鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

PFIを活用した長崎市立図書館について

2013年01月29日 09時08分00秒 | Weblog
長崎市ではPFIを活用して導入した市立図書館を平成19年から運用している。施設は小学校統廃合により空きのでた、ほぼ中心市街地にある小学校跡地に建設されており、駐車スペースは少ないものの、公共交通機関のアクセスは便利な立地となっている。

長崎市では、この図書館ができるまでは中心となる図書館が存在せず、公民館を活用する形で図書館の事業が行われていた。特に平成15年に山口市に図書館ができたあとは、県庁所在地で唯一図書館のない市になるなど、中心となる図書館のニーズが高まっていた背景があり、その中、建設検討委員会などが開かれ、市直営の場合との建設費や運営費などの比較の結果、VFMにおいて28%の削減になるとの計算があり、PFIの活用が決定された。



PFI事業者を選定する際には、市内業者との連携についても条件の中に組み入れられるなど、地域産業との連携も考えられている。また、図書購入費として年間8千万円が組み入れられ、当該図書館での図書購入はもちろん、公民館への配本用の図書購入も行われ、市立図書館での有料データベースの利用料などもまかなわれている。

運営に当たっては、長崎市職員6名と事業者雇用の60名が業務にあたっている。市職員は管理関係の部門のみとなってる


※鈴鹿市について
鈴鹿市において、図書館の施設の老朽化による長寿命化もしくは建て直しは、今後10年以内に判断せざるをえない、避けて通れない課題である。
現時点で図書館ビジョンを持たない鈴鹿市としては、まず、鈴鹿市における図書行政、市民の暮らしとどのように、知の拠点となる図書館が関連しあって、魅力的なまちにつなげるかという戦略を真剣に考えな変えればいけない。その意味では、第一に図書館ビジョンの策定を、行政職員主導でない形で策定にとり組むべきである。

現実的に考え、今後の財政予想や社会変動などを予測すると、鈴鹿市において図書館を施設の維持及び新しいサービスの提供といった観点から考えると、直営方式での運営は限界があると考える。VFMの比較も含めPFIの導入を検討すべきと考える。

その際、現在の図書館周辺は冠水被害の可能性もあり、また、公共交通機関のアクセスもよくないことから、災害被害のリスク低減や、今後のコンパクトな市街地形成・再編といった観点から、図書館の移転も視野に入れるべきではないだろうか。

しかしながら、現市政ではこのような課題を真摯に議論し、政策の優先順位をつけている様子もなく、今後の公共インフラの維持・更新や公共施設の維持方針も見えない中、厳しい財政と考え合わせると、非常に厳しい課題と考えざるをえない。鈴鹿市議会は、住民との公聴会を活用して、先んじて議論を行うべきと考える。
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長崎市の老朽空き家対策について

2013年01月29日 03時16分03秒 | Weblog
長崎市では、市民の安全と安心確保のため、長年にわたって使用されず、適正に管理されていない老朽危険空き家のうち、所有者からその建物及び土地を、長崎市に寄付されたものを除却する事業を平成18年から行っている。



これまでの実績は、申込件数303に対して、実際に除却されたものは35件、不採択は207件となっている。
不採択の理由としては多い順に、「家屋の老朽化があまり進んでいない、危険性が低い」、「立地条件(通路が確保できない、跡地活用に不適、崖の安全性に問題あり)」、「土地・建物の権利者等から寄付についての承諾が得られていない」、「土地・建物に抵当権が設定され寄付ができない」、「居住者がいる」などがある。

長崎市の空き家について、住宅土地等統計調査からは21万軒に対して3万1千軒であり、それらの中でも、木造住宅で住宅密集地域にあるものを、周辺状況と危険度などの点から選定委員会で選定している。
除却した跡地に関しては、ポケット広場や駐輪場などに整備している。それらの管理については、地区住民が行うことになっている。ただし、公園などの場合、住民での管理が難しいという場合、コンクリート張りの公園にするなどして対応している。
これらの空間は、住宅密集地であることから、防火帯としての役割も持っている。また、このようにしたことで近辺に住み替えたという事例もあるという。

課題には、事業対象にはならないが利活用の難しい物件があることや、建築基準法9条で広告による対応が可能とはいうものの、空き家の3割近くが所有者がわからなかったり、死亡や未登記、相続人不明やそもそもいない場合があるとのこと。
また、空き家が増加している地区は、坂のきつい地区であり高齢者には住みづらく、さらに道路も狭隘という。これらの地区から、市街地のマンションに移り住むことが空き家の増加の一因という。

長崎市では、今年の2月議会に「長崎市空き家等の適正管理に関する条例(案)」が上程される予定ということである。これにより、建築基準法による行政代執行の前に、緊急安全代行措置として指導と勧告を行えることになる。

※鈴鹿市について
鈴鹿市においても、住宅地内に存在する管理不足の空き家の問題は他人事ではない。早急に対応しなければ、防犯上、防火上、大きなリスクとなることが想定される。実際に、関係地域の住民にとって問題になっており、解決が求められている。
たしかに、条例を制定し、それに基づいて取り組みを行うこと、法や条例を根拠に住宅の除却を行うことや、所有者に管理を徹底させることは、有用な手だてである。
しかし、根本的に解決するためには、なぜ管理不足の空き家への対策を行う必要があるのか、その点について所有者も含め、住民全体での最低限の合意形成、共通理解の形成が求められ、それに根ざして、個人の権利と同じくらいに、どのようにしてコミュニティの暮らしを皆で維持するか、つまり住民自治の進展も求められるのではないだろうか。そのためには、短期の視点だけではなく、長期の視点も重要になる。
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