ゴールデンウィーク最終日の6日、東京競馬場で2012年の3歳マイル王決定戦・第17回NHKマイルカップ(GI・芝1600m 18頭立て)が行われました。デビューから無傷の3連勝中の⑤カレンブラックヒル、マイルでは3戦負け無しの2歳王者⑰アルフレード、マイルカップからダービーを目指す⑧マウントシャスタ、チューリップ賞で後の桜花賞馬・ジェンティルドンナを破った⑦ハナズゴール、他にも⑭ジャスタウェイ、⑨セイクレットレーヴ、⑩ブライトラインなどが参戦しました。
レース直前の単勝オッズでは、カレンブラックヒルとマウントシャスタが3.7倍で1番人気を分け合い、アルフレード3番人気(7.4倍)。10倍以下は上位3頭で、4番人気以降はジャスタウェイ、ブライトライン、ハナズゴール、セイクレットレーヴ、④モンストールと続きました。
スタートで⑮サドンストームとブライトラインが出遅れたのに対し、ブラックヒルが好ダッシュからすぐに先手を奪います。2番手に②ネオヴァンクルと⑱レオンビスティー。4番手集団には⑯ガンジス、外側にアルフレード、その後ろの6番手に⑪マイネルロブスト、最内の7番手①メジャーアスリート。中断の8番手の中にいるマウントシャスタは、モンストールと⑩オリービンの間に挟まれている。⑥シゲルスダチと⑫クラレントが11番手並走、③レオアクティヴが13番手、ハナズゴールは14番手で控えている。後方では15番手にジャスタウェイ、16番手にセイクレットとブライトライン、サドンストームしんがりという展開。
縦長の状態で3コーナーを回り、依然としてカレンブラックヒルが先頭をキープ。レオンビスティーとマイネルロブストが並びかけようとする。アルフレード外側4番手、シャスタ中団に控えたまま4コーナーから直線へ。レオンがブラックヒルに並びかけ、アルフレードが大外から襲いかかろうとするが、ブラックヒルまだ逃げ粘る。後方ではジゲルスダチが落馬。前にいたマウントシャスタに阻まれたか?残り200mでカレンブラックヒルが後続を突き放して独走、2番手争いではアルフレード、オリービン、クラレントが競り合って大混戦。先頭のカレンブラックヒルは悠悠と1着でゴールイン!混戦の2着争いはアルフレードが粘りました。
全着順&払戻金
1着⑤カレンブラックヒル 1分34秒5
2着⑰アルフレード 3馬身1/2
3着⑫クラレント クビ
4着⑬オリービン ハナ
5着⑨セイクレットレーヴ クビ
6着⑭ジャスタウェイ ハナ
7着⑦ハナズゴール ハナ
8着③レオアクティブ クビ
9着⑯ガンジス 1馬身3/4
10着⑩ブライトライン ハナ
11着⑱レオンビスティー 2馬身1/2
12着②ネオヴァンクル クビ
13着⑮サドンストーム クビ
14着⑪マイネルロブスト 2馬身
15着①メジャーアスリート 1馬身1/4
16着④モンストール 3/4馬身
中止⑥シゲルスダチ
失格⑧マウントシャスタ
払戻金
単勝 5 370円
複勝 5 170円 17 300円 12 1630円
枠連 3-8 1210円
馬連 5-17 1480円
馬単 5-17 2630円
ワイド 5-17 760円 5-12 8070円 12-17 12680円
3連複 5-12-17 72990円
3連単 5-17-12 262580円
スター不在のマイル戦線に新星誕生!1番人気に支持されたカレンブラックヒルが、スタートから先頭に立ち、直線に入っても鼻を譲らず逃げ続け、最後は一気に突き放し、2着のアルフレードに3馬身半差の圧勝でNHKマイルカップを制覇。デビューから4戦4勝、無敗で3歳マイル王に輝きました。このレースを無敗で制したのは、1998年のエルコンドルパサー以来史上2頭目となります。
なお、このレースでシゲルスダチが最後の直線で落馬競走中止。馬は異常ありませんでしたが、鞍上の後藤浩輝騎手は頚椎捻挫。落馬直後にうずくまり、担架で搬送されましたが、大事に至らずに済んで良かった。当然レースは審議となり、6位入線のマウントシャスタが内側に斜行し、シゲルスダチの走行妨害→落馬させたため失格。シャスタに騎乗していた岩田康誠騎手は、5月12日~20日まで開催日4日間の騎乗停止処分を受けました。これにより、来週のヴィクトリアマイル、差来週のオークスはアウトとなりました。オークスではジェンティルドンナとのコンビで2冠に挑む予定だったのに…。代役は誰になるんでしょうか?
優勝したカレンブラックヒルに騎乗した秋山真一郎騎手は、デビュー16年目、通算55回目のGI挑戦で悲願のGI初勝利。これまでは2007年のオークスの2着が最高でしたが、ようやくGIジョッキーの仲間入りを果たしました。管理する平田修調教師、ダイワメジャー産駒もGI初勝利です。
4連勝で3歳マイル王に輝いたカレンブラックヒルは、今年1月にデビューし、京都のマイル戦で2連勝した後、関東初参戦のニュージーランドトロフィーでは2馬身半差の快勝で3連勝。そして今回のマイルカップでは他馬を寄せ付けず圧勝。初めての東京コース、突然の大雨と風にも関わらず、完璧な内容で勝利。直線でぶっちぎる辺りは、他馬とは力が違うなあという印象を受けました。
レース後、平田調教師が日本ダービー挑戦を視野に入れているとコメント。もし正式に参戦するなら、グランデッツァとの2頭出しになります。ただ、マイルからの距離延長、2400mで好走できるか心配です。できればダービーより安田記念に向かった方がいいのではないかと思います。今回の勝ちっぷりなら古馬相手にも勝てそうな気がします。マイルGIを3勝したお父さんのダイワメジャーのように、ブラックヒルも名マイラーの道を歩んでもらいたいですね。
来週も東京競馬場でGIが行われ、春の最強牝馬を決める「第7回ヴィクトリアマイル(GI)」があります。GI5勝を誇るアパパネが史上初のVM連覇に挑戦すれば、アプリコットフィズ、レディアルバローザ、マルセリーナ、ドナウブルー、ホエールキャプチャ、オールザットジャズ、クィーンズバーンなどが登録しています。名牝・ブエナビスタが引退し、古馬の牝馬戦線は混戦模様。どの馬にも現役最強牝馬になれるチャンスはありそうだ。