アメリカ黒人文化のルーツを黒人音楽を介して解説した内容の本です。
その中で、ブルーズの説明を読んでいて驚きました。
アメリカの黒人達は、200年以上にわたって奴隷として搾取され、むごい扱いを受け、一瞬一瞬を上と暴力におびえながら暮らしてきた。彼らの中に植え付けられた人間に対する不信感や恐怖は、生きていく希望を根こそぎ借りたってしまった。
ぬぐいきれない不安や、ほんとうに自分を押しつぶしてしまう「いや〜な気持ち」を、彼らをとても苦しめた。頑張って何かをしようという気になれないのである。だいたい、朝、憂鬱すぎて起きることができない。他党としても、足の下に悪魔がいるような気がする、そんながんじがらめの気分。
ブルーズが生まれた頃の南部の黒人の多くは、今の私たちから見ると「どうやって生き続けていたんだろう」と思うほどの苦難を生きていた。
でもすごいのは、その苦難を「トラブル君」と呼び、自分の鬱状態を「ブルーズ君」というキャラクターにしてしまったこと。トラブル君やブルーズ君に文句を言ったりして「やれやれ、かなわないなあ」と歌って「ダメ男」の仮面を演じ、深刻な事態をまるで人ごとのように扱っている。「たいへんさ」を自分から取り出して、壁に掛けて、眺めて、話しかけて、茶化して、歌ってしまう。
もしあなたがいま、とてもゆううつで動けないような気がしていたら、あなたの「うつ君」に「おい、相棒、オレの側をウロウロすんなよ」と話しかけるといい。
ブルーズの歌い手はいつも不安である。そして歌には、彼の不安を化身したような気味悪い生き物が「ブルーズ君」として現れる。
驚きました。
これはまるで、うつ病の精神療法そのものではありませんか!
ブルーズの歌詞は、ゆううつを客観視し、擬人化して手放すことを歌っているのですね。
その中で、ブルーズの説明を読んでいて驚きました。
アメリカの黒人達は、200年以上にわたって奴隷として搾取され、むごい扱いを受け、一瞬一瞬を上と暴力におびえながら暮らしてきた。彼らの中に植え付けられた人間に対する不信感や恐怖は、生きていく希望を根こそぎ借りたってしまった。
ぬぐいきれない不安や、ほんとうに自分を押しつぶしてしまう「いや〜な気持ち」を、彼らをとても苦しめた。頑張って何かをしようという気になれないのである。だいたい、朝、憂鬱すぎて起きることができない。他党としても、足の下に悪魔がいるような気がする、そんながんじがらめの気分。
ブルーズが生まれた頃の南部の黒人の多くは、今の私たちから見ると「どうやって生き続けていたんだろう」と思うほどの苦難を生きていた。
でもすごいのは、その苦難を「トラブル君」と呼び、自分の鬱状態を「ブルーズ君」というキャラクターにしてしまったこと。トラブル君やブルーズ君に文句を言ったりして「やれやれ、かなわないなあ」と歌って「ダメ男」の仮面を演じ、深刻な事態をまるで人ごとのように扱っている。「たいへんさ」を自分から取り出して、壁に掛けて、眺めて、話しかけて、茶化して、歌ってしまう。
もしあなたがいま、とてもゆううつで動けないような気がしていたら、あなたの「うつ君」に「おい、相棒、オレの側をウロウロすんなよ」と話しかけるといい。
ブルーズの歌い手はいつも不安である。そして歌には、彼の不安を化身したような気味悪い生き物が「ブルーズ君」として現れる。
驚きました。
これはまるで、うつ病の精神療法そのものではありませんか!
ブルーズの歌詞は、ゆううつを客観視し、擬人化して手放すことを歌っているのですね。