ダート競馬の祭典「JBC(ジャパン・ブリーディング・ファームカップ)2018」が4日、京都競馬場で行われました。毎年全国の地方競馬場で開催されますが、18回目となる今年は初めての中央開催です。まずは「JBCスプリント」&「JBCクラシック」から。
ダート短距離王決定戦・第18回JBCスプリント(GⅠ・ダート1200m、16頭立て)は、プロキオンステークスでレコード勝ちの⑤マテラスカイ、3年ぶりのGⅠタイトル獲得を目指す⑬レッツゴードンキ、今年のコリアスプリントで復活勝利を挙げた⑭モーニン、その前年のコリアスプリント覇者⑥グレイスフルリープ、昨年の優勝馬②ニシケンモノノフ、③キングズガード、芝とダートの二刀流①ネロ、ダートGⅠ初参戦の⑨セイウンコウセイ&⑧ナックビーナスらが参戦。地方勢からは東京盃で連覇を果たした④キタサンミカヅキ(船橋所属。馬主は北島三郎)、オーバルスプリントを勝った⑩ノブワイルド(浦和所属。馬主はTUBEの前田亘輝)、⑪アンサンブルライフ(浦和)、⑫ラブバレット(岩手)の4頭がエントリーしました。
スタートは16頭揃って飛び出し、好スタートを見せたマテラスカイが早々と先手を取る。2番手争いでは真ん中から⑦ウインムートが上がり、ノブワイルド3番手、4番手グレイスフルリープ。5番手から⑪アンサンブルライフ、6番手ナックビーナス、7番手ネロ、8番手にセイウンコウセイが追走。キタサンミカヅキは中団の9番手、10番手に⑮テーオーヘリオス、ニシケンモノノフ11番手、12番手モーニン、13番手にレッツゴードンキ。後方はラブバレット・⑯ノボバカラ・キングズガードが固まっている。
3,4コーナー中間点で、マテラが軽快に逃げ、リープとムートが2,3番手で競り合う。アンサンブルとノブワイが4,5番手、コウセイは外に持ち出し、ネロ,ミカヅキ,ナックは中団馬群。モーニンとドンキはまだ後ろのポジション。
最後の直線に差し掛かり、マテラスカイがラストスパートを仕掛け、グレイスフルリープも2番手で追いかける。後続ではキタサンミカヅキが3番手、外からモーニンが4番手に浮上。ラスト100mを切り、マテラが押し切りを図るが、ゴール前でリープが捕えてゴールイン!韓国GⅠ馬グレイスフルリープが、国内GⅠ初制覇です!
GⅠ3連戦の1発目は、武豊騎手が乗るマテラスカイと、クリストフ・ルメール騎手が乗るグレイスフルリープの一騎打ちとなりましたが、グレイスフルリープがゴール前差し切って優勝しました。スタートから積極的な走りを見せたマテラスカイは、クビ差の2着。キタサンミカヅキは地方勢で最上位の3着でした。
3番人気のモーニンは4着、2番人気のレッツゴードンキは5着、昨年の勝ち馬ニシケンモノノフは8着。芝とダートのスプリントGⅠ制覇に挑んだセイウンコウセイは14着、ナックビーナスも15着。地方勢は、ラブバレット10着、アンサンブルライフ13着、ノブワイルドは最下位の16着に終わりました。(全着順と払戻金はこちらから)
グレイスフルリープは昨年のコリアスプリントに続き、GⅠ2勝目をマーク。今年に入っては東京スプリントを勝ち、前走の東京盃では3着でした。鞍上のルメール騎手は、なんと4週連続でのGⅠ級のレースを制覇。スタートからマテラスカイをマークし続け、ラスト100mで外から接近し、最後にかわしてました。実況を担当した関西テレビの川島アナウンサーも「まさに神ってる!」と発言されました。ルメール騎手は今年あと何回GⅠを勝つんだろうか…。
第18回JBCクラシック(GⅠ・ダート1900m 16頭立て)は、前回の優勝馬⑦サウンドトゥルー、⑨ノンコノユメ、⑧ケイティブレイブ、⑬オールブラッシュ、⑯クリソライト、⑫アポロケンタッキーのGⅠ馬6頭をはじめ、平安ステークスを勝った④サンライズソア、シリウスステークスを制した⑭オメガパフューム、白山大賞典2着①センチュリオン、不振脱出へ⑩テイエムジンソク、さらに地方から「大井の帝王」的場文男が乗る③シュテルングランツ(浦和)、愛知のエース⑪カツゲキキトキト、②タガノゴールド(兵庫)も参戦しました。
スタートでノンコノユメが少し立ち遅れて最後方から。スタンド前の先行争いで、サンライズソア、シュテルングランツ、⑮テーオーエナジーの3頭が前を行ったが、サンライズソアが先頭を奪う。テイエムジンソクが4番手につけ、ケイティブレイブ6番手、オメガパフュームは中団からレースを進め、アポロケンタッキーとサウンドトゥルー、ノンコノユメは後方で1コーナーを回った。
2コーナーを過ぎて向正面に入り、サンライズソアが先頭、2番手にテーオーエナジー、3,4番手にテイエムジンソクとシュテルングランツ。5番手⑥マイネルバサラ、6番手オールブラッシュ、7番手に①センチュリオン。中団には、8番手ケイティブレイブ、9番手アスカノロマン、その後ろの10番手集団にはカツゲキキトキト・タガノゴールド・オメガパフュームの3頭が並んでいる。13番手クリソライト、14番手サウンドトゥルー。15番手にアポロケンタッキー、ノンコノユメが最後方という展開。
3コーナーを過ぎ、サンソアがまだ先頭だが、ジンソクが2番手、3番手からエナジーも接近する。ブラッシュとケイブレも外から捲るように押し上げる。パフューム、アポケン、ノンコは中団から後ろの位置。
直線コースに入ってもサンライズソアが先頭で逃げ粘る。ルメール2連勝か?テーオーエナジーが2番手で食い下がるが、3番手からケイティブレイブが追い上げる。さらにオメガパフュームも襲い掛かる。ゴール残り200mでケイブレがエナジーをかわすと、残り100mでサンソアを差し切り先頭浮上。パフュームがゴール前で突っ込んできたが、ケイティブレイブが先頭でゴールイン!ケイティブレイブが念願の中央GⅠ制覇!
GⅠ馬が6頭も参戦した今年のJBCクラシックは、単勝3番人気のケイティブレイブが直線差し切って優勝。2着には3歳馬のオメガパフューム、3着は1番人気のサンライズソアが入りました。ルメール騎手のJBC2連勝はなりませんでした。5番人気のノンコノユメは4着、前回優勝のサウンドトゥルーは5着。4番人気のアポロケンタッキーは13着と大敗。地方馬は、タガノゴールドが9着、カツゲキキトキト12着、シュテルングランツ16着でした。(全着順と払戻金こちら)
ケイティブレイブは昨年の帝王賞、今年の川崎記念に次いでダートGⅠ3勝目。福永祐一騎手はJBCクラシック初勝利です。また、中央での勝利は2016年1月の500万円以下以来、2年10カ月ぶりとなりました。今年2月に目野哲也厩舎から杉山晴紀厩舎に移籍し、ダイオライト記念で優勝、帝王賞で2着、前走の日本テレビ盃で優勝。そして今回のJBCクラシックで転厩後重賞3勝目を挙げました。杉山調教師にとっても、厩舎開業3年目でJRA・GⅠ競走で初勝利となりました。
念願の中央GⅠタイトルを手にしたケイティブレイブ、12月のチャンピオンズカップor東京大賞典で、ルヴァンスレーヴとゴールドドリームに挑みます。転厩後は安定した成績を残しているから、2強に割って入りそうなこともありそうです。