7月最後の日曜日である28日は、函館競馬場で牝馬重賞・クイーンステークスが、夏季開催の開幕を迎えた新潟競馬場では直線1000m重賞・アイビスサマーダッシュが行われました。
函館のメイン競走・第61回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ・芝1800m)は、秋の牝馬戦線で主役を狙う8頭の牝馬が出走。マーメイドSで約2年ぶりの勝利を挙げた2011年の桜花賞馬⑦マルセリーナ、昨年のこのレースの勝ち馬⑤アイムユアーズ、重賞2勝の実績を持つ①オールザットジャズ、3歳馬④セレブリティモデルなどが参戦しました。
スタンド前でのスタートで、アイムユアーズが好スタートを切るが、内から②クィーンズバーンが先手を奪い、ユアーズは2番手に下げる。オールザットジャズは3番手集団の中、マルセリーナはやや後方に控えて1コーナーを回る。向正面に差し掛かるところで、クィーンズバーンが単独先頭、アイムユアーズが2番手追走、オールザットジャズが単独3番手につけ、③コスモネモシンが4番手で続く。5番手に⑧キャトルフィーユ、セレブリティ6番手、7番手にマルセリーナ、⑥スピードリッパーが最後方で追う。
先頭を行くバーンは前半1000mを60秒台で通過。後ろでは4番手のネモシンが3番手のジャズに並びかけ、キャトルフィーユが外から追い上げに掛かる。マルセリーナはまだ後方。残り400mを通過して4コーナーに入るところで、アイムユアーズが先頭に立ち、外からオールザットジャズ、内にマルセリーナ、さらに大外からスピードリッパーが追い込んでくる。ゴール前でリッパーが2番手に上がったが、アイムユアーズがそのまま先頭でゴールイン!
秋の牝馬戦線を占うクイーンステークスは、単勝1番人気だったアイムユアーズが、直線で早めに抜け出し、後続の追い上げを抑えて優勝。1年ぶりの勝利を手にして、札幌開催の昨年に続き、同一重賞2連覇を果たしました。2着には最低人気だったスピードリッパーが入り、オールザットジャズが3着。重賞2連勝を狙ったマルセリーナは4着に終わりました。
勝ったアイムユアーズは通算4度目の重賞勝ち、鞍上の戸崎圭太騎手はJRA移籍後2度目の重賞勝利を手にしています。アイムユアーズは通算5勝のうち北海道で3勝、函館コースでは2年前の2歳未勝利戦以来の勝利です。レース前には「結果次第では札幌記念にも向かう」と陣営が明言していましたが、これで自信を持って参戦できそう。ロゴタイプとトウケイヘイローの2強に割って入れるでしょうか?
新潟メイン・第13回アイビスサマーダッシュ(GⅢ・芝1000m)は、快速自慢18頭が集結。函館スプリントステークスの勝ち馬・⑪パドトロワ、函館SS3着④フォーエバーマーク、前走のCBC賞で2着だった⑬ハクサンムーン、切れ味鋭い末脚を持つ⑦スギノエンデバー、前走テレビユー福島賞を勝った⑧プリンセスメモリー、⑭リトルゲルダなどが出走しました。
4コーナー奥のポケット地点からのスタートは、スギノエンデバーが遅れた以外は横一線。先行争いでハクサンムーンとフォーエバーマークの2頭が抜け出し、3番手グループに⑯ヤマニンパピオネとパドトロワ、5番手辺りにプリンセスメモリー、リトルゲルダ、⑩アンシェルブルー7番手、8番手グループは横一線で、⑥ローブドヴルール、③アフォード、⑫カラフルデイズ、スギノエンデバー、①ビラゴーティアラ、⑰レオパステル、⑱スプラッシュエンド。後方集団は⑤コンフォーコ、⑮アウトクラトール、⑩デュアルスウォード、②インプレスウィナーと続く。
18頭が固まった状態で外ラチの方へ向かい、先頭争いはフォーエバーとハクサンの2頭が並び、3番手争いも熾烈でゲルダ、パドトロワ、プリメモなど大激戦。残り200mを切って先頭争いと3番手集団の差が拡がり、ゴール前でハクサンムーンが抜け出して先頭FINISH!フォーエバーマークが2着に入り、3着争いはリトルゲルダが先着しました。
新潟名物・直線1000mの高速バトルは、スタートダッシュを決めたハクサンムーンとフォーエバーマークが競り合い、最後はハクサンムーンが3/4馬身差をつけて1着。昨年4着の雪辱を果たし、夏の最速王の座に就きました。ハクサンムーンは昨年11月の京阪杯以来となる重賞2勝目。GI3着の実力を新潟で証明してみせました。勝ち馬に騎乗した酒井学騎手は新潟県新潟市出身。地元コースでの重賞勝ちは何よりも格別といえよう。2着のフォーエバーマークに騎乗した村田一誠騎手も新潟県出身(柏崎市)。新潟出身コンビのワンツー決着となった今年のアイビスサマーダッシュでした。なお、昨年の勝ち馬・パドトロワは最重量59.0㎏が大きく影響して10着と惨敗。
サマースプリントシリーズは3戦終了時点で、ハクサンムーンが15ポイントで総合1位。パドトロワが11ポイントで2位、10ポイントのマジンプロスパーが3位に付けています。夏の短距離王を決める戦いは残り3戦。総合優勝争いは最終戦までもつれ込むのでしょうか?
来週は小倉競馬場でサマー2000シリーズ第3戦・小倉記念、新潟競馬場では3歳ダート重賞・レパードステークスが行われます。小倉記念には七夕賞を勝ったマイネルラクリマ、エクスペディション、ダコール、ナリタクリスタル、タガノエルシコ、ダービー7着・ラブリーデイなどが登録。レパードステークスの方はジャパンダートダービー3着・ケイアイレオーネ、ダート1800m3勝のサトノプリンシパル、ダート2戦2勝のオメガインベガス、ジェベルムーサ、インカンテーションなどが出走予定。3歳ダート王・クリソライトのライバルに名乗り上げるのはどの馬になるのか注目です。