2025UCIワールドランキング第8週

　UAEはチーム力としてはグランツールの完全制覇も可能なのですが、昨年はブエルタを落としています。今年のポガチャルは今のところツール・ド・フランスだけの予定ですが、状況によってはブエルタを取りに行くことも十分に考えられます。ジロ・デ・イタリアはここまでレースに出ていないフアン・アユソがエースになるはずです。昨年のポガチャル同様に3月スタートがベストとチームは考えているのかもしれません。

　ポガチャルは地元UAEツアーで始動し、予想通りの総合優勝を果たしています。使用バイクはチーム全員がY1Rsでした。一方、ヨーロッパ組みもブエルタ・ア・アンダルシアではV4Rsを使用したパベル・シヴァコフが総合優勝を飾り、ティム・ウェレンスが5位、マルク・ソレルが7位という好成績を残しています。

　ヴォルタ・アオ・アルガルベでも最終日の個人TTでヨナス・ヴィンゲゴーに逆転優勝を攫われましたが、アルメイダが総合2位、ステージ勝利を挙げ前日までリーダージャージを着ていたヤン・クリステンが10位、アントニオ・モルガドが11位という結果を残しています。

　この週の結果を受けたワールドランキングが発表されUAEチーム・エミュレーツが3,563ポイントと1位をキープしています。内訳は新加入のナルバエスがツアー・ダウンアンダーとエクアドルの国内選手権の勝利で740ポイント、モルガドがワンデーレースを2勝し538ポイント、それに続くのはUAEツアーでステージ2勝と総合優勝を果たしたポガチャルが425ポイント、ステージレースで総合2位が2度のアルメイダが346ポイント、ステージレースとワンデーレースでそれぞれ1勝ずつ挙げているヤン・クリステンが260ポイント、ブエルタ・ア・アンダルシアで総合優勝したシヴァコフが246ポイント、ツアー・オブ・オマーンで総合優勝したアダム・イエーツが233ポイント等となっています。

　驚くのはワールドランキング2位に躍り出たXDSアスタナチームです。ワールドツアーのトップ18に残るためのモチベーションの高さが大きく影響しているのでしょう。今季2勝を挙げツール・ド・アルプスで総合優勝しているクリスチャン・スカローニを筆頭に、カデル・エヴァンス・クラシック2位のベテラン・アルゴン・ゲイトなどの活躍がこの結果に繋がっているようです。

　3位もモビスター・チームです。ツアー・ダウンアンダーで活躍したファビエル・ロモとUAEツアーの総合4で新人賞を獲得したイヴァン・ロメオといった若手の活躍が目立っています。ツアー・ダウンアンダーではサム・ウェルシュフォードが3勝を挙げていたレッドブル・ボーラ・ハンスグローエですが、エースのログリッジはヴォルタ・アオ・アルガルベで総合8位と出遅れたのが気がかりです。ただ、UAEから今季移籍したフィン・フィッシャーブラックがチーム内トップのポイントを稼いでいます。

　そのログリッジを昨年放出したヴィスマ・リアースバイクはヴォルタ・アオ・アルガルベでヴィンゲゴーが総合優勝しているのですが、現在は18位と大きく出遅れています。ワウト・ファンアールトがロードレースに復帰していますので、これからが勝負と考えているのかもしれません。
　UAEツアーでミランとメルリールに敗れ続けたヤスペル・フィリップセンの状態が心配です。エースのファンデルプールの出場が3月からということもありますが、33位と大きく出遅れた格好になりました。

　1　UAE Team Emirates-XRG 　3.563
　2　XDS Astana Team 　2.280
　3　Movistar Team 　　　　　1.935
　4　Red Bull-BORA-hansgrohe 　1.633
　5　Bahrain Victorious 　1.458
　6　INEOS Grenadiers 　1.389
　7　Lidl-Trek 　　　　 　1.365
　8　Decathlon AG2R La Mondiale　 1.224
　9　Team Jayco-AlUla 1.220
　10　Team Picnic PostNL 932

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