平安時代の後期から広い階層にわたって「今様」と呼ばれる歌謡の形態が流行したようだ。
その「今様」を集めたものの中でも現存する最大のものが『梁塵秘抄』と言われている。この歌集の撰者は後白河院であるが、歴史に興味のある方にはその名は周知のことであろう。
彼の生きた時代は平安の末期で、栄華を極めた藤原氏が衰亡、政治的実権が皇族へと再び回復した頃である。ただ、彼の院政時代は不運であった。平清盛が築いた平氏全盛期から、源頼朝が幕府を開く頃と一致するからだ。皇族・貴族が長らく見下していた武士が台頭し、皇族・貴族に代わって政治的権力を掌握していく時代であったのだ。
適当につまみ食いをするように見ていると、当時流行していた今様に、当時の人々の暮らしぶりや世相、ものの考え方や仏教への信仰が詠み記されている。個人的には詩歌にふれることなどまず無いのだが、たまにはこんな歌集を眺めるのも良いものだ。下に紹介しているのは秋を詠んだもので、いわゆる和歌であると思う。これを今様というのかどうかは定かではないが、「秋来ぬと..」の歌は何となく学生時代に習った記憶があったので取り上げてみた。手にした書物には『日本古典文学全集』(小学館)とあった。
長歌十首
秋
そよ、秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかされぬる
『古今集』秋上 藤原敏行
「秋が来たな」と目にははっきり見えないけれども、耳にする風の音で、秋の訪れにはっと気づいて心を打たれることだ。
冬
そよ 神無月降りみ降らずみ定めなき 時雨ぞ冬の初めなりける
『後撰集』冬 読人知らず、題知らずと注記。
十月の頃、降ったり降らなかったりして定めない時雨が毎日続くが、これこそ冬の到来を示すものであったのだ。
附記:トップ写真は昨日紹介した写真のPhoto-08の全体像である。何という花であろう。赤から黄緑色までのグラデーションが鮮やかで、気になった。
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写真撮影:2006.10.14
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2006年 地理の部屋と佐渡島 yokoso_367
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http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/
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いろいろ勉強になりました、
花が気になりちょっと調べて見ました、
トリトマ(ユリ科)の花とよく似ています。
>トリトマ(ユリ科)..
そのようです。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/toritoma.html
トリトマをキーワードに検索してみました。
上記サイトのもので十分にこれだと思えました。
ありがとうございました。すっきりです。
お疲れ様です。
ホントに赤から黄緑色までのグラデーションが鮮やかです。
是非現物を一度見てみたいですね。
「梁塵秘抄」にも心惹かれますが・・・。
>是非現物を一度見てみたいですね。
近所をまわってみてはいかがでしょう。
きっとこの姿と色合いは記憶に濃く残
りましょうから大丈夫と思います。
>「梁塵秘抄」..
色恋ものなんかもありまして、それが
また、今も昔もなのです。ただ、表現
には奥ゆかしきいにしえの雰囲気もあ
ります。それがまた良いのです。
今は別の本を読んでいますが、息抜き
に「梁塵秘抄」なのです。書名からす
るとメインはこちらになりそうですが..(笑)。
トリトマは花期も長く,日本のたいていの場所で生育可能なので見かけることが多いと思います。熱帯原産なのに北海道でも地植え可能とは恐れ入ります。
熱帯原産。北海道可能。
なんと気候適応性のある品種でしょう。
妻に言いたいくらいです..(笑)。
普通に見るようですが、名前は言わずもがな・・・わかりません(笑い)。
いつもお世話になっている
kuwachanさんだけでなく、
とうとうmicoさんにもお世
話になるようになりました。
嬉しい限りであります。
今、男道記さんの所へ行き
ましたら、web2.0へのコメ
入れ。先を越されていまし
た..(笑)。