「うつ病は“こころの風邪”」と呼ばれた時代もありました。
が、現実を知る人々には違和感がありました。
わかりやすく解説した記事が目にとまりましたので紹介します。
※ 下線は私が引きました。
■ うつ病にまつわる5つの誤解
(2018/2/16:All About)
うつ病に関するよくある5つの誤解について詳しく解説します。
◆まだ誤解されがちな「うつ病」という病気
自分や身近な誰かが心の病気になってしまった時、回復の第一歩として大切なことは、まずその病気をよく理解することです。
心の病気は一般的に病態が複雑なことも多く、また、誤解されがちな点もあります。これらは病気を正しく理解する妨げになってしまう可能性もあります。
ここでは代表的な心の病気の一つである「うつ病」を取り上げて、よくある誤解について詳しく解説します。
◆うつ病は「気持ちの弱い人の病気」という誤解
うつ病を本当の「病気」として見ずに、その人の性格や性質に原因がある単なるパーソナリティの問題のように見なすことは、うつ病にありがちな誤解の一つです。
例えば、「うつ病は気持ちの弱い人に起こる問題だ」といった考え方です。
こうした誤解が強くある方がうつ病を発症してしまった場合、精神科を受診することは自分の弱さを認めることだと誤った認識をしてしまうこともあり、これにより、必要な治療がなかなか始められないことも考えられます。
うつ病は基本的には脳内に何らかの問題が生じたことが原因で起こるもので、抗うつ薬などで対処する必要がある病気です。
当人のパーソナリティといった単一の要因で簡単に説明できるものではなく、遺伝子レベルの要因、心理的な要因、そして生活環境などの問題が複雑に関わったときに発症すると考えられています。
うつ病は決して特定の性格の人に起こる病気ではありません。逆に言うと、普段自信に満ち溢れている人でも、いわゆる気の強い性格の人や、明るく社交的な人でも、複数の要因が揃ってしまうと、うつ病を発症する可能性があります。
◆うつ病になると必ず不眠症状が出るという誤解
うつ病をある一つのイメージで捉えている方も少なくないと思います。
うつ病発症の初期にそれらのイメージ通りの症状が現われていれば、病気に気付きやすいですが、うつ病の症状にかなり個人差があることは意外と知られていないかもしれません。発症時の状況がイメージから外れていた場合、初期症状を見逃してしまうことになります。
例えば、うつ病の典型的なイメージとして、顔に笑顔がなくなり、食事も喉を通らず、夜眠れなくなる、といった状態を浮かべる方も少なくないでしょう。
実際に睡眠や食欲のレベルはうつ病を発症すると、それまでとはかなり変化するため、 うつ病に気付くための重要なチェックポイントになります。
しかし必ずしも全てのうつ病患者さんに食欲不振や不眠症などの症状が現われるとは限りません。反対に過食や過眠傾向が強まることもあります。
また、うつ病を発症すると、精神症状だけでなく、頭痛や腹痛など身体症状がはっきり現われることもあります。
うつ病は心の病気という認識だけでいると、これらの身体症状に注意が向き過ぎてしまい、現われているはずの気持ちの落ち込みを当人があまり自覚できないような場合もあります。
うつ病の症状の現われ方が個々人で違ってくることは、うつ病に関する重要な基礎知識の一つとしてぜひ覚えていただきたいことです。
◆うつ病症状は頑張れば克服できるという誤解
うつ病を発症すると、口数が少なくなったり、仕事や勉強の能率が落ちてきたり、場合によってはちょっとした家事や外出ですら億劫になりできなくなってしまうこともあります。
周りの方はこうした問題をしばしば病気によるものとは考えられず、当人の気持ちや生活態度の問題のように受け取ってしまいがちです。
もし上記のような状態を見て、「気合が足りない」「頑張ればできるはず」といった思いがあれば、それは大きな誤解です。うつ病は脳内の機能に問題が生じたために、心身がいわばガス欠になってしまったような状態です。
当人自身がどんなに頑張りたくても、まるで頑張れない状態になっているのです。例えばですが、ひどい胃腸炎で苦しんでいるときに、どんなに頑張っても全力でスポーツなどに取り組むことができないことと同じです。
気持ちや気合いだけではどうにもならないため、何か楽しい予定に誘ってみても、当人にそれを楽しむエネルギー自体がないため、つれない態度で拒絶されてしまう可能性もあります。
苦しんでいる当人を誤解してしまわないよう、予め頭に置いておきたいことです。
◆うつ病は自然治癒するという誤解
周りの誰かの気持ちが落ち込んでいることに気付いた時、少し時間がたてば元に戻るだろう……と、あまり気にかけないこともあるかと思います。
確かに通常の気持ちの落ち込みならば、時間の経過とともに元に戻りますが、うつ病を発症している場合、「放っておけば良くなる」といった考えは完全に誤解です。うつ病は未治療のまま放置すれば、ますます深刻化していく可能性があります。
とはいえ、うつ病の始まりは周りの目には日常的なレベルの不調と見分けがつきにくいものです。うつ病の始まりを見逃さないためには、落ち込みの持続期間と深刻さにどうか注意してみてください。
もし周りの目から見ても、一定期間を超えて、継続的な気持ちの落ち込みが見られ、その他にも気になる問題が現われているような場合、治療が必要なレベルに深刻化している可能性もあります。
個人差はありますが、もし1週間以上、気持ちの落ち込みがずっと和らぐことなく継続していて、日常生活にも支障が現われているような場合は、うつ病の可能性も考慮すべきでしょう。
◆「死にたい」という言葉は構われたいためという誤解
また、落ち込んだ様子の相手の口からもし仮に自殺をほのめかすような言葉が出た時は、周りの方は絶対に軽視しないでください。
中にはそういった言動を、構われたくて言っているだけではないかと考えてしまう方もいるようですが、死にたいといった言葉を口にする時点で、うつ病がかなり深刻化している可能性があります。
ただちに精神科(神経科)を受診され、必要な治療を開始すべき状況です。そして放置すれば実際に行動に移してしまう可能性もあることを、周りの方はくれぐれも注意する必要があります。
以上、ここではうつ病の基礎知識として、うつ病にありがちな誤解を詳しく解説しました。うつ病の発症率は統計によっても数字に幅がありますが、多くの統計で「人口の10%前後」と言われています。決して珍しい病気ではありません。
万に一つではなく、十に一つの、身近な病気です。ここで解説したことに該当する誤解をされていた方は、どうかただちに修正し、正しい認識を持っていただくよう、お願いいたします。
が、現実を知る人々には違和感がありました。
わかりやすく解説した記事が目にとまりましたので紹介します。
※ 下線は私が引きました。
■ うつ病にまつわる5つの誤解
(2018/2/16:All About)
うつ病に関するよくある5つの誤解について詳しく解説します。
◆まだ誤解されがちな「うつ病」という病気
自分や身近な誰かが心の病気になってしまった時、回復の第一歩として大切なことは、まずその病気をよく理解することです。
心の病気は一般的に病態が複雑なことも多く、また、誤解されがちな点もあります。これらは病気を正しく理解する妨げになってしまう可能性もあります。
ここでは代表的な心の病気の一つである「うつ病」を取り上げて、よくある誤解について詳しく解説します。
◆うつ病は「気持ちの弱い人の病気」という誤解
うつ病を本当の「病気」として見ずに、その人の性格や性質に原因がある単なるパーソナリティの問題のように見なすことは、うつ病にありがちな誤解の一つです。
例えば、「うつ病は気持ちの弱い人に起こる問題だ」といった考え方です。
こうした誤解が強くある方がうつ病を発症してしまった場合、精神科を受診することは自分の弱さを認めることだと誤った認識をしてしまうこともあり、これにより、必要な治療がなかなか始められないことも考えられます。
うつ病は基本的には脳内に何らかの問題が生じたことが原因で起こるもので、抗うつ薬などで対処する必要がある病気です。
当人のパーソナリティといった単一の要因で簡単に説明できるものではなく、遺伝子レベルの要因、心理的な要因、そして生活環境などの問題が複雑に関わったときに発症すると考えられています。
うつ病は決して特定の性格の人に起こる病気ではありません。逆に言うと、普段自信に満ち溢れている人でも、いわゆる気の強い性格の人や、明るく社交的な人でも、複数の要因が揃ってしまうと、うつ病を発症する可能性があります。
◆うつ病になると必ず不眠症状が出るという誤解
うつ病をある一つのイメージで捉えている方も少なくないと思います。
うつ病発症の初期にそれらのイメージ通りの症状が現われていれば、病気に気付きやすいですが、うつ病の症状にかなり個人差があることは意外と知られていないかもしれません。発症時の状況がイメージから外れていた場合、初期症状を見逃してしまうことになります。
例えば、うつ病の典型的なイメージとして、顔に笑顔がなくなり、食事も喉を通らず、夜眠れなくなる、といった状態を浮かべる方も少なくないでしょう。
実際に睡眠や食欲のレベルはうつ病を発症すると、それまでとはかなり変化するため、 うつ病に気付くための重要なチェックポイントになります。
しかし必ずしも全てのうつ病患者さんに食欲不振や不眠症などの症状が現われるとは限りません。反対に過食や過眠傾向が強まることもあります。
また、うつ病を発症すると、精神症状だけでなく、頭痛や腹痛など身体症状がはっきり現われることもあります。
うつ病は心の病気という認識だけでいると、これらの身体症状に注意が向き過ぎてしまい、現われているはずの気持ちの落ち込みを当人があまり自覚できないような場合もあります。
うつ病の症状の現われ方が個々人で違ってくることは、うつ病に関する重要な基礎知識の一つとしてぜひ覚えていただきたいことです。
◆うつ病症状は頑張れば克服できるという誤解
うつ病を発症すると、口数が少なくなったり、仕事や勉強の能率が落ちてきたり、場合によってはちょっとした家事や外出ですら億劫になりできなくなってしまうこともあります。
周りの方はこうした問題をしばしば病気によるものとは考えられず、当人の気持ちや生活態度の問題のように受け取ってしまいがちです。
もし上記のような状態を見て、「気合が足りない」「頑張ればできるはず」といった思いがあれば、それは大きな誤解です。うつ病は脳内の機能に問題が生じたために、心身がいわばガス欠になってしまったような状態です。
当人自身がどんなに頑張りたくても、まるで頑張れない状態になっているのです。例えばですが、ひどい胃腸炎で苦しんでいるときに、どんなに頑張っても全力でスポーツなどに取り組むことができないことと同じです。
気持ちや気合いだけではどうにもならないため、何か楽しい予定に誘ってみても、当人にそれを楽しむエネルギー自体がないため、つれない態度で拒絶されてしまう可能性もあります。
苦しんでいる当人を誤解してしまわないよう、予め頭に置いておきたいことです。
◆うつ病は自然治癒するという誤解
周りの誰かの気持ちが落ち込んでいることに気付いた時、少し時間がたてば元に戻るだろう……と、あまり気にかけないこともあるかと思います。
確かに通常の気持ちの落ち込みならば、時間の経過とともに元に戻りますが、うつ病を発症している場合、「放っておけば良くなる」といった考えは完全に誤解です。うつ病は未治療のまま放置すれば、ますます深刻化していく可能性があります。
とはいえ、うつ病の始まりは周りの目には日常的なレベルの不調と見分けがつきにくいものです。うつ病の始まりを見逃さないためには、落ち込みの持続期間と深刻さにどうか注意してみてください。
もし周りの目から見ても、一定期間を超えて、継続的な気持ちの落ち込みが見られ、その他にも気になる問題が現われているような場合、治療が必要なレベルに深刻化している可能性もあります。
個人差はありますが、もし1週間以上、気持ちの落ち込みがずっと和らぐことなく継続していて、日常生活にも支障が現われているような場合は、うつ病の可能性も考慮すべきでしょう。
◆「死にたい」という言葉は構われたいためという誤解
また、落ち込んだ様子の相手の口からもし仮に自殺をほのめかすような言葉が出た時は、周りの方は絶対に軽視しないでください。
中にはそういった言動を、構われたくて言っているだけではないかと考えてしまう方もいるようですが、死にたいといった言葉を口にする時点で、うつ病がかなり深刻化している可能性があります。
ただちに精神科(神経科)を受診され、必要な治療を開始すべき状況です。そして放置すれば実際に行動に移してしまう可能性もあることを、周りの方はくれぐれも注意する必要があります。
以上、ここではうつ病の基礎知識として、うつ病にありがちな誤解を詳しく解説しました。うつ病の発症率は統計によっても数字に幅がありますが、多くの統計で「人口の10%前後」と言われています。決して珍しい病気ではありません。
万に一つではなく、十に一つの、身近な病気です。ここで解説したことに該当する誤解をされていた方は、どうかただちに修正し、正しい認識を持っていただくよう、お願いいたします。