ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。912
ここがどこかは明かせない。
Photo-00
ただ、佐渡島内のある小さな川の上流部であるとだけ言う。年末の佐渡帰省の折には行ってみようと決めていた。ここは以前からヤマメ釣りをしてきた川だ。一年で数回を通ったことはあるが、基本的には年一・二回と自制をきかせてきた。
Photo-01 かつては車も通れた道だ。
この川を訪ねなくなってもう幾年も過ぎた。小さな川なので大水が出るとすぐに渓相が変わる。(渓相とは、人間にも人相があるのと同じでその特徴を指す。) 基本的に大きな淵はもたない。水量が少ないからである。
Photo-02 誰も来ない。足跡はウサギのそれだけ。
こうなると魚はなかなか大型にはなりにくいが、一度だけ大きな個体を釣り上げたことがある。尾叉長(びさちょう=頭部先端から尾のくぼみまでの長さ)はあと数ミリで30センチというサイズだ。
思い出深い。かかってすぐに小さな淵にかかる葉のついた杉の枝下にもぐりこみそのまま出てこなくなったのだ。そのまま針が付いたままだ生きることはむつかしい。だから意を決して流れに入り、袖を濡らして取り上げたのだ。以来、ヤマメに関してはPR(パーソナルレコード)サイズとなっている。
Photo-03 川が見える位置まで来たが、流域の田はもう耕作放棄されている。
不思議なことがある。この川にはヤマメはいるがイワナがいない。さらに上流に行けばいるのか。いやいや、釣りエリアをさらに遡るともう溪はやせ細り、魚が住めなくなる小さな流れになってしまう。
ただ、子供のころはこの下流域でアユやヨシノボリをよく追ったものだが、その頃まれにヤマメを見ることがあった。自分が採ったことは一度だけ。あとは学年の上の子らが採るのを見たのだ。ごく限られた数回程度のことである。
Photo-04 いよいよポイントエリアへ。
今となってこの渓流のヤマメの存在は奇跡である。紹介している写真の風景の下流側には砂防堰堤があるのだが、この人工的段差は魚の移動に一切の配慮はない。だから下った魚は二度と堰堤以上に遡上はできない。空を飛べれば別だが。
Photo-05 小さな流れである。が、水量はいつもより多い。
とうことで、ここで幾度も釣果を得てきた者としては、堰堤の上流だけで自然繁殖しているヤマメたちを相手にしているのだという自覚が求められる。そんな状況を知っていながら、僕は信頼のおける人物を一人だけこの地に案内したことがある。その人物とは腕前はもはや漁師級の親戚筋であるが、渓流釣りを盗人の釣りだと笑う。おかげで、渓流魚は彼の興味の対象にはなっていないままだと思われる。
Photo-06 こうした隙間から竿を渓流にさし出して釣る。
色々なことを思い出しながらうっすらと積もる雪道を歩き続ける。今回は一切の道具を置いてきている。僕は渓流に会いに来た。流れがもし緩ければ再会したい魚影も見られるのかもしれない。
Photo-07 夏に来ると山ヒルとの戦いの場も冬は気にせずである。
歩を進める中で期待は次第に膨らむが、この日の川を見て残念。いつになく水量が多いじゃないか。ああ、今年は暖冬だ。雪が降ってはいるが、雨も降る。例年きちんと雪が降るのなら川の流れは細いのに、今年はそうはいかなかった。
Photo-08
流れる水に濁りはない。気があれば簡単なろ過さえすれば飲める水だ。子供時代にはポイントの一つになっている場所にはコップがあったくらいだから。自分の記憶にある淵などは無くなった流れの横を歩く。
Photo-09 アケボノソウの枯れた姿? だとうれしいのだが。
夏場はヤマビルのことも考えて歩く必要がある林下をゆっくりと。息を凝らし、それこそ盗人となって渓流を見る。うまくすれば姿を見られるが今回は見られなかった。
Photo-10
今も生息しているだろうか。歩いているさなかも、今となっても気がかりである。機会があったら今度は道具を持ってこよう。悪いが、そうなったら一匹は持ち帰れるサイズを釣り一杯させてもらうぞ。すっかり釣りはしなくなったが、行きもしないのに自家用車には二本の渓流竿だけは忍ばせてある。
Photo-11 帰り道だ。
Photo-12
Photo-03 来てよかった。
Photo-14 雲間から差し込む日の光が帰り道上の水の流れを照らす。
「川は眠らない」。
開高健氏の言葉だ。眠るなよ。決して眠らぬように。
2015年の年末再訪したこの小さな流れに願いを込めたい。
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写真撮影:2015.12.29
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2016年 地理の部屋と佐渡島 yokoso_912
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http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/
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今年も、宜しくお願いします。
大物が潜んで居そうな気配の処ですね。
渓流釣りですと、各地が出て居ますが人知れずの場所が、楽しみな処ですね。
子供の頃には、近くの小川で赤んべーやじじんべーとこちらで呼ばれる魚を、手掴みして居ました。
写真の場所ですと、かなり居そうですね。
明けましておめでとうございます
hirugaoもちょっとお伺いしなくてすみません。
いい写真ですね~
これをずいぶん長く拝見していました。
青木の実の半分赤くなったのも静かに降る雪も
心の中にしまっておきたい風景ですね。
雪に埋もれた「秘密の渓流」を思い出
と共に歩かれたのですね。
なぜかとても神秘的な感じがします。
暖冬ですから川の流れも想像されて
いたよりも多かったのですねぇ、、。
暖冬の影響は至るところにでていますが、
どうなっていくのでしょう。その川に
住む魚たちには影響はないのでしょうか?
これはウサギか何かの足跡でしょうか~
昨年可愛い足跡見せて頂きましたよね
もっと先でしょうか~
今日で4人の孫とパパが帰りました
ママは実家のお父さんが手術され来れなかったのです
その分横須賀で長く孫を預かりました
孫は来て良し帰って良し。。ですかね(笑)
ネタ切れです 明日から少し歩いて探して来ます
何処となく懐かしい雪のある小川の風景です。
自分だけの釣り場です。
「ここは明かせない」、何か分るような気がします。
雪がある懐かしい故郷の景色を見せて貰いました。
今年は帰省出来るだろうか。
義兄はアジ釣りに来いと言ってくれてはいますが ・・・・。
がら三が日の最後の午前を過ごしてい
ます。今日は曇り空。明るい日差しが
あるのなら少しは出歩きたいところで
すが、そんな気にもならない天候です。
明日の仕事始めにのんびり過ごし英気
を養うのも良いでしょうか。
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■ななごうさんへ。
あけましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もお願いします。
さて、赤んべーやじじんべー。
どんな魚でしょうか。見てみたい
ですねぇ。
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■hirugaoさんへ。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、心の中にしまっておきたい
風景。まさにそうです。気になる
のは魚たちがまだ生息しているか
どうかです。いてほしいものです。
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■karinさんへ。
今年の冬はまさに評判通りの暖冬
ですね。後が怖いくらいです。
こういう冬はそちらで雪になりま
すよ。どこかでドカンと来るかも
しれません。要注意です。
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■ローリングウエストさんへ。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、今年のGWは佐渡を予定。
うれしいですねぇ。是非山野草に
親しんでください。ドンデンをお
勧めします。
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■安人さんへ。
今年もすでに幾度となく雪面上に
ある獣たちの足跡を見ています。
紹介するにはとても至りません。
とにかく佐渡で撮影した写真点数
が多くて。
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■つちやさんへ。
佐渡の川ですからねぇ。雰囲気と
しましては島内各所に同様の雰囲
気の川がありましょう。
さて、アジ釣り。良いですよねぇ。
佐渡では寒い季節でも良形が釣れ
ますよ。
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木曽川の支流のまた支流、小さな流れで、ヤマメ釣りをしたことがあります。
この様な、ハブのなかから川面に竿を出して、チョウチン釣りをしました。
そうでしたか。mcnjさんも渓流釣り
をされたことがあるんですね。
話が早いです。渓流は資源管理が
しっかりされていないとあっという間
に魚がいなくなりますよね。以前と
違いまして現在の環境は良くないで
すしねぇ。
横浜で短波受信三昧をしてました(笑)。
佐渡の秘密の渓流ですか!!。
かなり釣れそうな川ですね。
しばらくフライフィッシングを中断しているので
今年は久々にやりたくなりました。
ここは小さな川ですし、だれも放流しません。
ですからこのエリアで生きられるだけがすべ
てなんです。ごくごく限られた数です。
心配は他からの血が入らないことです。
さて、短波三昧。うらやましいですねぇ。
当方はラジオは使っていますが、主に
NHKです。たまに聞くとしましたら、航
空無線の洋上管制と船舶気象通報だ
けですねぇ。