発達障がい・こころのやまい

専門外ながら相談を受けることがあり、その際に読んだ本や集めた情報を書き留めました(本棚9)。

「ストーカー 〜加害者たちの告白」(NHKハートネットTV)2016年10月

2016-11-06 07:01:02 | 
 ストーカーを被害者視点から扱う番組の多い中、加害者を取材しその治療を扱った内容です。

 精神科医は、「人間には人間的脳と動物的脳がある。ストーカーは本能に走りがちな動物的脳が暴走している状態であり、人間的脳により抑制するリハビリを行う」とコメント。
 ニセモノのスマホを使ってメールを出すという失敗経験を重ねたり、自分の行動を封印するおまじないのようなことを繰り返し口走ることにより、動物的脳の行動を疲弊させる作戦です。

 臨床心理士は、「ストーカーは、ストーカー行為の他に問題を抱えているヒトばかり」とコメント。
 そこを掘り下げると、育った家庭に問題があり、親から十分な愛情をもらえず、自己評価が低いことが浮かび上がってきました。

 自分を認めて欲しい。
 自分を必要として欲しい。
 自分を愛して欲しい。

 それが達成できないと、
 自分と同じように不幸になればいいんだ。
 という歪んだ行動の原因になります。

 ああ、ここでも同じか。

 秋葉原事件をはじめ、他の少年犯罪に「愛情不全症候群」を論じる視点があります。
 犯罪者も被害者の側面が無きにしも非ず。

 両親の愛情が受けられなかった。
 自分は存在価値がないと思う(自己肯定感の欠如)。
 自分に自身がない、信じられない。
 他人も信じられない。
 コミュニケーション不全を起こし、人間関係がぎくしゃく。
 極端な行動に出る傾向。

 おそらく、その親も十分な愛情を注がれる環境ではなかったのでしょう。
 愛情不足の連鎖をどう断ち切るか、まで議論が進まないと、犯罪はなくならないと思います。
 ほ乳類って、母に抱かれて母乳で育ち、父に守られる、というたくさんたくさん愛情が必要な動物なのです。
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