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■メイン写真
鉢伏山の山頂部に鎮座する鉢伏大神
■今回のコース
扉温泉→前鉢伏山への直登ルート分岐→ヘリ墜落地分岐→鉢伏山→(往路を戻る)→
扉温泉・桧の湯
長野県遠征の最終日は、純粋に下見山行。
松本市と岡谷市にまたがる鉢伏山へ、扉温泉から登る、標高差900m近いルートだ。
無雪期には松本市側からクルマで山頂直下まで行けるが、今は通行止め期間。
北アルプスから霧ヶ峰、北八ツまでの大パノラマが楽しめる山とあって、
期待感が高まる。
超高級旅館の明神館の前を通り過ぎると、登山口がある。初っ端からアイゼンを装着。
はじめは、わさび沢に沿う。最初の橋を渡ってほどなく、右にZ字に上がり、わさぞ沢の
ひとつ西にあたる水量の少ない沢筋に出るのだが、これを見落とし、わさび沢本流を
少し遡行してしまった。先行者トレースに惑わされたのもある。
穴口沢の二股で、これはおかしいということで強引に斜面を這い上がり、本来の
登山道に舞い戻った。
おかげで少しタイムロスをした。もちろん帰りは正規の登山道でラクラク下ったのは
言うまでもない。
わさび沢源流部の流れ。流れの飛沫が凍りつき美しい。
以降、道標はちゃんとしているだけに、最初のZ字ポイントには道標を
立てておいてほしかった。
ところで、ここ3~4日の疲れなのか、どうもイマイチ調子が出ない。
昨夜のビジネスホテルの空調で喉がやられたのか、空咳も出て、身体が重い。
風邪をひいたのかなと思いながら登る。
標高1470mあたりの林道分岐からは、尾根筋に乗り、いよいよ強烈な急登が始まる。
今日もコンビを組んでくれる細井ガイドの足取りは力強い。
あたりはカラマツ林。
すぐ北側の尾根の高さに並んだら、冷たい北西の風が吹くようになった。
2017年に起きた長野県消防防災ヘリコプターの墜落事故現場へは慰霊登山などが
行われているようだが、この分岐から南東の沢筋に下るようだ。
この日は時間と体力の関係でパスした。
急登ゾーンを突破し、山頂部へ。美ヶ原方面の眺めが一気に開けた。
大雪原となった山頂部に出る。
写真では分からないが強烈な風が吹いている。
T字分岐には標識のほか、石に文字が書かれている。
温泉マークを見ると、下山後の期待が膨らむ。
蓼科山が見える。
この建屋の風下に隠れて、慌てて上着を着こみ、バラクラバを被る。
勾配が緩んできたので、さっきまでの体調が少しマシになってきたようだ。
もしかしたら、単にペースが速すぎただけなのかもしれない。
時折、雪を踏み抜きながらも、山頂に到着。
山頂部は、強風が吹く日が多いのだろう。積もった雪は舞い上がって飛ばされるため
積雪量はさほどではない。
時間があれば、直下にある円筒形の展望台兼避難小屋や、冬季営業している鉢伏山荘にも
寄ってみたかったが、この日は下山後、奈良の自宅まで帰らなくてはならない。
すぐに引き返すことにした。
絶景は確かにすばらしいのだが、北アルプス方面は雲がかかってしまっていたのが残念。
山頂直下まで下り、風をよけて手早く昼食を済ませる。
そして、いよいよ背負ってきたスノーシューの出番だ。
ジグザグに登ってきた急坂を、直線的に一気に滑り降りる。
新調した軽量型のスノーシューは、アイゼンの効きは少し甘く感じたが、
取り回しが良く、慣れてくるとスケーティングがじつに楽しかった。
林道の分岐でスノーシューを外したが、このあとは猛スピードで下山。
あとで区間ごとの平均速度を見ると、4~6km/h出ていた。
下山後は、扉温泉の日帰り温泉施設、桧の湯でホッコリ。
入浴料は400円ということで、地元のお年寄りが三々五々やってきて賑わっていた。
帰りはコーヒーを飲みながら一路、高速道路を奈良へ。
長野市内には雪は全然なかったのに、名阪国道で伊賀から天理あたりまでずっと雪。
おかげで帰宅したのは23時を回ってしまった。