さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

スザンナ歌い出しのブレスの練習~Figaro Nr.1

2020-08-08 | オペラ研究
さて。フィガロが歌い出します。
男性的なメロディーで力強くマルカート。
もちろん、今夜のことばかりではなく、明日以降のことも考えているでしょうが、
今夜のことが多そうなメロディーです。
フィガロがフィガロのテーマを最初に歌っている間は、
スザンナは前奏と同じ演技を続けています。

そして、スザンナが歌い出します。
まず気を付けなければならないのはブレス。
歌い出しの1拍前、つまりFigaroの歌い終わり『tre.』の直後の拍でブレスをしたらダメです。
Figaroのメロディーとは全く関係なく、歌い始めなければなりません。
なぜなら、男と女は違うからです。

『ここですっ!』という感じで、『スッ』と息を吸って、
歌い出しのタイミングを教えてくれる指揮者もいるのですが、
それはあくまでタイミングだけの話。
スザンナの吸う息ではなくて、指揮者の吸う息です。
タイミングだけを指示する息に合わせてはいけません。
タイミングだけを見て、一緒に吸うのはやめましょう。

急に吸ったら、同じ強さで入ってしまうので、
『Ora』の『O-』にアクセントがついてしまいます。
ですが、歌い出しは3拍目。
ここにアクセントがつかないように歌い出さなければなりません。

何週間もかかって作り上げてきて、
ふう、これでようやく満足だわ』の『ふう』のつもりで、
『Ora』を歌い出したいと思います。
『ふう』と息を吐く前に、どんな息を吸うでしょう。
『スッ』とは吸わないです。
もう少しゆっくりと、ゆったりと、深い息を吸うでしょう。

・・・これが、結構難しいんです。
フィガロのメロディーはマルカート。
スザンナはレガートです。
マルカートの音楽が鳴っている時に、真逆のレガートのブレスをするのです。
フィガロをメロディを聞いているとできません。
ですが、聞いていないと入れません。

良い指揮者だと、『quaranta』あたりでレガートなブレスをしてくれるので、
一緒にブレスをしてゆったり入れちゃったりします。
・・・というか、指揮者にはそういう息をして欲しいな~と思います。
こんな音楽で入ってねと指示する指揮者とは、一緒に息をしましょう♪

私はたいがい、フィガロの『quaranta』あたりで、
レガートでふう~とゆったりと吸い出します。
『tre』のあたりでは吸っているんだかどうだかわからない感じです。
止めている感もありません。
そうすると、『Ora』がピアノで、アクセントもなく、
『ふう』という感じで歌い出せる感じがします。

前奏でフィガロのテーマからスザンナのテーマに切り替わる時は急に切り替わりますが、
歌が始まって切り替わる時は2小節、前奏より長いです。
その2小節を感じながら息を吸うと、歌いやすいです。
スザンナが歌い出すためのプチ前奏だと思って、
上手に息を吸いましょう!

歌い出すためのブレスをすることが、
特にモーツァルトでは大事です。

さてと、
ブレスの練習!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする