漢方学習ノート

漢方医学の魅力に取りつかれた小児科医です.学会やネットで得た情報や、最近読んだ本の感想を書き留めました(本棚3)。

漢方薬は○○○と一緒に飲んではいけない。

2017年09月18日 07時25分06秒 | 漢方
 漢方薬を嫌がる子どもにどうやって飲ませるか、日々苦労している私ですが、「○○○と一緒に飲んではいけない」という話も聞きます。
 ちょっと整理しておきたいと思います。

日本漢方生薬製剤協会HPより)
・どうしてものめないときは、多少甘みのあるものでのんでもかまいませんが、牛乳、ジュースやコーラは薬と相互作用を起こす可能性もありますので、できるだけお止め下さい。
・赤ちゃんには顆粒又は細粒の場合には次の方法を試してみて下さい。まず、少量の水で練って団子状にし、上あごの裏に塗りつけておくと、赤ちゃんはそれを舌でなめてのむことが出来ます。そして、くすりをのみ込んだらすぐに飲み物を与えましょう。お湯に溶かしてスプーンやスポイトで少しずつ時間をかけて流し込む方法も良いでしょう。ミルクに溶かすのは、クスリの吸収が低下する恐れがあり、赤ちゃんをミルク嫌いにするので良くないといわれています。


 気になったのは下線部分「牛乳、ジュースやコーラは薬と相互作用を起こす可能性」「ミルクに溶かすのは、クスリの吸収が低下する恐れ」ですが、詳しい情報は記載されていませんでした。
 ジュース類は全部ダメなのでしょうか?

クラシエのHPより)
Q.漢方薬は、お茶やジュース、牛乳など水以外のもので飲んでもいいですか?
A.「お茶」「ジュース」「牛乳」などは薬の吸収に影響し、効果に影響を及ぼすことがありますので避けたほうがいいです。


 むむっ、ここでも「お茶・ジュース・牛乳は薬の吸収・効果に影響を及ぼすことがある」とのみ記載されています。

(「薬の豆知識」(海部調剤HP)より)
Q.漢方薬はお茶やジュース、牛乳、アルコールなどで飲んでもいいですか?
A.いずれもあまり勧められません。
(お茶)タンニン類などの生理活性物質が多く含まれており、漢方薬の成分と相互作用を起こして本来の作用とは異なる作用が発現する可能性が考えられます。
(ジュース)ジュースの有機酸(酸味成分)と化学変化を起こす可能性が考えられます。
(牛乳)漢方薬成分が乳蛋白と結合して吸収が悪くなる可能性が考えられます。
(アルコール)一般にアルコールは薬物の吸収に影響を与え、水で服用した場合とは成分の吸収度合いが違ってくる可能性があります。


 このHPは一歩突っ込んだ記載・解説ですね。
 お茶のタンニンも曲者らしい。
 ジュースでは酸味成分と化学変化を起こす可能性があるとのこと、すると果物/フルーツジュース系は怪しいということになります。桂枝とりんごジュースの相性の良さは有名ですが、ダメなのでしょうか。それにいわゆる「お薬ゼリー」では果物風味がたくさん用意されていますが、こちらはどうなのでしょう。
 牛乳は乳たんぱくと生薬成分が結合して効果減弱の可能性があるとのこと。

 では、どの程度効果が弱くなるのでしょう。
 飲めなければ効かないので、多少(数割以内)の効果減弱ならトライしても良いかと思うのですが・・・データがあるかどうか探してみます。

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