さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

1番前奏で何をする?~Figaro Nr.1

2020-08-07 | オペラ研究
両親のいないスザンナ
とにかく明るいスザンナ
伯爵夫人の第一侍女のスザンナ
仕事ができるスザンナ

オペラの幕が上がると、スザンナとフィガロは板付きでステージ上に居ます。

フィガロは部屋の寸法を測っています。
計算が出来て、アイディアに富み、合理的なフィガロです。
ベッドやタンスの配置、ソファーや机の配置を考えているのです。
今あるものや今後すぐに手に入るもの、新しく作るもの。
いろいろな家具をイメージして、寸法を測っています。
こちらに伯爵夫人の部屋があって、あちらに伯爵の部屋があるから・・・と、
生活動線を考えて、レイアウトを考えています。
明日からの二人の生活をしっかりとイメージしつつ、
今夜のことも考えているかもしれません。。。

音楽は、男性的で、マルカートで、
結婚初夜のことしか考えていないようにも響きます。

結婚式という、人生で最高の一日を迎えて、
今後、二人で過ごす時間が待っている・・・そんなワクワクが、
前奏の間に伝わればいいなと思います。

一方スザンナは、結婚式の髪飾りを作っています。
ウェディングベールだと考えればよいでしょう。
白いレース・・・が手に入ったかどうか別にして、
花嫁のベールを作っています。
仕事ができるスザンナです。
伯爵夫人のお下がりなどから必要なものをリサイクルして、
仕事の合間の空き時間にコツコツと、少しずつ作ってきました。
数週間、数か月かかったかもしれません。
ティアラはないでしょうが、布で作った花飾りなどもついているかもしれません。

スザンナをレパートリーにしたい人は、このベールを
手作りしておくことをお勧めします。
当時、どんな材料が手に入るのか、どれくらいの時間がかかるのか。
それらを考えておくことや、実際に経験しておくことは、役作りにとても役立ちます。
自作の『満足する』髪飾りを一つ作っておけば、
ちょこっとしたコンサートでも使えて、お客様の目を楽しませられます。

最初の一声を、どんな気持ちでスザンナが言ったのか、
実感を持って感じ、歌うことができると思います。

コツコツと、手作りして、ようやく結婚式当日に完成しました。
その姿は、真面目に仕事をして今の地位を得たスザンナの人生にも重なります。

結婚式という、人生で最高の一日を迎えるために、
万全の準備をしてきて、万端整った!・・・そんな満足感が、
歌い出しと同時に溢れ出したいと思います。
コメント
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