徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2016年夏、ヘルパンギーナ流行中

2016年08月09日 06時49分45秒 | 小児科診療
 夏風邪三兄弟(ヘルパンギーナ、プール熱、手足口病)のひとつであるヘルパンギーナが当地でも流行中です。
 プール熱、手足口病はほとんど見かけません。

■ 夏かぜヘルパンギーナ、福島でも流行中 大人は重症化も
2016年8月7日:朝日新聞
 乳幼児を中心に夏かぜの症状が出るウイルス性感染症「ヘルパンギーナ」の流行が福島県内で広がっている。患者は400人に達し、会津や県南、浜通りで流行期に入った。県は「患者が2600人を超えた5年前と広がり方が似ている」とし、手洗いの徹底を呼びかけている。
 ヘルパンギーナは38度以上の発熱やのどの痛み、のどの奥に小さな水ぶくれができる夏かぜの一種。一般に2~4日で快方に向かうが、まれに無菌性髄膜炎や急性心筋炎などを併発し、重症化や長期化を招くことがあるという。
 福島県健康増進課によると、県内では7月末までに414人がヘルパンギーナと診断された。会津(会津若松市)、いわき市の2保健所管内では7月25~31日の患者数が、1医療機関あたり6人の「警報レベル」を今年初めて超えた。
 患者数は過去2年の同時期と比べて3・0~1・3倍。隣県の山形や栃木、群馬では全域で警報レベルに達した。県内では2011年に2622人が発症しているが、それ以来の拡大となる可能性があるという。同課の担当者は「帰宅やおむつ替え後の手洗い、うがいを徹底して」と話す。


 ヘルパンギーナという病気の特徴を私的に列挙すると・・・

・ヘルパンギーナはウイルスが原因であり、かつ原因となるウイルスは一種類ではありません。つまり、何回か罹ることがあります。
・抗生物質は効きません。特効薬もなく、対症療法のみ。
・症状が治まっても感染力はなくなりません。便中にウイルスが数週間出続けるので、オムツの処理を適切に行わないと感染拡大が止まりません。
・隔離義務の設定はありません。つまり「○○まで登園禁止」という指示が医師から出ることはなく、「症状が治まって元気になったら登園可」とふつうの風邪と変わりません。

 というわけで、診断してもあまりできることがないのです。
 まあ、経過の見通しがつく、というメリットはありますが。
 のどの痛みには西洋薬より漢方薬の方が有効ですね。

 こちらも参考にどうぞ;

夏風邪のお話(当院HP)
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