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今年のジロ・デ・イタリアも終盤に入った。前日は悪天候でコース短縮になり、ポガチャルがジロ5勝目を挙げた。主催者が雪の中を走れといい、選手たちがそれを拒んだという。こうした話し合いの結果で物事が決まるというのはいかにも欧米らしい。それにしても、ロードバイクで雪の中を走れと主張する主催者はいかがなものか?過去には雪の中でのレースもあったが、今とは平均スピードが違うのだ。
多くの雪が残るドロミテ山塊を望むセルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナからスタートした第17ステージは、いきなり標高2244mのパッソ・セッラに登り始めるハードなコース設定だ。前日にキャンセルとなったチマコッピ(大会最高地点)がこのパッソ・セッラに変更された。そのチマコッピのポイントを取りにペッリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)が動く、遅れてキンタナ(モビスター)もスプリントを仕掛けるが、僅差でペッリツァーリがチマコッピを征することになった。
多くの雪が残るドロミテ山塊を望むセルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナからスタートした第17ステージは、いきなり標高2244mのパッソ・セッラに登り始めるハードなコース設定だ。前日にキャンセルとなったチマコッピ(大会最高地点)がこのパッソ・セッラに変更された。そのチマコッピのポイントを取りにペッリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)が動く、遅れてキンタナ(モビスター)もスプリントを仕掛けるが、僅差でペッリツァーリがチマコッピを征することになった。
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パッソ・セッラの長い下りで飛び出した選手たちが一度は逃げ集団を形成するも、ロメン・バルデを擁するチームDSMフィルメニッヒ・ポストNLがペースを上げ、それにポガチャルが単独で付いて行く。ポガチャルが動けば主力選手たちも動かざるを得ず、最初の逃げ集団はゴールまで残り61.5kmのパッソ・ゴッベラで吸収されてしまう。
昨日もそうなのだが、この日のポガチャルは半袖だった。登りはともかく長い下りでも半袖のまま。今年のリエージュでは寒さは得意ではないと答えていたポガチャルだが、どうみても寒さが苦手な選手とは思えない。
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レースは序盤の逃げに加わっていたアマヌエル・ゲブラザビエ(リドル・トレック)が残り59kmでもう一度逃げ出し、シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)が11km先で彼に追いついた。前週末のクイーンステージでポガチャルとキンタナには及ばなかったが3位と大健闘を見せ、レース後のポガチャルにも褒められていたシュタインハウザー。彼はツール・ド・フランスでも優勝経験のあるあのヤン・ウルリッヒの甥っ子なのだという。
オリンピックの金メダリストでタイムトライアルにも強かった叔父に似て、シュタインハウザーはTTも強いがクライマーの素養もあるようだ。まだ22歳という若さで189㎝と身長もあり、先々はクラシックレース等でも活躍できそうな選手だ。EF所属でcannondaleのSupersix EVOの乗る彼の活躍は本当に嬉しい限りだ。
残り34kmで最初のパッソ・ブロコンの登坂が始まり、ゲブラザビエが遅れ、先頭はシュタインハウザー単独になる。ポガチャルのいる集団迄のタイム差は1分45秒。先頭をひた走るシュタインハウザーのバイクにはゼッケンプレートが無い。序盤の逃げの途中でバイク交換をしているのだ。
下りに入るとポガチャルたちの集団との差を2分以上に広げたシュタインハウザー。自分も乗っているから実感があるのだが、Supersix EVOは下りが安定していて速いのだ。登りに関しては私のモデルはLAB71ではないので評価は差し控えたい。
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最後の登りに入りポガチャルとは3分以上の差をつけたシュタインハウザーが1分24秒の差をポガチャルから守り切り。ジロ初勝利をつかみ取った。ゴール後に彼と抱き合う日本人がいた。EFのマッサージャーの坂本拓哉さんだ。UCIのプロツールで日本人スタッフを目にすることは稀だ。
ステージは残り2kmでダニエル・マルチネスがアタックするもポガチャルがあっさりチェックに入ると、そのままアタックを決め、総合2位以下とのタイム差を広げて行く。結局、総合2位のマルチネスとのタイム差は7分42秒に開いてしまった。ポガチャルがアタックした時には2分近い差があったので、シュタインハウザーの優勝は確信していたが、ポガチャル自身にもこうした若い芽を摘んでしまうことはしない選手だと思う。
大会序盤から積極的な走りを見せていたEFだが、大会終盤にきてようやくその成果を実らせることが出来た。私自身もステージ1勝はしてほしいと願っていただけにこの勝利は嬉しい限りだ。
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