トリビュートステージのはじまり

のんびりビールのようなものを飲んでいた私に、ステージから世話人のアナウンスが聞こえてきました。

「さて、ここでお待ちかね、ヘイゼルのトリビュートの時間です。」
え？そんなん聞いてへんで～！最初の出番は大学生バンド、しかもずいぶん遠い客席にいるし、何の打ち合わせもできてないし、ともかくとっととステージに上がらなきゃ、と今までステージに上がっていた相方に、小声でギターを取ってきてとお願いして前に向かいました。

今回の経緯と趣旨を説明して、レギュラーの皆さまのご協力に感謝して、スタートです。




１番目は学生バンド、Happy Mountain Boys、マンドリンは係長の代わりに最澄、ギターは私がお手伝いしました。曲はWorking Girl Blues。私もだ～い好きな歌です。でもコーラスまではとても手が回らなくて（っていうか、練習全然してなかったのよ、kimiちゃん、ごめんね。）直前に合わせた時に既に諦めました。



するとなんということでしょう。１番をソロで歌いきった後、２番のコーラス部分、kimiちゃんが下のパートを歌いだしたではありませんか。ありゃ、こらいかん、上を付けないと。私は上は歌えるのでした。後で聞くと、「なんか私一人で歌ってたらヘンかな、と思って。」さすがはＨ岡家のお嬢さんです。瞬時に切り替えがきくなんてたいしたもんだ。あわあわとなりましたが、とりあえず２部の形にはなったのか・・・な？



続いて、ぽっとでいじーのバンマス、女王Ｙ本の登場。初めて自分が宝塚フェスに出た時の思い出を語ってくれました。彼女は８５年のヘイゼルの来日を見ていません。同世代ながら、私たちのように特に強いインパクトを受けたわけでもありません。でも、どこかひっかかったのでしょうね。ヘイゼルの歌を数曲歌った後、何人もの人に「あの選曲は誰がやったの？」「あんなのが好きなの？」と聞かれたそうです。もちろん、その中には私も入っています。おかげで今一緒にバンドをやってるわけですが。



昨年末、大病を患って、しばらくリハビリ中だった、米原のＴ田さんの姿を会場で見つけました。リハの時は、相方がバリトンを付けていたのですが、急遽ステージに上がってもらって、コーラスボーイをお願いしました。実は、彼女の選んだ曲、When I Loved Youは、昔、マンドリンのＫＹ子ちゃん、Ｔ田さんと私と相方、４人でホワイト・シスターズをやっていた時のレパでもありました。横でギターを弾きながら、懐かしくてじんわり涙が出そうでした。



次はkimiちゃんのお母さんで私の後輩のＮ美です。ずっと以前から歌っていたという、Won't You Come & Sing For Meを選びました。　



私が交代でステージを降りる時、「え？コーラス付けてくれるんじゃないの？」と言われましたが、振り切って降りました。大丈夫、お隣のマンドリン弾きがちゃんとハモってくれましたよ。「僕、はじめてＮ美にハモ付けたわ。」と後で言ってました。



自分たちの出番からほとんど出ずっぱりで、しかも次から次へとあんまりよく知らない曲まで伴奏してくれている、千日前の皆さん、おおきに＆ありがとうさんです。



私も１曲歌いました。震災からずっと、極力ステージでは歌うようにしている歌、Scraps From Your Table、そういえばヘイゼルに直接歌詞を教えてもらったっけ。



おもいっきりバタバタと走り回って、ステージに上がっていないときは、袖で一緒に口ずさんで、それはそれで楽しかったのですが、思いをいっぱい込めて１曲入魂、気持ち良かったです。届いたかなあ、向こうまで。



続いてＭり＆ＫＹ子。本当はIt's About Timeのメンバーが揃えば良かったのですが、ちょっと無理だったみたいです。でも、学生時代からの息の合ったハーモニーは最高でした。



曲は、今のバンドでもやっている、Hello Stranger



何がおかしかったって、こいつら、いや、失礼、この方々、二人声を揃えて「当時は私、ヘイゼルよりアリスの方が好きやったんです。」ですと・・・。まあ、気持ちもわからんではないですわ。







かつての憧れの先輩たちの後で、なんて緊張します、と言ってたＹ美ちゃんですが、心に沁みる歌声に袖でうっとり聞き惚れてしまいました。



この歌をヘイゼルと、今も厳しい状況の中で懸命にがんばっているある人に捧げます、と歌ってくれたのがMama's Hand。歌を作ったのはヘイゼル、それをＹ美ちゃんに繋げてくれたのはリン・モリスでした。



平日なのに、昼からの仕事を休んで車を飛ばして、１曲のためだけに協力して下さった、やさしいパートナー、isoさんです。翌朝、大事な会議があるとのことで、終了後は急ぎ岡山まで帰られました。ご協力、本当にありがとうございました。



会場はこんな感じ。宣伝の効果はあったかな？音楽仲間も、たくさん来てくださっていました。



さて、いよいよトリは彦根の歌姫きたむらいづみ姐さんです。



早くから会場入りして下さったのに、バックのメンバーが揃わず、リハが遅くなってしまいました。でもさすがですねえ。ステージに立った途端、いづみワールドが出来上がっていました。



Mining Camp Bluesはまるでいづみさんのオリジナルかのようにしっくりと馴染んでいました。



今日のいでたちはちょっとシックに茶系です。



７組が終わったところで、最後に全員で歌います。もうこれはこの歌しかないでしょ！West Virginia My Home



１つ目のバースはいづみさん



２つ目は、私とＭりちゃんとＹ美ちゃん。



コーラスは全員で元気よくね。



Ｃ－ことリノちゃんも入ってくれました。実は客席にいる何人かの方にも声をかけたのですが、「客席で一緒に歌うから」と言われました。確かに歌ってくださっていました。




まん中、リードパート、向かって右が高いとこ



左が低いとこ歌ってます。



最後に記念撮影、目線バラバラやし・・・。



ムーンシャイナ―に載るかな？




沢山のカメラが向いているところを撮ってくれたのはＭゆっき。職場は近いのに、なかなか来られないんですが、この夜は何とか間に合って良かった。



協力してくれたメンバーも一緒に。



そうそう、会場に目立つ袢纏姿の男性がありました。なんでも赤井組の宴会が今からあるのだそうです。ウエスタン・スウィングバンドのマーベラスＳ井くんでした。



予定より早く終わったので、まだお喋りしていたり、「どっか行こうか」なんて話していたりしたのですが、禁断の部屋を開けてしまいました。

バンジョー弾き、それも濃い濃い人が、これはスクラッグス談義ですか？



またエアバンジョー弾いてるのでしょうか。



わわ！蜘蛛の巣にひっかかった獲物みたいな人があと二人。



こんな人らはほっといて、打ち上げいこか～。と出演者のうち、いつも仕事が忙しいＭりちゃんと岡山まで帰らないといけないＹ美ちゃん夫妻を除くメンバーで近くの店に行きました。



夜が更けるまで楽しいお喋り、若者も付き合ってくれて嬉しいよぉ～。



最高の笑顔です。



照れ屋さんのＴ村氏



始まる前に、世話人さんに「ぶち上げたものの、全然しょぼかったらどないしよ、申し訳ないわ。」と言ったら、「大丈夫、僕こう見えて気が弱いんですわ。どないでもなる程度のことしか企画しませんて。」と言ってくれました。とは言っても、レギュラーの皆さん、ほんとはもっと演奏したいところを１５分でおさめていただいたし、期待して来て下さった方もあると思うと、ドキドキものでした。
でも、本当のところは、同じ時代に同じものに触れて感動した、たくさんの仲間がこの日集まってステージの上と下でそれを振り返った、というそのことだけで、充分に価値があったのかな、と思っている私でした。それにしてもいい仲間に恵まれて幸せ者です。ヘイゼル、ありがとう。これからもついていきます。

※写真は一部setsさんからいただきました。