今回は、化粧品の原料について書いてみたいと思います。
一般に皆さんが使っている化粧品(ヘアケア商品・フェイスケア商品)には様々な原料が複雑に混ぜ合わされています。
それは使用感や香りなど、様々なメーカーの思想が盛り込まれているようです。
しかし、ほとんどの化粧品は植物性(水溶性)と石油系(油性)動物性(脂溶性)の物で作られています。
そこで、問題になるのが水と油を混ぜるための界面活性剤です(可溶化剤と言われるものです)
先日、偶然にも現在開発中のローションのサンプルテストの時の事にAパターン(自分の処方)とBパターン(メーカー推奨可溶化剤配合の処方)をテストしました。
自分は全て水溶性の原料を配合する事で安全性を主張しましたが、メーカーさんは「今回の可溶化剤は医療用にも使われているし、口紅やマスカラには良く使われているから大丈夫」主張してきました。
そこで、実際にテストをしたのですが、モデルは自分と家族です(いつもですが)
実験方法は顔を左右に分けAローションとBローションを塗り分けます。
結果は見事にBローション(可溶化剤入り)を塗ったところはかぶれてしまいました。
メーカーの担当者の方も愕然とされていましたが、それは動かぬ事実です(私の予想通り)
それもたった0.3%の配合でです。
でも、この配合量は実は原料も1種類だけなので他の製品よりもはるかに少ないのです(通常の化粧品は最低でも2~3種類は安全と言われている可溶化剤を入れています)
確かに私の家族の中で明確に被れたのは敏感肌の1名ですが、自分も使った瞬間に刺激性を感じるものでした。
そのぐらい可溶化剤(界面活性剤)は危険性が高いものなのです。
なぜなら水と油を溶かして混ぜると言う物だからです。
人の皮膚(肌)も水と脂により守られている以上、溶解性の高いものを付ける事は、本当に危険な事なのですよ。
今回の、実験のお陰で、あらためて全成分水溶性の安全なローションの開発が出来ました(デビューはもう少し先ですが・・・)
それにしても、実験結果が良くも悪くも家族で良かったと、何時も思います。
自分達の、大切なお客様(消費者の方々)に使っていただいて、もしもの事があったならと思うので、家族が身をもって危険性を知らせる事で、本当の安全性を発見できた事は良かったと思います。
家族は不満げですが、私はそんな家族に「尊い犠牲の素に、安全は守られるのです」と言いました。
それでも、顔の半分だけが「かゆい~」って怒ってますけどね・・・・
でも、そのお陰でそんな症状を改善する新たな処方のローションも同時に見つけてしまったので、ちょっとラッキーです。
これだから、研究開発は止められない!!