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ケーズホールディングスがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!

2009-02-03 | 会計・株式・財務

お疲れ様です。


久々に個別企業についてのコメントを。


家電量販店ケーズホールディングスについては、
ヤマダ電機との対比で何度か取り上げておりますが、
今回は何か「大きな節目をむかえた予感がしました」ので
拙稿06年12月6日 「ケーズデンキがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」
の改訂版としてメモを残すことにしました。


前回と同様、ビートルズの映画のような懐かしいタイトルを付けましたが、
ちゃんと意味はあります。

ケーズデンキのCMキャラクターであるドリフターズは、
42年前のビートルズ日本公演で前座を務めていたんですね
(当時、志村けんはいませんでしたが)。それにあやかってのネーミング。

証拠VTR:昭和41年6月30日 ビートルズ来日公演 ザ・ドリフターズ前座




家電量販店の熾烈な業界競争にあって、ケーズは当時の予想通り
ヤマダ電機を追撃する第1番手として浮上してきた感がしますし、
何よりも、トップを快走していたヤマダ電機に変調、との記事が浮上。

ということで、まずはヤマダ関連の情報をサクっとまとめます。


月刊選択2月号p.72 「常勝ヤマダ電機に「急失速」の兆し」 
------------------------------------------------------------------------
・昨年12月に資金ショートしたという情報が出て業界関係者で話題に
  →しかし当社は全くの事実無根と否定。
 誤報だったようだが、高成長のヤマダに暗い影が忍び寄っていると。

  ①1,500億円のCB(転換価格高すぎ)
   →転換進まないと資金繰りに窮するバクチ
  
  ②中国進出。水先案内人として、アジア展開の実績のあるベスト電器を
   買収しようとしたが失敗。孤独な中国展開。

   →「転換社債」+「中国」で連想されるのは、破たんした「ヤオハン」

・昨年6月、公取委はヤマダによるメーカーへの社員派遣強要に対し排除命令。
 メーカーから公取委に対して、ヤマダが行ってきた数々の強要が筒抜けに
 なっていたことに、山田会長ショックだとか
                  →メーカーからも嫌われる存在に

・一方、ヤマダ転落を前提に準備を進めるているもっとも有力な存在が
 ケーズホールディングス。

 ヤマダとは異なり、メーカーあっての小売であることを徹底し、
 他の量販店とも協調しているとか。
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(コメント)

■ヤマダ電機について

 ヤマダのHPを見れば分かりますが、気に食わない報道があれば名誉毀損
 による巨額の損害賠償を仕掛けるため訴訟沙汰は多いです。
 結果として、大手マスコミ、さらには証券アナリストも批判的な記事が
 書けにくくなっておりまして、さながら山田会長は「裸の王様」状態。

○ただ、私が何度か指摘しております通り、
 ヤマダ電機の近年の決算におけるポイント引当金の処理。
 なぜか毎年毎年引当金が何故が減っていく
  ・・・・・売上は順調に伸びているので一定の引当増があってしかるべき。

 あれは納得いきませんし、アナリスト諸氏は
 もっと異を唱えるべきではなかったか?と思います。
  ↓ ↓ ↓
 拙稿08年6月20日「ヤマダ電機の08/3期決算に思う」

○ありがちなのは、ちっとした潮目の変化で、一気に論調が180度変わると
 いうこと。ヤマダ電機にはその危うさを十分に持ち合わせている思います。

 最近、イオンがどうこういわれておりますけれど、
 私自身、ガバナンスの拙さもあって
 ヤマダの危険度の方が数倍高いと思っております。


■一方のケーズデンキ。
 ちょうど、2月2日の日経MJは同社の特集でした。
 これも偶然力の賜物でしょう。

○タイトルがいい。「ケ―ズデンキはがんばらない」。
  ~ムリして成長することで生まれるムダを排し、
  ローコストに徹して、堅実な成長。

 ・駅前目もくれず郊外出店
 ・ポイント制度に背を向け、現金値引き ( →明朗会計)
 ・勤務シフトは425パターンとモザイク的なきめ細やかさ
   →従業員を楽にする仕組みだとか

○加藤社長のコメントもおもろい。
 
 「景気悪化で大変だと言われるとお客はいったん買い控える。
  ただ後でその反動が来たら大変だよな。」

 「景気がいいから設備投資して景気が悪くなるとリストラだと言いだすのは、
  車の運転だと左のガードレールにぶるかって
  今後は右のガードレールにぶるかつようなもの。
  景気のいい時には悪くなることを、
  悪い時にはよくなることを考えなければいけません。」 →逆バリ発想

 「M&Aは足し算ではなくて割り算。分母が売上高で分子が本社コスト。
  分子が増えず分母が増えることが大事です。」

 「家電量販店は、お客が店を回って値段を比較する数しか残らない。
  郊外で3社。都市型も2、3社。」


(参考)加藤社長が「ポイント制度をやらない5つの理由」

  ①お客の自由を奪う
   ・・・・・消費者が店に拘束性の預金をしているのと一緒。
     自分のお金なのにその店でしか使えない。しかも金利ゼロ。
     だったら、最初から安く買えたほうがいい。

  ②顧客囲い込み、顧客分析の効果はない
   ・・・・・どうしても顧客情報が欲しければ、
      店にある大型家電製品の配達伝票を活用すればいい。
      でもそれすら活用できていないじゃないか。

  ③投資負担がかさむ
    ・・・・・情報システム、レジ新・増設などコスト増。だったら値引きで。

  ④売り場効率も低下
    ・・・・・・カード発券作業などで余計なレジ待ち時間が発生

  ⑤不毛な競争と一線
   ・・・・・来店するだけでポイントを付与するなど、歯止めがかからない
      ポイント割引は自殺行為。

  かなり納得的です。ポイントベッタリのヤマダとは好対照。


○そのケーズホールディングス、第3四半期決算を発表しました。
    
  決算短信


 確かに利益水準はヤマダよりかなり見劣りしますが、着実に成長してますね。
 こういう地道にコツコツタイプの会社には、ぜひとも頑張ってほしいものです。
  ・・・・っていうか、数年後、面白いポジションに来ている可能性、
 かなり高いと思っております。

以上、素人による戯言でございました。

なかのひと

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