■メイン写真
小雪とガスで真っ白な塔ノ岳・尊仏山荘とマイザック
■この日のコース
寄(やどろぎ)→檪山(くぬぎやま)→栗ノ木洞→後沢乗越→
鍋割山荘→小丸→金冷シ→塔ノ岳→金冷シ→(大倉尾根)→大倉
かねてから行ってみたかった鍋割山と塔ノ岳。
愛用の昭文社「山と高原地図」ではコースタイムが7時間を
超えるので、積雪のシーズンは遠慮していた。
下調べで雪はほとんど消えていることが分かり、いざ決行。
当初、鍋割山荘か尊仏山荘で泊ろうかとも思ったが、
早朝、津田沼を発ち新幹線で小田原に出て比較的早いバスに乗れば
日帰りも可能と分かった。泊まるよりは安い。できるとなれば、即、実行だ。
新松田駅から、7:55発の富士急湘南バスに乗り、終点の寄(やどろぎ)へ。
バスの転回所はサクラが満開。まさに春爛漫である。
まずは美しい茶畑の間を緩やかに登る。
「寄しだれ桜まつり」ののぼりに誘われ、ちょっと寄り道になるが
「土佐原のしだれ桜」を観に行った。
木はそれほど大きくはないのだが、なかなかの枝ぶりで、美しい。
既に高価なレンズをつけた一眼カメラおやじが陣取っていた。
登山道に入る。ここ2週間、仕事がきつかったこともあって身体のキレがない。
別に、速く歩くことがいいことではないが、単独行のお姉さんを抜けない。
舗装林道が横切るところでようやく抜いたが、いや、きついきつい。
汗が異様に出てくる。長袖シャツ1枚になっても暑い。
あー、海が見える。
檪山からの眺めはすばらしく、ここで早々とおにぎり1つを頬張りながら
休憩する。サクラが1本、たくましく咲いている。
お姉さんが追いついてきた時、こちらはちょうど出発。
エネルギーの充填効果か、身体が慣れてきたのか、少し足取りが軽くなった。
続くピーク、栗ノ木洞は三角点があるのに植林で展望はゼロ。残念。
思った以上の急な下りをしのげば、いつの間にか自然林となる。
続いて両側が切れ落ちたナイフリッジ。しかし距離は短い。
渡りきったところが後沢乗越の分岐である。
ところで今回のコースは以前からオーバーユースや鹿害で、登山道も
山肌もかなり荒れていたことは、「山と渓谷」等を数年来、熟読している
人ならご存知だろう。
登山道を保護する木道や、植生保護用のフェンスなどが続き、
やや趣きをそがれるが、仕方ないこと。
はじめはポカポカ日差しの中を登ってきたが、上の方は鈍色の雲が
かかり始めている。
最後の登りはきつかった。肩で息をしながら鍋割山に着く。
出発して2時間15分(10:45)。地図上のコースタイムは3時間25分だから、
結局、なかなかの速さで登ってきたことになるが、飛ばした感覚がない。
むしろ足が思うように出なかった思いのほうが強かった。
山頂に、こぢんまりとした鍋割山荘が建っている。
山小屋らしいたたずまいに好感が持てる。
昼食には少し早いが、もう腹が鳴っている。
名物の鍋焼きうどん(1000円)を頂く。これがすばらしく美味!!
山頂で、玉子が落としてあるうどんを食えるとは!
お汁まで残さず平らげ、小屋を出ようとしたとき、先ほどのお姉さんが
小屋に入ってきた。この人、なかなかの健脚だ。
食後、山頂標識で記念写真を撮ってもらう。
単独行では、自分が写真に写る機会はほとんどない。
別に登頂の証拠が欲しいわけではないが、最近、代作やら捏造やら
世間で流行っているので、それに対抗してのこと(笑)。
稜線は北風が抜けて寒い。雪もちらつき始めた。
寒いので上着を羽織り、軍手で指先を保温する。
さっきまでシャツ1枚だったのに、春から冬に逆戻りだ。
枝越しにみる檜洞丸、蛭ヶ岳方面の山並みは、まだ南向きの谷筋にも
雪が残っており、稜線は寒々としていた。
こんな天候でも、ブナ林は美しい。幹に付着したコケが通年の湿度の
高さを物語る。「少しドライで、少し緩やかな大峯山脈」といった感じと
いえば、関西の岳友の皆さんにはイメージして頂けるか?
金冷シの分岐からの最後の登りは、人に抜かれることはないものの、
正直、かなりこたえた。標高差1000mの山行は、久しぶりだ。
ようやく塔ノ岳に到着(12:15)。回りはガスで真っ白。しかも寒い。
水泳の北島クン流に言えば、「んー、何も見えねェ!」
積りそうではないが、雪も降り続いている。
山頂に建つ尊仏山荘をちょいと覗く。コーヒーの文字に、ものすごい
引力を感じたが、下手をすると尻に根が生え、そのまま宿泊して
しまいそうだ。即、下山を決める。
金冷シに戻り、ここから大倉尾根をとる。
ここは延々と木段が続く。下調べで覚悟はできているが、つらいだろう。
まずは赤土が露出し、転石がごろごろした坂道だ。
大倉尾根は小屋が多い。花立山荘。
ここでもう一つのおにぎりを食べる。
少し下ったところで、沢登り姿の二人組がいた。
勘七沢を遡行してきたのだろう。詰めはまだ雪が残っていたかも。
ヒルが出ないうちにとの思いだろうが、寒かっただろう。
覚悟の上の階段続き。膝を痛めないよう、極力、負担をかけないように
下りる。
堀山の家。
駒止茶屋。
見晴茶屋。
かなり下りてきた。
スミレが綺麗に咲いている。
もう少しで下山できる。振り返れば表尾根が見えた。
左膝が少し張ってきた。危ない感じ。
ちょっとスピードを抑え、転倒しないようにしないと。
大倉バス停に到着(14:25)。地図コースタイムをオーバー。やっぱりな。
しっかり歩いた感じ。うん、充実。
小雪とガスで真っ白な塔ノ岳・尊仏山荘とマイザック
■この日のコース
寄(やどろぎ)→檪山(くぬぎやま)→栗ノ木洞→後沢乗越→
鍋割山荘→小丸→金冷シ→塔ノ岳→金冷シ→(大倉尾根)→大倉
かねてから行ってみたかった鍋割山と塔ノ岳。
愛用の昭文社「山と高原地図」ではコースタイムが7時間を
超えるので、積雪のシーズンは遠慮していた。
下調べで雪はほとんど消えていることが分かり、いざ決行。
当初、鍋割山荘か尊仏山荘で泊ろうかとも思ったが、
早朝、津田沼を発ち新幹線で小田原に出て比較的早いバスに乗れば
日帰りも可能と分かった。泊まるよりは安い。できるとなれば、即、実行だ。
新松田駅から、7:55発の富士急湘南バスに乗り、終点の寄(やどろぎ)へ。
バスの転回所はサクラが満開。まさに春爛漫である。
まずは美しい茶畑の間を緩やかに登る。
「寄しだれ桜まつり」ののぼりに誘われ、ちょっと寄り道になるが
「土佐原のしだれ桜」を観に行った。
木はそれほど大きくはないのだが、なかなかの枝ぶりで、美しい。
既に高価なレンズをつけた一眼カメラおやじが陣取っていた。
登山道に入る。ここ2週間、仕事がきつかったこともあって身体のキレがない。
別に、速く歩くことがいいことではないが、単独行のお姉さんを抜けない。
舗装林道が横切るところでようやく抜いたが、いや、きついきつい。
汗が異様に出てくる。長袖シャツ1枚になっても暑い。
あー、海が見える。
檪山からの眺めはすばらしく、ここで早々とおにぎり1つを頬張りながら
休憩する。サクラが1本、たくましく咲いている。
お姉さんが追いついてきた時、こちらはちょうど出発。
エネルギーの充填効果か、身体が慣れてきたのか、少し足取りが軽くなった。
続くピーク、栗ノ木洞は三角点があるのに植林で展望はゼロ。残念。
思った以上の急な下りをしのげば、いつの間にか自然林となる。
続いて両側が切れ落ちたナイフリッジ。しかし距離は短い。
渡りきったところが後沢乗越の分岐である。
ところで今回のコースは以前からオーバーユースや鹿害で、登山道も
山肌もかなり荒れていたことは、「山と渓谷」等を数年来、熟読している
人ならご存知だろう。
登山道を保護する木道や、植生保護用のフェンスなどが続き、
やや趣きをそがれるが、仕方ないこと。
はじめはポカポカ日差しの中を登ってきたが、上の方は鈍色の雲が
かかり始めている。
最後の登りはきつかった。肩で息をしながら鍋割山に着く。
出発して2時間15分(10:45)。地図上のコースタイムは3時間25分だから、
結局、なかなかの速さで登ってきたことになるが、飛ばした感覚がない。
むしろ足が思うように出なかった思いのほうが強かった。
山頂に、こぢんまりとした鍋割山荘が建っている。
山小屋らしいたたずまいに好感が持てる。
昼食には少し早いが、もう腹が鳴っている。
名物の鍋焼きうどん(1000円)を頂く。これがすばらしく美味!!
山頂で、玉子が落としてあるうどんを食えるとは!
お汁まで残さず平らげ、小屋を出ようとしたとき、先ほどのお姉さんが
小屋に入ってきた。この人、なかなかの健脚だ。
食後、山頂標識で記念写真を撮ってもらう。
単独行では、自分が写真に写る機会はほとんどない。
別に登頂の証拠が欲しいわけではないが、最近、代作やら捏造やら
世間で流行っているので、それに対抗してのこと(笑)。
稜線は北風が抜けて寒い。雪もちらつき始めた。
寒いので上着を羽織り、軍手で指先を保温する。
さっきまでシャツ1枚だったのに、春から冬に逆戻りだ。
枝越しにみる檜洞丸、蛭ヶ岳方面の山並みは、まだ南向きの谷筋にも
雪が残っており、稜線は寒々としていた。
こんな天候でも、ブナ林は美しい。幹に付着したコケが通年の湿度の
高さを物語る。「少しドライで、少し緩やかな大峯山脈」といった感じと
いえば、関西の岳友の皆さんにはイメージして頂けるか?
金冷シの分岐からの最後の登りは、人に抜かれることはないものの、
正直、かなりこたえた。標高差1000mの山行は、久しぶりだ。
ようやく塔ノ岳に到着(12:15)。回りはガスで真っ白。しかも寒い。
水泳の北島クン流に言えば、「んー、何も見えねェ!」
積りそうではないが、雪も降り続いている。
山頂に建つ尊仏山荘をちょいと覗く。コーヒーの文字に、ものすごい
引力を感じたが、下手をすると尻に根が生え、そのまま宿泊して
しまいそうだ。即、下山を決める。
金冷シに戻り、ここから大倉尾根をとる。
ここは延々と木段が続く。下調べで覚悟はできているが、つらいだろう。
まずは赤土が露出し、転石がごろごろした坂道だ。
大倉尾根は小屋が多い。花立山荘。
ここでもう一つのおにぎりを食べる。
少し下ったところで、沢登り姿の二人組がいた。
勘七沢を遡行してきたのだろう。詰めはまだ雪が残っていたかも。
ヒルが出ないうちにとの思いだろうが、寒かっただろう。
覚悟の上の階段続き。膝を痛めないよう、極力、負担をかけないように
下りる。
堀山の家。
駒止茶屋。
見晴茶屋。
かなり下りてきた。
スミレが綺麗に咲いている。
もう少しで下山できる。振り返れば表尾根が見えた。
左膝が少し張ってきた。危ない感じ。
ちょっとスピードを抑え、転倒しないようにしないと。
大倉バス停に到着(14:25)。地図コースタイムをオーバー。やっぱりな。
しっかり歩いた感じ。うん、充実。