天の恵み
お金を拾うと、それをお財布にはしまわずに、
コンビニなどに設置された募金箱に入れるようにしている。
財布などを拾った場合は別である。
人として当然の行動として、警察に届ける・・・・・・当り前である。
10円・100円・1円。
・・・お札は拾ったことがない。
自動販売機でお釣りが多かった場合も同じだ。
お釣りが880円も多かった時にはさすがに迷ったが、
それでも全額、募金箱に入れた。
チャリンチャリンチャリン。
小気味の好い音が店員の目を丸くさせる。
頗る気分が良い。
汗して手に入れたお金ではないが、小さな幸せを買うことが出来る。
募金をしたら、それがどこに使われるのか、
誰の手に渡るのか、今ならとても気になってしまうところだが、
地震が起きる前までは、気にならなかった。
こういう募金の仕方をしていたから尚更である。
赤十字に渡ろうが、被災地のある市町村にピンポイントで送られようが、
日本ではなく海外の・・・アフリカかどこかの子供達のミルクになろうが、
半年後に届こうが一年かかろうが、全く気にしなかった。
今は・・・確実に被災者のために使ってほしい。
自分が汗して稼いだお金なら、尚更である。
つまるところ、自分は卑小なのだ。
お金を稼ぐということが、どんなに大変か。
そしてそれをクラシック音楽のために使うということは、
どれほどの勇気がいることか。
それを私の歌を聴くために使って下さるということが
どれほどありがたいことか!!!
It's YOU raising me up on the stage.
心から感謝している。そして、その感謝の思いを歌うことでしか表せない。
Cuz of YOU I'm on.
ところで。
最近、よく小銭を拾う。
100円、50円・・・いつものように募金箱に入れる。
まるで天が、私に募金をさせるために拾わせているのではないかと思うくらい、
毎日のように拾う。
ビンボーな芸術家が、毎日のように募金をしている。
そして私は、今日も穏やかな優しい幸せに包まれる。
さきほどベランダで、1円玉を見つけた。
さすがに天の恵みではなく、カラスの仕業だろう。