源氏物語の主人公、光源氏、六条院は、母の面影を追いながら様々な女性を愛していきます。
でも、それだけが物語のほんとうの姿ではありません。
一人一人の女性の成育史と性格に添いながら、その女性のあるがままの姿をそのまま愛していく光源氏に私は魅力を感じます。
しかし、ただひとり、自分の理想を追い求めた結果、先立たれる紫の上だけは別です。
六条の御息所は、抑圧の深さから無意識に怨霊となり、嫉妬の深さを表出していきます。私自身のストレスをどのように表出させるか考えると、案外、怨霊となる自分に気づき苦しむ六条の御息所に親近感を覚えるのです。
一方、抑圧の深さを、更に深淵へと追いやっていった紫の上自身には、自虐的なアイデンティティを感じるのです。
どこへ放出することもなく自分の命さえも深淵へと持ち去ってしまったように思います。
それは、自我が目覚める前に無意識のなかで分化していった光源氏の教育、または洗脳が大きな原因かもしれない、と思ったりもします。
あるがままを愛することの大切さを千年前の物語からも感じることができるのです。
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一人一人の女性の成育史と性格に添いながら、その女性のあるがままの姿をそのまま愛していく光源氏に私は魅力を感じます。
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六条の御息所は、抑圧の深さから無意識に怨霊となり、嫉妬の深さを表出していきます。私自身のストレスをどのように表出させるか考えると、案外、怨霊となる自分に気づき苦しむ六条の御息所に親近感を覚えるのです。
一方、抑圧の深さを、更に深淵へと追いやっていった紫の上自身には、自虐的なアイデンティティを感じるのです。
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