なんの、どんな本なのかもわからないことが
多々あったり、
もう注の注が必要な感じです。


例えば

6番 素性法師

春たてば 花とや見らむ
白雪の かかれる枝に 鶯のなく

という歌、
見らむについての脚注があります。

「見らむ」は「見るらむ」の意(僻案抄)


これはさすがに音読はできますが
僻案抄って何?です。

その場では分からず…
家に帰ってネットで調べてみたら

『僻案抄』
鎌倉時代の注釈書。1巻。
藤原定家著。嘉禄2年(1226)成立。
父俊成から受けた口伝を含め、
古今・後撰・拾遺の三代集の難語を
考証・注解したもの。僻案集。

という書でした。

えっ?
「見らむ」
コレ、難語なんですか!
と思いましたが
定家さんが難語として注釈つけてるなら
難語なのでしょう。
もしかしたら、古今伝授の言葉なのかも?
と思いますが、わかりません!

さらに脚注は続いて

「見る」は見なす、見まちがえる、見まがふなど
積極的な付加的意味があある。
「我が心に花を見るを以て鶯を察するなり」
(両度聞書)。新撰万葉集上・春・21参照。

「見る」の解説はふーむ、ふーむと
見ている者の見ようとする意志がある
ということね、とわかりますが、
両度聞書って何?です。

その場では、皆沈黙。

帰ってから、またネットで調べました。

文明3(1471)年1月から4月と、
6月から7月との2回にわたって、
宗祇が東常緑から古今和歌集の東家の説を
聞いたものに、東常緑が証明を加えた
古今和歌集の注釈書。

そこでさらに??が…
宗祇は連歌師だったと思いますが
東常緑、これは人名??

またまたネットで見たら、
東常縁(ひがし つねより)
武人で、歌人で宗祇に古今伝授をした人でした。

古今伝授、やはり古今集の注釈の流れの中で
出てくるんですね。

新撰万葉集というのは、
菅原道真撰といわれる万葉仮名で
書かれた和歌と漢詩が付いている
書だそうです!

ヘェ〜、そうだったんだ!!
私は書名からの推測で、
てっきり万葉集の中から
誰か、編者・撰者などが
秀歌を選んだ歌集かな?と
思っていました。
勝手な推測でした。


という調子で、基本情報・知識が
はなはだ不足している上、
和歌に詳しい先達に導いてもらってる
わけでもないので、
ただ音読といっても
なかなかすんなり読むことも
結構、難しかったりするのです。

でも、わからないこと、知らないことを
知らなかった、わからなかった!
と知ることも、また面白いので、
古今和歌集を読む会に参加して楽しいです。


まだ、無知の知、という状況で、
ほんとは、
ちょっとくらい予習していけば、
いいんですけどね。

また今月も、
無知の知の発見があると思います。


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