若い頃、女の子ばっかりのブルーグラスの集まりを作ってみたり、ひな祭りコンサートを主催したり、色んなことをやってきましたが、もうこの年になって男も女も関係あるかい、って気持ちにはなっています。同じ音楽を好きな仲間であれば、本当に性差なんてどうでもいいですよね。ただ、逆にこの年になって思い返すと、私たちには私たちなりの色んな悩みや分岐点、通過点があったなあ、そしてそれをなんとか越えて、乗り切ってその後、やっぱりブルーグラスがすっきゃなあ、って気持ちが今あるのを、改めて感じたのです。フライヤーの左上の文章を読んでくださいね。それがこのコンサートをやろうと思ったきっかけ。
ここから先は宣伝ではなくて私のきもち。ザザーっと読んでいただけるとありがたいです。
今もそうだと思うけど、学生時代にサークル活動でブルーグラスを始める人は多いですよね。サークル活動なんで、卒業、いやその前に３回生くらいになると引退、かな？したらそこで終了、な人もあると思います。まずバンドを続けようとしても、就職すればメンバーはバラバラになる、地元に帰る人もいれば、勤務地が遠くなる人も。お休みが合わなくて練習ができない、というケースもあるでしょう。そこで１回転機が訪れます。
２回目の転機は結婚、かな。男性の場合、結婚と言うのはあまり障害にならないことが多いのでは？そうじゃない人も、何人かは知ってますが、案外 変わらず音楽生活を送っておられるのではないかと想像します。一度フェスに連れて行ったら、その後二度とついてこない、だから羽が伸びてるねん、なんていう人にもお会いしました。女性はそこがちょっと高いハードルではないかな、結婚を機に遠方に引っ越し、というのもあるし、同じ音楽が好きな人と結婚したのでなければ、一人で泊まりの、しかも屋外のフェスに出かけるのはなかなか難しい。ま、これも例外を何人か知ってます。いやいやついてくるのではなくて、一緒に行ってアウトドアを楽しんじゃう、という夫さんたち。
続いての転機は妊娠、出産です。もうそんな時代じゃないのでしょうが、まだ私たちの頃は女性の負担がかなり大きくて、時々、ひとりで子育てしてるような気持になりました。社会から自分だけ取り残されたような気持ちも味わいました。(産休後職場復帰したにもかかわらず、です。）フェスに行っても、ご飯作って、子守して、寝かしつけてたら夜のステージが終わっちゃって、何しに来たんやろ、って思ったりも。
子どもは勝手に大きくなってくれない。大きくなればなったで、あれこれ悩ましいことがいっぱいある。PTAやら、ご近所さんとのお付き合いやら、働くおかあさんも、おうちにいるおかあさんも、とにかく一日中とっても忙しい。ちょっと音楽でも聴こうか、っていう余裕もないくらい。そうやってバタバタと過ごしてきた日々を、ふと振り返って、ああ、そうや、ブルーグラスや、私、ブルーグラス好きやったんや。
今回、コンサートを一緒にやる仲間たちは、皆それぞれ、色んなきもちでいると思います。例えば、一番若いチョコファンことChocolate Fountain Girlsは、まだ卒業してそう年数は経っていません。仕事も始めたばかりで、お互いのスケジュールをすり合わせながら、練習を重ねているようです。
ベテランバンドのIt's About Time,メンバーはケガや病気を克服して音楽に向き合っています。ベテランだけど新しいサウンド、練れたコーラス、それぞれ仕事もがんばっています。
今回の、一番大切でしんどい役割、事務局を一手に引き受けて、渉外からパンフ作りから全部やってくれた人のユニット、ツンデレことTune Delayは、子育ての次の世代育てにも着手しつつ、フットワーク軽くあちこちで活動しています。今回の準備期間が、ちょうど主催しているフェスのエントリー日と重なっていて、負担だったのではないか、と心配もしています。
私の所属する、ぽっとでいじーには、同世代の女性が３人いますが、学生時代から、何十年かの長いブランクの後、また楽器を弾き始めた人、若い頃は全然知らなくて、ソコソコのお年になってからブルーグラスにのめり込んでどっぷり浸かってしまった人、学生時代から付かず離れずこの輪の中にいて、充分大人になってからようやく本気で取り組んでいる私、と様々です。
でも、みんなの共通点は、地に足をつけて日常生活を送りつつ、だいじな大好きな音楽と向き合っている、っていうことかな。
今度の土曜日、きっといいコンサートになると思います。一番楽しみにしているのは出演者かも。
