シンガポールで、支払い命令の判決を取得して、
支払いを逃れようとする夫は少なからずいるでしょう。
シンガポールでは、その場合、裁判所から
”Warrant of Arrest”が発行されます。
それでも、債務者がシンガポールに入国しなければ、
その効力を発揮することはありません。
判決は、
基本的に成立した国においてのみ有効、執行可能であるのが原則です.。
ですので、日本で、シンガポールで、即効力を有すると言うわけではありません。
しかしながら、
外国判決の承認手続を行えば効力を有し、執行可能です。
承認手続には、日本の民事訴訟法118条各号の要件を満たす必要があります。
○ 民事訴訟法(外国裁判所の確定判決の効力)
第118条 外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場
合に限り、その効力を有する。
一 法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。
二 敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達
その他これに類する送達を除く )を受けたこと又はこれを受けなかったが 。
応訴したこと。
三 判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反し
ないこと。
四 相互の保証があること。(日本とシンガポールの間にはあります)
以上の要件を満たしていることを立証することで、
日本で同判決を承認することができます。
もっとも、承認手続が必要なのは、夫が養育費、財産分与等を未払いのため、
強制執行をしなければならない場合のみ。
判決に基づいて支払いがなされている限りは、この手続を行う必要は当然ありません。
この無効訴訟は、
「訴状の送達が行われたか」
「判決内容を知る機会があったか」等、
手続的争点にほぼ終始することとなります。
つまり、判決の内容についてはほとんど争えません。
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