スペース10
スペース10はIKEAと組んで、7-8年ほど活動を続けたデンマークの会社である。
建築、食品、生成AI、などの分野で革新的なプロジェクトを生み出した。
私が興味を持つのは、その結果ではなく思考と行動のありかただ。
・漸進的な改革を目指さない
・新しい可能性と市場に焦点を当てる
・変化をマネジメントする
などのポイントをちゃんと抑えている。
スペース10の紹介サイトはココにあるが、最新の7つのプロジェクトが紹介されている。
それらは、
01. コンテナが住居になる「村」
02. 明日からのミートボール
03. オーディオガイドがいつもそばに
04. クリーンエネルギーのガイドブック
05. 若者による若者のためのシェアリビング
06. オープンな室内農業システム
07. “ドライバーレス”で移動するスペース
などである。
よく考えてみると「何だかおかしい」「なんだか不便だ」「こんな可能性があるんじゃないか」を実際にやってみたことが素晴らしい。
結果をTVコメンテータのように評価する人は、それだけで1周遅れている。
(2周かもしれない)
課題はそれぞれの国や個人によって違う。
だから、それらにアプローチする際にはローカライズした課題設定と手法(HOW)を編み出せばよい。
それは大変な事だろうか。
勿論大変である。
ただし何回も失敗することを許される文化の中にあれば、それは愉快な時間に変身する。
今までの日本社会のように、いい学校-いい会社のようなリニア経路ではない。
そのような感覚(評価)では、そもそも怖くて解決しようという気が起こらないだろう。
一種の「野生の思考」が必要である(みんな持っているがね、とレヴィストロースは言った)。
さて、ある調査によると、日本人の9割の人は「物を買う」必要がないと言っている。
つまり物は溢れている。
何が不足しているのか。
おそらく生きがいだろう。
手ごたえと言ってもよい。
それらの多くは、自分から動いていかないと手に入らない。
業務命令で
「こうしました」
と言ったところで、大した成果は出ない。
これは面白い社会現象だが、パソコン化に負けたIBMとか、日本の携帯電話が全滅してスマホになったとか、一流企業で出世しても本人の感想は大したことが無かった、とか結構実在する。
さて、もう一度スペース10の話に戻りその活動をひと言で言えば、チャレンジの時代がやって来たという事である。
ざっくりまとめよう。
・チャレンジの時代が来た
・今までの方法は選ばない方が良い
・新たな可能性に賢くフォーカスする
・何度も失敗しながら成し遂げる
・失敗を非難する文化は持たない
などで、それは今の日本社会、企業文化では歓迎されないものばかりである。
何故なら無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)があるからだ。
同時に、スペース10のメンバーが非常に賢く活動していた証明でもある。
(そうでなければ続かない)
同時に海外事例にかぶれることなく、我々の設定したテーマに対し、我々の方法でやればよい。
自らやれば、その手ごたえから次が見えるだろう。
やらない人は口だけが達者になるだろう。
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