インテリア・家具 横浜元町[ダニエル] 家具店主 咲寿義輝のブログ

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コスガ家具の修理

2011-09-26 | インテリアについて
<修理が完成しましたので、再度UPします。>

<前回記事>
すでに倒産してしまった家具メーカー『コスガ』。日本でも三本の指に入る家具製造メーカーでした。

今回持ち込まれたのはコスガのダイニングチェア。

背中の上の部分(笠木)と呼ばれるパーツが割れてしまった。

正直、私感覚ですと、笠木は無垢で製作するために割れてしまうということが考えられないのですが、
実際の現物を見て、なるほどぉーと思いました。





このような状態でパックリと割れていました。
この原因は何か??


実はこの椅子の笠木の部分は、三枚の板を張り合わせたモノだったのです。

ダニエルの家具作りでは、このパーツは無垢一枚板だからカーブに合わせてカンナで削りだして製作する。
そのため、このような状態になることはありません。
もちろん、三枚で張り合わせている(三枚剥ぎ)でもこのようになるのは大変まれなケースです。

木の接着剤がはがれ、木の戻ろうとする性質が強く、このような状態になったと考えられます。

いずれにしても、『無垢材を削りだすコストと三枚で張り合わせるコスト』、材料費ではだいぶ違うでしょうが、手間を考えると、どうも張り合わせて何脚も椅子を作るほうが手間工賃がかかるような気がしますが・・・。
ただ、私もこのように製作されていることを恥ずかしながら、今回初めて知ることができました。

さっそく、この椅子の修理を承り。『家具の病院』で治療に入ります。

<今回の治療>

まずは、開いてしまっている個所にノリ(接着剤)を注入します。その後にモクネジを使い、接合。
さらに、圧着するためにハタガネと呼ばれる工具で締めつけます。

骨折した骨を強制しているような感じです。

約3日間固定して接着ができたら完成。


ものの見事にキレイになりました。

  
before & after


こうしてキレイに完治した椅子は、家族のもとへ帰っていきます。


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