CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

向かい風の中をなるべく楽に走る方法(1)

2024-11-29 14:43:20 | ロードバイクの科学
 ロードバイクで走る時に辛いものの一つに、「向かい風」があります。しかも、意外と季節に関係なく年中遭遇することがあるのですが、どうやったら少しでも楽に走ることが出来るのでしょうか?その方法について考えてみました。
 ポイントは3つ。1つ目は、できるだけ風を受ける面積を減らすこと、2つ目は風と喧嘩をしないこと、3つ目は、可能なら根本的にルートの取り方を変更してしまうことです。これらは、誰でもすぐ実践できることだと思います。
 まず取り組んでみてほしいのが、できるだけ前から風を受ける面積(前衛投影面積)を減らすことです。当然ながら、風が体に当たる面積を減らすことができれば、そのぶん風の抵抗を受けにくくなるからです。以前、「ロードバイクの空気抵抗を考える」という記事を書いていますので、興味のある方は参考にしてください。

 普段サイクリングしているときはリラックスして上体が高くなりがちだと思いますが、そのまま何ら姿勢を変化させなければ、当然向かい風で抵抗が増えてしまいます。ママチャリ程度の速度で走っていても、強い向かい風を受けると自然に頭を低くして、懸命にペダルを回した経験は誰にでもあるはずです。
 これは自転車に限らず、歩いている時でも、強い向かい風を受ければ。人は自然に頭を低くするものです。動物が人間より速く走ることが出来るのは、頭の位置が低く胴が長い等々速く走るために身体が進化しているからです。頭の位置が人間より高い馬でも、走り始めると自然と頭の位置が下がるはずです。これは生物のDNAに刻まれた習性なのかもしれません。一方人間は二足歩行するという進化をしたために、四つ足の動物に走りで勝つことは難しいのです。

 ロードバイクは人間が自力で最も速く走ることを可能にした乗り物です。その最大の特徴がドロップハンドルでしょう。これは前傾を深くすることで空気抵抗を低減することを目的に開発された優れた構造のひとつです。ハンドルの幅も狭く、前衛投影面積を小さくする効果があるのです。またサドルの位置を高くすることで、前傾をより深くすることも可能にしています。
 まずは、自分のできる範囲でいいので、肘を曲げることによって肩の位置を低く保ってみてください。結果的に頭の位置も下がって前傾姿勢が深くなり、風の当たる面積を減らすことができます。プロ選手のような深い前傾姿勢をとる必要はありませんが、ちょっと姿勢を低くするだけで、感覚的にも相当楽になるはずです。

 ただし、注意点があります。前傾姿勢を低くしようと肘を曲げてよくやってしまう失敗が、肘が外側に向いてしまうことです。こうなると肘が外に張り出している分、脇が開き、逆に風を受ける面積が大きくなってしまうからです。ロードバイクに乗ったらまず脇を締めることを意識してみて下さい。これだけで、走りはかなり楽になるはずです。肘を内側に絞るイメージです。すると自然に脇が締まり、体に風が当たる面積が減って楽になる上、深い前傾姿勢をとることができるようになるのです。
 ただ、この姿勢を我々一般のサイクリストが維持するのは辛いように思われるかもしれませんが、できるだけ長い時間維持するコツがあるのです。腕と肩だけで上体を支えないようにすることです。なかなか難しいかもしれませんが、腹筋まわりの体幹の力を使って上体を支えるようにしてみてください。腕への負担を減らし、前傾姿勢を維持しやすくなります。腕の力を抜き、腹筋にグッと力を入れるような意識の仕方です。
 ドロップハンドルを初めて使った時はどうしてもブラケットを強く握ってしまうものです。掌に力を入れると腕にも力が入ってしまうので、逆に掌をブラケットに添えるように置くようにすると腕の力も自然に抜けるのです。個人的には荒れた路面や長い下り以外では極力掌はハンドルに置くイメージで走っています。良くロードバイクで走ると肩がこるという人がいますが、掌の力を抜いてみて下さい。腕の力が抜け肩の疲労が確実に減るはずです。
 繰り返しますが、プロ選手のような深い前傾姿勢を取り続けなければいけないわけではありません。自分のできる範囲でいいので、できるだけ風の当たる面積を小さくする姿勢を考えてみて欲しいのです。また、特に風が強まったときだけ下ハンに持ち替えて、より姿勢を低くするだけでも十分に効果はあります。やるのとやらないのとでは、速度の落ち具合はかなり違ってくるはずです。

 個人的には下ハンを持つのが苦手なので、この春からCDA値の低減を考えてエアロフレアハンドルを使用しています。フレアハンドルとは下ハン部が「ハの字」に外に開いたハンドルバーのことです。勿論。フレアハンドルで下ハンを持つと脇が開き、空気抵抗は増えます。一方、ブラケットは内向きになるので、脇を締めブラケットを握り込むように前傾すると、楽にエアロポジションを取ることが出来るのです。このポジションでのエアロ効果は絶大で、ギア1~2枚分は違うはずです。「CDA値に見るフレアハンドル効果」という記事も参考にしていただければと思っています。
 




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2 コメント

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ピーター・サガン? (flowerconnection)
2024-12-01 10:19:30
肘を出っぱらせるプロ・ロードライダーがいたような・・・ピーター・サガン? 解説者が苦笑していたような記憶がチラリとあります。
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Unknown (cyclingfan)
2024-12-01 10:47:42
サガンはMTBの選手でもあったので、その癖が抜けなかったのかもしれませんが、脚力が別格だったので、それでも勝てたのでしょうね。
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