昨夜「第18回群馬県小児感染免疫研究会」に参加しました。
いろいろお役立ち情報がありましたので、メモメモ。
■ 百日咳問題
重症化しやすい新生児の百日咳がなくならない。2010年代になり成人の百日咳が増えてきた。大人から赤ちゃんに感染するルートが問題である。
新生児にマクロライド系抗菌薬を使用すると肥厚性幽門狭窄症の副作用が出やすい。従来はEMの報告のみだったか、2014年には母親がEMを内服しても同様のリスクが増えること、2015年にはAZMでも関連が報告されている。
■ ヒブ&肺炎球菌ワクチン導入のインパクト
両者による侵襲性感染症(IPD)の頻度は激減したが差がある。
ヒブによる髄膜炎は100%減少(つまりゼロ)、一方の肺炎球菌による髄膜炎は71%減にとどまる。
■ 肺炎球菌ワクチンと菌株のいたちごっこ
肺炎球菌ワクチンは7価→ 13価となった。7価に含まれる菌株は100%消失したが、13価で追加された菌株はまだ発生例がある(接種回数の問題か?)。さらに、13価でもカバーされない菌株の発生はなくならない。
■ 溶連菌性咽頭炎の治療
・従来はペニシリン系抗菌薬10日間投与がゴールデンスタンダードだったが、除菌失敗が35%存在する。耐性菌はないはずなのにこれはなぜ?
→ ①周囲にβ-ラクタマーゼ産生菌(モラクセラ・カタラーリス等)がいるため、②口腔内常在菌の減少によるGASの増殖・再定着、③服薬期間が長いため服薬コンプライアンスが悪い、④GASの細胞内侵入(があるらしい)、など。
・AMPC10日間とメイアクト5日間の臨床効果(症状軽減効果)・除菌率は同等であり、メイアクトの方が口腔常在菌への影響が少ない。
■ 溶連菌性咽頭炎の反復感染(再燃・再感染)の実像
再燃(relapse)と再感染(re-infection)を区別すべし。
□ 再燃(relapse):抗菌薬投与によっても除菌されなかった菌株が感染を起こす。菌の性状が同一。
□ 再感染(re-infection):新たに獲得した菌株が感染を起こす。菌株の性状は異なる。
・・・データによると間隔が1ヶ月以内の反復感染は再燃、1ヶ月以上の反復感染は再感染の可能性が大。
今回の講演を拝聴して、溶連菌性咽頭炎の治療薬をペニシリン系からセフェム系へ変更する決心ができました。
いろいろお役立ち情報がありましたので、メモメモ。
■ 百日咳問題
重症化しやすい新生児の百日咳がなくならない。2010年代になり成人の百日咳が増えてきた。大人から赤ちゃんに感染するルートが問題である。
新生児にマクロライド系抗菌薬を使用すると肥厚性幽門狭窄症の副作用が出やすい。従来はEMの報告のみだったか、2014年には母親がEMを内服しても同様のリスクが増えること、2015年にはAZMでも関連が報告されている。
■ ヒブ&肺炎球菌ワクチン導入のインパクト
両者による侵襲性感染症(IPD)の頻度は激減したが差がある。
ヒブによる髄膜炎は100%減少(つまりゼロ)、一方の肺炎球菌による髄膜炎は71%減にとどまる。
■ 肺炎球菌ワクチンと菌株のいたちごっこ
肺炎球菌ワクチンは7価→ 13価となった。7価に含まれる菌株は100%消失したが、13価で追加された菌株はまだ発生例がある(接種回数の問題か?)。さらに、13価でもカバーされない菌株の発生はなくならない。
■ 溶連菌性咽頭炎の治療
・従来はペニシリン系抗菌薬10日間投与がゴールデンスタンダードだったが、除菌失敗が35%存在する。耐性菌はないはずなのにこれはなぜ?
→ ①周囲にβ-ラクタマーゼ産生菌(モラクセラ・カタラーリス等)がいるため、②口腔内常在菌の減少によるGASの増殖・再定着、③服薬期間が長いため服薬コンプライアンスが悪い、④GASの細胞内侵入(があるらしい)、など。
・AMPC10日間とメイアクト5日間の臨床効果(症状軽減効果)・除菌率は同等であり、メイアクトの方が口腔常在菌への影響が少ない。
■ 溶連菌性咽頭炎の反復感染(再燃・再感染)の実像
再燃(relapse)と再感染(re-infection)を区別すべし。
□ 再燃(relapse):抗菌薬投与によっても除菌されなかった菌株が感染を起こす。菌の性状が同一。
□ 再感染(re-infection):新たに獲得した菌株が感染を起こす。菌株の性状は異なる。
・・・データによると間隔が1ヶ月以内の反復感染は再燃、1ヶ月以上の反復感染は再感染の可能性が大。
今回の講演を拝聴して、溶連菌性咽頭炎の治療薬をペニシリン系からセフェム系へ変更する決心ができました。