世界の料理と言えば中華・フランス料理と言われ、日本料理なんて見向きもされなかったものでしたが、最近はネットのお陰もあるのでしょうか日本料理が見直されたというか人気絶頂のようです。
お蔭で、どこか劣ったものと思わされていた日本人も目を覚まし誇りを持てるようになったようです。
そんな時、面白い本が出たようです。宮崎さんが書評で紹介してくれています。何と、日本は縄文時代から世界に誇れる食事をしていたようです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和二年(2020)3月30日(月曜日) 通巻6424号
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
なぜ日本の食文化が世界一なのか
縄文文明、文化が日本食の源流にあり
渡邊望『知っておきたい 和食の秘密』(勉誠出版)
世界どこへ行っても寿司バアとラーメン屋がある。ラーメンは中華料理と考えられがちだが、じつは日本の発明。焼き餃子も日 本が発祥の地である。水戸光圀公がはじめて中国人留学僧から教わった餃子は水餃子だった。
日本から焼き餃子を逆輸入した中国では、都市部のレストランへ行くと必ず「日式餃子」の表示がある。日系の味千ラーメン チェーンのみならず、殆どのラーメン居酒屋にある。
そして若い中国人がラーメンと餃子の「日本料理」に舌鼓をうち、お金のある人は、とくに欧米人は日本人板前がいる寿司へ行 く。
このグルメ通は「九兵衛」や「数寄屋橋次郎」の名前を知っている。
台湾でカップルが「ココ壱番屋」のカレーを食べに来ていた。デートコースになっているらしい。
かくして世界は和食ブーム。なぜなら和食の底流には「精神があるからだ」と著者の渡邊氏は強調する。
食は文化である。文化の精髄が料理であり、ゆえに和食は世界のグルメの憧れとなるのである。
ならば、その淵源は? これが本書で一番重要な箇所である。ずばり縄文にありとして渡邊氏は次のように言う。
「縄文時代に関しては、かつての貧しい前時代的な原始社会のイメージから世界的な先進文明の一つであったという理解が異常 なスピードで進行している。それらは主に建築や美術の方面でなされているのだが、私はこれからの縄文研究には食文化の先進性 を加える必要があると思う。なぜなら縄文時代こそ、日本の食文化全体を考えるための要素が最も凝縮されている時代だからであ る」(67p)。
各地の縄文遺跡、とくに貝塚から出土した加工工場の跡は驚異的である。様々な魚介類を加工する職能集団が縄文時代に機能し ていて、味付けし、貯蔵し、梱包し、運搬し、交易していた。
「しかも原始社会的な採取ではなく、養殖や工場生産のような形で安定した確保を行っていた」(中略)「縄文日本は世界的な 野菜の宝庫であり、それから摂取されるビタミンやミネラルが骨太な骨格をつくりだす」。
すなわち現代人より種類が多く、したがって古代縄文の日本人は背が高く、また長生きしていたことが、近年の研究で明らかと なった。
もう一つ、注目するべき特徴として渡邊氏は次を指摘される。
「(中華文明にふれても)日本の食文化・料理文化は朝鮮・ベトナムなどと比べて、中華料理の影響というものを結果的にまっ たくといってよいほどに受けないで独自化する」。だから日本には胎児や人肉を食する中華料理文化とは異なっているのだ。
あたかも仏教は受け入れたが、儒教ははねつけた。儒学が江戸に興隆したが、なかみは中国のもととまったくことなる学問とし て発展し、中国人が顧みない陽明学が日本では武士道の基本の一つとして、伝統的な美意識に合致した。
評者(宮崎)、じつは昨夏に上梓した『神武天皇以前』(育鵬社)のなかで、縄文中期に天皇制の原型が形成されたことを述べ たが、同時に日本各地に縄文遺跡を訪ね歩き、縄文の食事が意外なほど豊かであり、しかも『寄せ鍋』が基本だったことを指摘し たものだった。
中華料理の影響を受けて無いと言うのは痛快ですね。それが、人肉食を受け入れなかったことにも繋がっているというのも目から鱗です。
我が日本の何と素晴らしいこと。又誇れるものが明らかになったようです。
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