日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

法と正義

2011年11月20日 | 日記

大きなタイトルですが、導入部は前回(11月13日)の「オバマ大統領と法の執行」です。
少し正義について考えて見たいと思います。

A.「正義」は、いろんな所でいろんな人が口にします。

a.オバマ大統領は、オサマ・ビンラディン容疑者(この容疑者という修辞は、アメリカへの攻撃をオサマ・ビンラディンは公然と認めていたのですから、アメリカと被害に遭遇されたもろもろの当事者にとってはふさわしいものではなく、、彼は既に被告人の地位にありました)殺害の声明(和訳・gooニュース)で、正義の裁きが為された旨の発言をされ、アメリカ市民が「正義!正義!」と叫んで狂舞している映像がニュースで流れたのも、記憶に新しい所です。

b.千葉では、本年の千葉県警の警察官募集のポスターに、「引き継がれる正義」という文字がありました。

c.ニューヨークでは、”ウォール街占拠”運動に参加したアノニマスのメンバーが、企業や国家に対する自分たちのサイバー攻撃について、それは正義であり、社会を変えると公言しています。(11月17日、NHK”クローズアップ現代”)

d.アラブとイスラム世界の武装集団は、自分たちの行動をジハード(イスラム法と社会を守る戦い)と呼びます。今は見かけませんが、イスラム教の指導者はその信者に対して公然と自爆テロを呼びかる映像がしばしばテレビに流れました。

e.世界の宗教教団や政党、政治集団は、それぞれの教義・信条、綱領・行動の指針と言ったものを持ちます。そしてそれぞれのメンバーは、自らが属する教団・政党・政治集団の教義・信条、綱領・行動の指針を是として、自らに課し日々を処します。また、学校には建学の精神があり、営利・非営利の法人には社是や創立の精神があります。これらは、国家のアイデンティティを含め、人間のアイデンティティの拠(よ)り所となったりもします。

f.日本には、『論語』の一節ですが、格言として根付いたものに、「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉があります。幕末に決起した者の多くは、この言葉に拠ったと思われます。

g.また日本では、聖心女子大学の校歌 ”若いいのちよ”には、「正義にねざした平和の道」というフレーズがあり、正義は男性だけの言葉ではありません。

h.更に考えるに、アメリカの対外スタンスは、The power is justice.(力は正義だ)、或いは、The power produces justice.(力は正義を生む)という、アメリカ自身が自国を形成してきた歴史に深く根ざしているように思えます。

i.小結論:
1.人によって正義の内容は千差万別で、人のあるところ正義ありと言えそうです。しかし、私達は人間の文明をハンチントン(人名)の「文明の衝突」レベルで終わらせるわけには行きません。そのため、私達は、正義は何を実現するためにあるのかという、正義の上部概念として幸福・富・善・中庸を考え、それらを実現させる法を人類共通の財産として作り出す道へ旅立たなければなりません。

2.幸福・善・中庸については、既にアリストテレスが語っています。富の分配については、古代ギリシャと現代ではまるっきり異なっていますので再考しなければなりません。
何れにせよ、アフガン、パキスタン、アフリカといった地域は貧しく、世界の富は偏在しています。日本の若者、特にプアーヤングと言われる若者は、自分の命の所在と未来に確信を持っているのでしょうか?
これらの領域は一ブログの領域を越え、行動の領域に入るものですが、望むところです。考え、綴って行きたいと思います。

3.皆様も共にお考えください。




[お知らせ]
書いております皇統の歴史は、「新羅の人々」の次に、長髄彦(ながすねひこ)を予定しています。
長隋彦につきましては、一度出しておいた出自を再考しなければならない要素があり、しばらく猶予を頂きたく存じます。

 

 

 

 

 

 


                

                              紅葉した蔦(つた)




                

                                  
               

 

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