1の滝を高巻きし、3の滝を右に見下ろす。続いて、開けたナメが現れる。突然、後ろで激しい水音。振り返ると、ルーキーH川クンの右足が流れの中に。ワンゲル出身の、唯一の20歳代部員が、意外にも真っ先に落ちた。むははは。若くて体力があるからと云って、うまく行くとは限らないのだよ。
まあ、まだ入部して2回目の山行だから、笑うのはやめよう。今、気を悪くされて退部されては困る。「大丈夫か?」連戦練磨のズルいMr.Dashの口からは、本心とは裏腹な、優しい言葉が発せられた。
大きな釜をもつ5の滝からは、しばらく大人しい流れになる。もうきつい岩場やへつりは終わったのか。この調子なら、渓谷の突破に2時間はかからないな。そう思った矢先、道が2分する。右は、6の滝、7の滝。左は8の滝、9の滝、10の滝と道標が出ている。通行止めの沢に、きっちりテープやトラロープが張っていて、滝ごとに標識があるから笑える。あくまで自己責任という、冒険的登山の基本をおさらいしているようだ。
まず、右の道をとる。すぐに、釜の大きな6の滝、断崖のトラバースを経て腰が折れた、落差のある7の滝に着く。ここから危険なへつりと、ほとんど垂直のチムニーを攀じれば、8の滝の下部に出られそうだ。Y井カメラマンと二人で、チムニーまで偵察に出る。ホールドは豊富で、自分たちだけなら登れそうだが、今日はこんな沢に来るとは思っていなかったので、お助け紐を持ってきていない。仕方なく直登をあきらめ、もとの分岐まで戻り、右岸を高巻く。
この高巻きが、きつい。両手でロープにすがるルーキーH川クン。すかさずMr.Dashの「両手でゴボウをするな!抜けたらどうする」の警告。ともちゃんとY井カメラマンは、なんとロープを全く持たずに2足直立歩行でこの急傾斜を登ってきている。急な悪場で鍛え上げられたふたりの歩行技術は、さすがである。
6の滝の真上、開けた岩塔に出る。景色がすばらしい。高巻きも、こんな景色が待っているなら悪くはない。左の垂壁は、クライミングゲレンデになりそうだ。
すぐ急な下り。積もった落ち葉が邪魔して滑りやすい。8の滝は、すばらしいゴルジュを抱いている(写真)。これで水がきれいなら・・・・それくらい美しい渓谷美である。
9番、10番は、余韻のような滝。10番岩場を過ぎると、ようやく流れが落ち着く。水量は極端に減り、沢の二股が現れる。ここで沢と一旦、別れる。真ん中の尾根をたどると、林道の出合に飛び出した。冒険が終わった。時計を見ると、ちょうど2時間たっていた。
すぐ左の山道をとる。再び沢沿いの道となる。さっき分かれた右の沢に、いつの間にか再び近づいたのだ。もはや、ゴルフ場の廃水の影響を受けていないので、水質はすっかり良くなっている。中山寺奥の院への分岐を過ごし、なおも沢沿いに進むと、左の尾根に乗っ越す。中山展望台へは、ほんのひと登りだ。
中山展望台には、正午前に着いた。中高年、いや高老年で満員で、まるで大阪駅のホームかと思うほどの人口密度だった。これはキツイので、中山最高峰に逃れ、ここで昼食とした。
左の赤茶けた尾根伝いに下山。どんどん下ると、途中でゴルフ場の真横に出る。カートがすぐ目の前だ。ゴルファーと目が合う。なんとなく気まずいので、そそくさと先を急ぐ。ダムの直下、橋を渡ると、バス道に出る。十万峠の手前に出たのだ。
今朝、いきなり決めたオプショナルツアーが、やっと終了した。午後1時になっていた。
まあ、まだ入部して2回目の山行だから、笑うのはやめよう。今、気を悪くされて退部されては困る。「大丈夫か?」連戦練磨のズルいMr.Dashの口からは、本心とは裏腹な、優しい言葉が発せられた。
大きな釜をもつ5の滝からは、しばらく大人しい流れになる。もうきつい岩場やへつりは終わったのか。この調子なら、渓谷の突破に2時間はかからないな。そう思った矢先、道が2分する。右は、6の滝、7の滝。左は8の滝、9の滝、10の滝と道標が出ている。通行止めの沢に、きっちりテープやトラロープが張っていて、滝ごとに標識があるから笑える。あくまで自己責任という、冒険的登山の基本をおさらいしているようだ。
まず、右の道をとる。すぐに、釜の大きな6の滝、断崖のトラバースを経て腰が折れた、落差のある7の滝に着く。ここから危険なへつりと、ほとんど垂直のチムニーを攀じれば、8の滝の下部に出られそうだ。Y井カメラマンと二人で、チムニーまで偵察に出る。ホールドは豊富で、自分たちだけなら登れそうだが、今日はこんな沢に来るとは思っていなかったので、お助け紐を持ってきていない。仕方なく直登をあきらめ、もとの分岐まで戻り、右岸を高巻く。
この高巻きが、きつい。両手でロープにすがるルーキーH川クン。すかさずMr.Dashの「両手でゴボウをするな!抜けたらどうする」の警告。ともちゃんとY井カメラマンは、なんとロープを全く持たずに2足直立歩行でこの急傾斜を登ってきている。急な悪場で鍛え上げられたふたりの歩行技術は、さすがである。
6の滝の真上、開けた岩塔に出る。景色がすばらしい。高巻きも、こんな景色が待っているなら悪くはない。左の垂壁は、クライミングゲレンデになりそうだ。
すぐ急な下り。積もった落ち葉が邪魔して滑りやすい。8の滝は、すばらしいゴルジュを抱いている(写真)。これで水がきれいなら・・・・それくらい美しい渓谷美である。
9番、10番は、余韻のような滝。10番岩場を過ぎると、ようやく流れが落ち着く。水量は極端に減り、沢の二股が現れる。ここで沢と一旦、別れる。真ん中の尾根をたどると、林道の出合に飛び出した。冒険が終わった。時計を見ると、ちょうど2時間たっていた。
すぐ左の山道をとる。再び沢沿いの道となる。さっき分かれた右の沢に、いつの間にか再び近づいたのだ。もはや、ゴルフ場の廃水の影響を受けていないので、水質はすっかり良くなっている。中山寺奥の院への分岐を過ごし、なおも沢沿いに進むと、左の尾根に乗っ越す。中山展望台へは、ほんのひと登りだ。
中山展望台には、正午前に着いた。中高年、いや高老年で満員で、まるで大阪駅のホームかと思うほどの人口密度だった。これはキツイので、中山最高峰に逃れ、ここで昼食とした。
左の赤茶けた尾根伝いに下山。どんどん下ると、途中でゴルフ場の真横に出る。カートがすぐ目の前だ。ゴルファーと目が合う。なんとなく気まずいので、そそくさと先を急ぐ。ダムの直下、橋を渡ると、バス道に出る。十万峠の手前に出たのだ。
今朝、いきなり決めたオプショナルツアーが、やっと終了した。午後1時になっていた。