インテリアの好きな方なら「フランク・ロイド・ライト」は知らない人がいないほど有名です。
彼が帝国ホテルのために製作したチェアが修理に『家具の病院』にやってきました。
私自身もこのチェアは雑誌等の書籍でしか見たことがなかった。
この椅子は明治大正にかけて「フランク・ロイド・ライト」が帝国ホテルを建築した当時、そのロビーで使われていたオリジナル(本物)の椅子です。
この椅子がなぜうちに来たかというと…。
色々経緯がありまして、結果として持ち主の方が「椅子のグラ直し」と「張替修理」を希望され、私たちが運営している「家具の病院」に患者として入ってきました。
この椅子はご依頼主のおじいさんにあたる方が帝国ホテルの支配人のご友人からホテル改築に当たり譲り受けたそうで、今は愛知県にある明治村に当時作られてあ帝国ホテルのロビーは移築され、当時のも影がうかがえる。
今日はこの椅子の修復する過程をご紹介します。
今回のチェアは、ものすごく価値のあるチェアで美術館に保存されていてもおかしくない逸品です。
そこで、アンティークの価値を残すのであれば手を加えることはその価値を損なう可能性があることをキチンとお伝えしたうえで、「家具の病院」へ入院してもらいました。
我々の職人は明治維新後の西洋家具の制作技術を学んだ『横浜クラシック家具』の伝統技術を忠実に現代に継承している職人集団のため、手を加えて良いとなれば、さっそく作業開始。
入院直後の様子。「フランク・ロイド・ライト」の「帝国ホテルの椅子」
この状態から、まず現在張られている黄色い革を丁寧にはがします。
ウレタンも経年劣化でヘタっているため、今回は全て取り替え。
グラつきひどいため、脚部と背中の部分を破損しないよう十分に気を付けながらパーツに分解をしていきます。
この作業が一番『緊張』するところ。 分解の過程で万が一壊れてしまったら大変です。
パーツ分解された「フランク・ロイド・ライト」の「帝国ホテルのチェア」
昔ながらの制作技術(いわゆるホゾ構造)のため、パーツに分けてキレに分解することができました。
張られていた革張りをはがしパーツに少しづつ分解するところ。
外れるパーツは全て分解していく。破損してしまったら大変なので丁寧に分解していく。
座面のパーツ。
これは大変興味深い構造。
ホゾ構造が入らない細いパーツの強度を保つために、すみ木と呼ばれる座面の強度を図る構造部が座面の板枠と「組み木」になっている。
こんな面倒な構造は今ではやっている人はいなのでは??
グラ付の原因の一つはこのすみ木が乾燥で痩せてしまい、構造体の役割を果たしていないことが確認できました。
もちろん、すでに作られてから60年は過ぎているこのチェアが、そのような状態であることは当然。
それより、このチェアが現存して自宅で使用されていたことが一番の驚きと、それを目の前にすくることができたことに感謝です。
座面のパーツ分解で分かった、当時の構造の手間の掛け方を忠実に再現しながら復元しなくてなりません。
しかも、今回はパーツが乾燥で木がやせてしまっている上に、一部破損も発覚。
同じナラ材で、同等パーツを加工して、新規に作り、組木することになりました。
全く当時と同じ状態に新たなパーツで組み直し再現。
永い間、グラ付きがある状態のまま使用していたので木部に重度の疲労と力が加わり割れていました。
こちらも新たに補強を入れながら再生。
「ハタガネ」と呼ばれる締め付ける道具を用いて接合。
同じく、ホゾ部分が割れてしまっていたために、新しく製作して再生。
これで、もう一度組み直しをすればまずゆることも、グラ付くこともないでしょう。
帝国ホテルで使用されていた、「フランク・ロイド・ライト」のチェアの修理も最終段階。
パーツに分けた木部パーツを一つ一つ組み上げていく作業です。
ホゾがやせている場所には、細い木を付け足し、グラ付がないようにしていきます。
一つ一つ細かなパーツにを組み上げていくと、だんだん元の椅子の形に復元されていくのです。
ようやく組み上がり。
グラつきもなく、弱い個所には補強を加えさらに強度の増した椅子として生まれ変わった。
今回は、ご要望で張られていたモノと同様の色の革。最終仕上げは椅子張り職人によって新しいウレタンと新しい革を張って出来上がり。
これで完成。
約3週間に及ぶ治療を終えて、お客様のもとへ退院していくこととなります。
今回は、当時の風合いをそのまま残すために塗装の塗り替えは行いませんでしたが、革も綺麗になり、また20年、30年と年月を経て次の世代に継承されていくことでしょう。
実は今回でこのチェアの修復は2度目。全く違うお客様からのご依頼です。こうゆう出会いがあるのも、家具の修理をしている冥利に尽きるところです。
この修理は全て、ダニエル「家具の病院」が行いました。 家具の病院のHPはこちら
彼が帝国ホテルのために製作したチェアが修理に『家具の病院』にやってきました。
私自身もこのチェアは雑誌等の書籍でしか見たことがなかった。
この椅子は明治大正にかけて「フランク・ロイド・ライト」が帝国ホテルを建築した当時、そのロビーで使われていたオリジナル(本物)の椅子です。
この椅子がなぜうちに来たかというと…。
色々経緯がありまして、結果として持ち主の方が「椅子のグラ直し」と「張替修理」を希望され、私たちが運営している「家具の病院」に患者として入ってきました。
この椅子はご依頼主のおじいさんにあたる方が帝国ホテルの支配人のご友人からホテル改築に当たり譲り受けたそうで、今は愛知県にある明治村に当時作られてあ帝国ホテルのロビーは移築され、当時のも影がうかがえる。
今日はこの椅子の修復する過程をご紹介します。
今回のチェアは、ものすごく価値のあるチェアで美術館に保存されていてもおかしくない逸品です。
そこで、アンティークの価値を残すのであれば手を加えることはその価値を損なう可能性があることをキチンとお伝えしたうえで、「家具の病院」へ入院してもらいました。
我々の職人は明治維新後の西洋家具の制作技術を学んだ『横浜クラシック家具』の伝統技術を忠実に現代に継承している職人集団のため、手を加えて良いとなれば、さっそく作業開始。
入院直後の様子。「フランク・ロイド・ライト」の「帝国ホテルの椅子」
この状態から、まず現在張られている黄色い革を丁寧にはがします。
ウレタンも経年劣化でヘタっているため、今回は全て取り替え。
グラつきひどいため、脚部と背中の部分を破損しないよう十分に気を付けながらパーツに分解をしていきます。
この作業が一番『緊張』するところ。 分解の過程で万が一壊れてしまったら大変です。
パーツ分解された「フランク・ロイド・ライト」の「帝国ホテルのチェア」
昔ながらの制作技術(いわゆるホゾ構造)のため、パーツに分けてキレに分解することができました。
張られていた革張りをはがしパーツに少しづつ分解するところ。
外れるパーツは全て分解していく。破損してしまったら大変なので丁寧に分解していく。
座面のパーツ。
これは大変興味深い構造。
ホゾ構造が入らない細いパーツの強度を保つために、すみ木と呼ばれる座面の強度を図る構造部が座面の板枠と「組み木」になっている。
こんな面倒な構造は今ではやっている人はいなのでは??
グラ付の原因の一つはこのすみ木が乾燥で痩せてしまい、構造体の役割を果たしていないことが確認できました。
もちろん、すでに作られてから60年は過ぎているこのチェアが、そのような状態であることは当然。
それより、このチェアが現存して自宅で使用されていたことが一番の驚きと、それを目の前にすくることができたことに感謝です。
座面のパーツ分解で分かった、当時の構造の手間の掛け方を忠実に再現しながら復元しなくてなりません。
しかも、今回はパーツが乾燥で木がやせてしまっている上に、一部破損も発覚。
同じナラ材で、同等パーツを加工して、新規に作り、組木することになりました。
全く当時と同じ状態に新たなパーツで組み直し再現。
永い間、グラ付きがある状態のまま使用していたので木部に重度の疲労と力が加わり割れていました。
こちらも新たに補強を入れながら再生。
「ハタガネ」と呼ばれる締め付ける道具を用いて接合。
同じく、ホゾ部分が割れてしまっていたために、新しく製作して再生。
これで、もう一度組み直しをすればまずゆることも、グラ付くこともないでしょう。
帝国ホテルで使用されていた、「フランク・ロイド・ライト」のチェアの修理も最終段階。
パーツに分けた木部パーツを一つ一つ組み上げていく作業です。
ホゾがやせている場所には、細い木を付け足し、グラ付がないようにしていきます。
一つ一つ細かなパーツにを組み上げていくと、だんだん元の椅子の形に復元されていくのです。
ようやく組み上がり。
グラつきもなく、弱い個所には補強を加えさらに強度の増した椅子として生まれ変わった。
今回は、ご要望で張られていたモノと同様の色の革。最終仕上げは椅子張り職人によって新しいウレタンと新しい革を張って出来上がり。
これで完成。
約3週間に及ぶ治療を終えて、お客様のもとへ退院していくこととなります。
今回は、当時の風合いをそのまま残すために塗装の塗り替えは行いませんでしたが、革も綺麗になり、また20年、30年と年月を経て次の世代に継承されていくことでしょう。
実は今回でこのチェアの修復は2度目。全く違うお客様からのご依頼です。こうゆう出会いがあるのも、家具の修理をしている冥利に尽きるところです。
この修理は全て、ダニエル「家具の病院」が行いました。 家具の病院のHPはこちら
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