daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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アイヌの星より 春の星座

2023-03-13 | 北海道を学ぶ

札幌の今日は弱い雨、気温10度を超える日がもう何日もあり、今年の春は早いかな?と楽しみです。ところでこの時期の夜空、溶けた雪の湿気で星が潤んで見えるのでしょうか?もう何年も夜空を見上げた事の無い私にとって、想像するしか無いのですが。

幼い頃はランプ生活の山奥で育ったので、星はたくさん見えたのですが、星座にはまったく興味が無くて、せいぜい夕方に山の端で宵の明星を見つけたり、暗くなって見上げると満天の星空に天の川が流れ、とても綺麗だったことは今も思い出すのですが。

 

昨年3月にNHKの北海道ローカルで、「星降る夜に~アイヌの星物語~」という番組が放送され、末岡外美夫さんという方が地元旭川をはじめ、道内各地のアイヌコタンを訪れて古老より星にまつわる話を聞き、それをまとめた本を出された事などが紹介され、『春のニシンを告げる星』とか、『天の川に因んだ豊漁占い』などの魅力的な話が印象に残り、録画をしていなかったのでさっそく図書館で本を探してみました。

昔のアイヌの人の一年は、狩りをして暮らす「冬mata」と、漁労で過ごす「夏sak=サ」の二つで分けていたそうで、男達が漁労に使う夏の村(kotan)がサ-コタン、ダイビングで遊ばせてもらう積丹(シャコタン)は、ここから来ているそうですが、そこで獲れる海産物を和人と取引するようになり、暦が必要となって12カ月の区分が出来たそうです。

その中で3月はハプラップ(クロユリの葉が出る頃)と呼ぶ事を知り、嬉しくなり激しく共感。北海道は広いですから、今頃の札幌はまだそこまでいかないですが、雪の少ない私の田舎はもうまさしくそんな感じで、故郷を離れたあの頃の3月の事を思い出します…と、センチになるガラでも無いのですが。

 

星座に関する知識はゼロなので、星座の夏と冬の角度が…とか言う話には付いて行けないのですが、これにまつわる伝説は面白く、大熊座にまつわる話で、クマを追った神?サマエン(左)が星になる話などは面白く、また似た話は世界中にあると言うのにも興味を惹かれました。

今の時期らしい話では、ルペ(大犬座)にまつわる娘からの恋の呪法が、木の枝から下がるツララを折り、呪文を唱え…とあり、また鳥座をこの頃に航海してくる弁財船(和人の北前船)の帆に見立て、カヤノカ(帆掛け星)と呼ぶなど、春の予感がする話を楽しませてもらいました。

 

気になった「春のニシンを告げる星」の話は、この完全版?とでも言うべき「アイヌタリ(人間達)のみた星座と伝承」という本に載っていて、こちらは館内閲覧のみで貸出不可なのでメモからですが、しし座のレグルスをヘロキノゥ(鯨・星)と呼んでいて、この星が宵の東天にかかる頃に海岸に祭壇を設け、イノウを立ててニシンを迎える祭りを行ったそうです。

ほかにもナガス鯨の星の話、双頭の化け物鱒の話、地震の主は天の川の底に住む化け物大カジカとか、身につまされる大酒呑みのザリガニの話など、アイヌの人の生活や自然との関わりに、また少し触れる事が出来た気がします。

少々脱線しますが、マコイワ=流れ星=婚(ヨバ)い星という項があり、いくつかの俗諺の中に"流れ星を見たらカクテと言う、男星が女星の所に遊びに行くのを見てはカムイもやりずらいから見てみないふりをせよ"と言うのもあるそうで、粋な話ですねぇ。 昔は和人も流れ星の事を夜這星といったそうで、たまたま一緒の意味だったのですね。

本を通して読みながら、きっと星座の知識が少しでもあれば、もっと話が立体的に浮かぶのだろうな?などと思いつつ、今になって星空を見るため一人キャンプでも無いし、 もう少し早く気付いていたらとも思わなくは無いですが、ま、夜は駄文書きながらお湯割りでも呑んで…なんてところが今の生活には合っている様で。

※以前(10/24)書いた「ボビー・ヴィー/More Than I Can Say」より星の話を独立させて加筆しました。



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