フィジークの名を世に知らしめたサドル「アリオネ」。アリオネとは真逆の発想で誕生した「アリアンテ」。そして "第三のA"である「アンタレス」。さらにMTB用に開発されたとはいえ、ロードでもと思わせてくれる「ツンドラ」。どれをとっても個性的で魅力的なサドルばかりです。
そもそもfi'zi:k(フィジーク)は会社名ではありません。Selle Royal社のハイエンドモデルのブランド名なのです。熟練の職人達の手作業によって生産され、プロツアーの選手達にも愛用されています。Selle Royal社は、シティ用サドルからプロユースのハイエンドモデルまで生産するイタリアの代表的なサドルメーカーです。
お恥ずかしい話しなのですが、AL-700Xのサドルを検討していた時は、穴あきサドルではないというだけの理由でフィジークはあっさり却下されていたのです。フィジークには穴あきサドルはありません。その理由は耐久性だそうです。穴をあける事で、耐久性が下がり、真ん中からしなってしまう。それによってサドル高が頻繁に変わってしまい、あげくにはサドルの持ちが悪くなる傾向があるのだそうです。穴あきでないと男として辛いのでは・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか?まぁ、ロードバイクに乗る人であればバッド入りのショーツを着けて走るのが常識なのでしょうが・・・
話しを戻しましょう。フィジークのロードレース用サドル”A"モデルは現在3種類。メーカーはこれを「蛇用」「カメレオン用」「野牛用」に分類しています。例えば、アリオネは「蛇用」。これは蛇のように柔軟な身体で、背骨が良く曲がって、骨盤を立てて乗る事ができるライダー向けの意味だそうです。フラットな形状は骨盤を立てたまま前後にスライドしやすい形状で、回転、トルク、とその時の状況で刻々と変化する乗り方に対応しています。テール部分が広がりそりあがっているアリアンテシリーズは、「野牛」。身体が固く、背骨が曲がりにくいライダー向けのサドルです。そのためお尻を安定させやすいそりあがった形状となっています。アリアンテと、アリオネの中間が「カメレオン用」のアンタレスシリーズとなっています。中間だから「カメレオン」とはなかなかオシャレな表現だと思います。次にそれぞれのモデルについてもう少し具体的に見て行きたいと思います。
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