NHK-BSPでヒューマニエンス〜40億年の企み「皮膚」を見ました。
その中で、写真家のヨシダナギさんが興味深いことをコメントされました。
「アフリカの少数民族の人たちと一緒にいて気づいたことがあります」
「赤ちゃんが泣かないのです」
「いえ、お腹がすいたときとかは泣くんですけど、無駄泣きはしないというか・・・」
「あるとき子どもを抱いているお母さんに聞いてみました」
「日本では泣いている赤ちゃんをあやすのに苦労するけど、
ここではそんな場面を見ない、これはどうして?」
するとお母さんが答えました。
「日本で赤ちゃんを抱っこするとき、どんな格好してるの?」
「もしかしてお母さんは服を着て、赤ちゃんも服を着ていない?」
そう、この少数民族は裸族だったのです。
「肌と肌を密着させて抱っこすると赤ちゃんは落ち着くのよ」
と当たり前のように云ったのでした。
そういえば、赤ちゃんの泣き声が気にならない少数民族は、おしなべてら裸族であったことに気づいたナギさんでした。
私たちが忘れてかけているコミュニケーションの原点、スキンシップの大切さを実感させられるエピソードです。
夜なきに悩むお母さん方にとって、一つのヒントになると思います。
ほかに番組の中で、驚くような皮膚の機能の新発見も紹介されました。
一つは「光を感じるセンサー“オプシン”が皮膚にある」(傳田光洋氏)こと。
時差ボケの治療で強い光を浴びる方法があります。
ある科学者が、健康人と光も感じられない盲目者にその治療を施したところ、両者とも時差ボケが治ったと報告しました。
その論文を読んだ日本人科学者が、皮膚にも網膜と同じセンサーが存在するのではないかと研究したところ、本当にあることを突き止めたのでした。
人間ってすごい!
<番組紹介>
「皮膚」には、目でなくても“光”を捉え、耳でなくても“音”を聞き、舌でなくても“味”を知るという感覚が備わっていることがわかってきた。その皮膚の能力は生命進化において、脳が生まれる前から存在していたため「0番目の脳」とも呼ばれる。皮膚の存在は自分の内と外を区別するために不可欠。そのため、もし皮膚感覚を失うと「私」を認知できなくなり、自己を喪失してしまうという。皮膚に秘められた驚きの力を妄想する。