神田大喜靴店

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靴の修理と製法・・・スッテチダウン製法

2011年01月13日 06時23分28秒 | 靴の修理
 今回は最近増えてきた「スッテチダウン製法」の説明です、最近持ち込まれた修理靴の製法がこの製法でした。

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 オールソール(表底の交換)との要望でしたが、製法が「スッテチダウン製法」なので今回は踵部分の補修にしました。


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ステッチダウン製法とは、甲革の一部を底に近いところで外側に曲げて、中底とミッドソールまでを一緒に縫いつける製法です、その後にアウトソールを接着剤で貼り付けます。利点は縫い付けと同時に整形の出来る点と、「グッドイヤーウェルト製法」に比べて工程数が少なくなります。

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 表側の革が縫い目を境にして外側に向いているのが確認できます、「クラークス」のデザートブーツに代表される製法です。最近の「チロリアンシューズ」などの製法にも使われております。

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 今回の修理靴も同じ製法でした、アウトステッチがかかっておりますので「グッドイヤーウェルト製法」のように見えますが、大きく違います。
 ソールを交換するときにアウトソールを剥がしてソールを交換すればよいのですが、ロックステッチの部分とか中底の部分が傷んでますと、その部分までの交換に成るので作り直しと同じ工程に成るので、余分な費用がかかります。

 ですから「個人的」には、デザートブーツの様な底材が柔らかいカジュアルシューズ等には良いと思いますが、ソールが固い物とかガッチリした物には不向きだと思います。
 また製造工程が少ないので製品価格はお安くなりますが、修理代がかさむ恐れがあります、また縫い目の部分が中底に開いてますのでそこから水の浸入がおき易い事が多いです。ですから今回は踵部分の修正、減った部分に斜めにゴムを接着してもう少し掃ける様な修理をご提案しました、修理代は凡そ¥3,000~¥4,000位です。



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