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時計知識、技術

2020年4月 時計の針は内部にも 緩急針とは

2020-04-11 16:37:40 | コラム 小論文
2019年 12月 記述
INTRODUCTION―序論―渦巻きの形
BODY―本論―効率的ながらも不安定
CONCLUSION―結論― 緩急針の有無
『あおり』…縫い物をする際に針に当たらないように糸を48時間通し続ける感覚である。まあこれでは専門的ではないので、もう少しだけ掘り下げてみよう。ひげぜんまいをお話しする前に渦巻型の話を提案してみたい。身近な蚊取り線香は1902年に登場する。蚊取り線香は細長い棒状だったためせいぜい40分、渦巻型になった事では最大7時間燃え続けた。登場する以前の江戸時代に線香の灰を利用したという燃焼時計があった。こちらは灰から棒になって正確な時間を測れる進化を遂げた。この渦巻きの効率のよさを時計に埋め込んで利用したバネというわけだ。たった2gの質量、厚さ0.02mmの物が今回お話しに登場するひげぜんまいである。『あおり』はこのひげぜんまいを挟む隙間の間隔であって機械式の時計を腕につけている方でもなかなか見る機会はない。技能士がピンセットで調整するんだなと、思っていただけたら、修理に期間を要するのも少しは分かるかもしれない。
結果『緩急針のある機械式手巻き時計』とは『数分間の遅れもなく48時間腕時計を動かす安定性』を調整する手間がくっついている訳であるから手動の手間が増えた訳で、安定しにくいのである。緩急針の無い昔のアンティーク時計はfree sprungと呼ばれこの手間もなく修理すれば8割元の歩度に戻るので、現代でも貴重でありながら技能士にもありがたい。

あなたも“歴史を調べる“を習慣にしてみてはいかかでしょうか?
最後まで見ていただき、ありがとうございました!

今日の話題…METガラ
今日のお役立ち時計…2020年は時計をテーマに開催される予定だったメトロポリタン美術館のイベントである。大阪にルイヴィトンのショップが出来たのも関係していた。

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