朝から暖かい雨が降っている。穏やかな静かな春の雨。
窓の外、雨に濡れる木々を見る。
裏庭のはずれ、アカマツに絡みつくフジに目が止まる。
ツルの巻き方をよく見れば右巻き、ということはヤマフジと思っていたことが間違いだった。
植物学の右巻き、左巻きの表現は通常と逆なので混乱を招く。
改めてこのフジは10数年前、実生の小さな50cm足らずの幼木を山から採取し、植えたもの。
庭の拡張に伴い、木々を伐採するたびに根元に植えているフジが邪魔になり、
最後移植先、このアカマツの根元に落ち着いた。そう考えるとすでに15年は過ぎている。
今や15mは越すだろうそのアカマツの頂まで登りつめ、幹は握りきれないほど太く成長いている。
だが、いまだ花は咲かない。
棚つけて一度も咲かず藤の花 一茶
今年こそと思う。