そのポガチャルが2戦目に選んだのがミラノ~サンレモでした。5大モニュメントの中でポガチャルには最も難しいとされているレースです。ポガチャルに残されたモニュメントはこのミラノ~サンレモとパリ~ルーベの2つだけになっているのです。パリ~ルーベはツール・ド・フランスとの兼ね合いで自重しているようなので、ストラーデビアンケで81kmの独走勝利しているポガチャルは出れば勝てると思っていますが、本人曰く「石畳よりグラベルの方がはるかに楽」だというのです。
今年のミラノ~サンレモはストラーデビアンケの圧勝劇を受けて優勝の最有力候補でしたが、やはり、コース的にポガチャル向きとはいえず、最後の勝負所ポッジオ(距離3.7km/平均3.7%/最大8%)で勝敗を決めるのは難しく、ポガチャルもチームもフィニッシュまで残り21.7km地点でピークを迎えるチプレッサ(距離5.65km/平均4.1%/最大9%)での攻撃に出たのですが、昨年のこのレースで同じ場所でアタックを成功させ優勝しているアルカンシェルのファンデルプールにぴったりとマークされてしまいます。
昨年もファンデルプールに屈し4位に終わっているポガチャルにとってはチプレッサとポッジオは勾配も距離も足りないようです。ただ、チプレッサでポガチャルが盛んに無線を触っていたので、もっとペースを上げたかったのかもしれません。ただ、その牽引を任されていたのが20歳のデルトロだったということを考えると、来季は十分勝機はあると考えています。
ポガチャルが最後のポッジオを5分39秒で登坂記録を大幅に更新していたにも関わらず、それをきっちりとマークしたファンデルプールが強かった。シクロクロスで冬場もレースをしていたファンデルプールの春シーズンの強さは凄かったのです。ツール以降は流石に疲れが出たのか精彩を欠いていましたが、ロンド・ファン・フラーデレンとパリ~ルーベの勝ち方は本当に強かったと感じています。
過去最速となる平均スピード46.133km/hをマークする高速レースを制したのはヤスペル・フィリプセンでした。ポガチャルも懸命にスプリントをしますが、マイケル・マシューズにも届かず3位に終わりました。これもポッジオの下りで仕掛けた2022年の覇者モホリッチをファンデルプールが潰し、フィリップセンの勝利に貢献したことが大きかったと思っています。
ポガチャルの来季についてはUAEツアーに出場することしか決まっていないようですが、おそらくパリ~ニースかティレノアロレアティコからミラノ~サンレモというスケジュールになると思われます。特に来年はファンデルプールが出場しないようなので、千載一遇のチャンスかもしれないのです。
とにかく勝利のカギはチプレッサとポッジオでスプリンターを排除することです。来季はイネオスからジョナサン・ナルバエスを獲得していますが、その理由がポガチャルのミラノ~サンレモを取るためだと言われているのです。ポッジオを目標以上のタイムで走っても取れなかったレースをポガチャルがどう攻略して見せるのかが今から楽しみです。
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