読めない空気圧

ぐっすりと眠り入っていた。
目覚まし時計のアラームにもしばらく気がつかなかった。
アラームをとめて、
二度寝の誘惑と寝過ごす心配の波間で心地好く揺れていた。

妻が朝の仕度を始めた音で再び寝覚め、
活動を開始した。
朝食はトーストとホウレン草スパゲッティーにバナナ。
便通はおやすみ。

外に出てみると、昨夜の寒さがそのまま残った冷え込みがあった。
上空は晴れ渡っていたが、北の空には重たそうな灰色をした雲が勢力拡大中に見えた。

いつもの電車に乗ろうとすると、いつにない満員状態。
「なんやこれ」と思っていたら後ろから次々と物言わぬ圧力がかかって来て、
倒れないためには前へ進むしかなかった。