GⅠの中休みだった11月5日は、全国的に好天に恵まれました。この日は東京競馬場でアルゼンチン共和国杯、京都競馬場はダート重賞のみやこステークスが行われました。ここを勝ってGⅠに名乗りを挙げる馬は出てくるのか。
東京メイン・第55回アルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m 16頭立て)は、今年の日本ダービー2着④スワーヴリチャード、デビュー3連勝でラジオNIKKEI賞を勝った①セダブリランテス、重賞3勝のステイヤー⑪アルバート、⑥プレストウィック、⑭レコンダイト、③デニムアンドルビー、⑦ソールインパクト、⑧カレンミロティックなどが出走しました。
スタートは16頭綺麗に出揃い、スタンド前の先行争いでは、セダブリランテス、②マイネルサージュ、カレンミロティック、⑬ハッピーモーメント、⑩サラトガスピリットが前に行くが、結局はマイネルサージュが先手を取った。ソールインパクト6番手、スワーヴリチャードは7番手、レコンダイトとアルバートは中団馬群、デニムアンドルビーとプレストウィックは後方で1コーナーを回ります。
1,2コーナーで徐々に縦長となり、向正面に入ったところで、マイネルサージュ先頭、2番手カレンミロティック、少し離れた3番手にハッピーモーメント、内側4番手にセダブリランテス。外側5番手サラトガスピリット、セダブリとサラトガの間にソールインパクト。その牛ろの7番手グループには、スワーヴリチャード・アルバート・レコンダイト・⑨シホウの4頭が並んでいる。11~13番手の位置には⑤トウシンモンステラ・⑮ヒットザターゲット・⑫トルークマクトの3頭が並走。14番手プレストウィック、15番手デニムアンドルビー、最後方に⑯カムフィーという展開。
3,4コーナー中間を過ぎ、サージュ先頭、2番手ミロティック、3番手モーメント、セダブリとソールが好位キープ。スワリチャは最内、アルバートは外に回る。デニルビが最後の直線に入ったところで一番外に持ち出した。
直線コースの攻防で、マイネルサージュがまだ先頭で粘るが、残り400mのところでスワーヴリチャードがサージュを抜いて先頭に立つ。外からソールインパクトが2番手に上がり、さらにはアルバートやセダブリランテスも追い上げる。しかし、ゴール残り200mでスワリチャが完全に抜け出し、独走態勢で先頭ゴール!2番手争いではソールが2着を確保、セダブリが3着に入りました。
ジャパンカップ&有馬記念を見据える馬達が集まったアルゼンチン共和国杯は、スワーヴリチャードが1番人気に応えて完勝。3歳馬がこのレースを勝利したのは、1997年のタイキエルドラド以来20年ぶりです。2着のソールインパクトは準オープン馬でしたが、53キロの軽い斤量が功を奏しました。3着のセダブリランテスは、デビューからの連勝は途切れましたが、休み明け&距離延長で好走しました。2番人気のアルバートは、トップハンデ58.5キロが堪えたのか4着でした。
勝ったスワーヴリチャードは、共同通信杯に次ぐ重賞2勝目。この日はミルコ・デムーロ騎手と初めてコンビを組み、道中は中団を追走。直線では馬場の内側から抜け出すと、持ったままで後続をを引き離して2馬身半差の圧勝。初めての古馬との対戦で、ダービー2着の実力を存分に発揮しました。東京コースでは4戦2勝・2着2回と連対率100%。秋初戦で最高の走りをしたので、ジャパンカップでも期待が持てるけど、出るのかどうかわからない…。でも、いずれはGⅠ馬になれるでしょう。
京都メイン・第8回みやこステークス(GⅢ・ダート1800m)は16頭立ての予定でしたが、③トップディーヴォが競走除外で15頭立てで争われました。巻き返しを図りたい⑮エピカリス、レパードステークスを勝った⑪ローズプリンスダム、同レース2着②サルサディオーネ、ジャパンダートダービー3着⑥タガノディグオの3歳勢4頭に加え、エルムステークス2着⑯テイエムジンソク、マイルチャンピオンシップ南部杯3着⑫キングズガード、GⅠ3着2回⑤アスカノロマン、京都ダート1800mで3勝の③タガノヴェリテ、①モルトベーネなどが参戦しました。
スタートでローズプリンスダムが少し出遅れ。ポンと飛び出したサルサディオーネと⑧モンドクラッセが先手を取り合い、テイエムジンソクが3番手に上がり、アスカノロマン4番手。エピカリス,タガノディグオ,タガノヴェリテの3頭は中団でレースを進める。
1,2コーナーから向正面で、サルサディオーネが先頭、2番手にモンドクラッセ、3番手アスカノロマン、4番手にテイエムジンソク。5番手グループには⑩ルールソヴァール・⑦リーゼントロック・タガノディグオの3頭が固まっている。8,9番手の位置にエピカリスと⑭タムロミラクル、10番手⑨シャイニービーム。⑬マイネルクロップと①モルトベーネが11,12番手で並び、タガノヴェリテ13番手。14番手ローズプリンスダム、キングズガードはしんがり追走。
3コーナーを回り、4番手にいたジンソクがサルサを抜いて先頭に浮上。さらにソヴァールが2番手に上がり、エピカリスが外から捲るようにポジションを押し上げる。
4コーナーから直線コースに差し掛かり、テイエムジンソクが突き放し、ルールソヴァールが2番手から前を追いかける。エピカリスとアスカノロマン、タムロミラクルも追い上げるが、前が止まらない。それどころかエピカリスが沈んでいく。ゴール残り100mを切り、キングズガードが脚を伸ばしてきたが、テイエムジンソクがそのまま1着でゴールイン。ソヴァールが2着、キングズガードは3着まで。
チャンピオンズカップの優先出走権をかけた一戦は、単勝2番人気のテイエムジンソクが優勝。道中は4番手を追走し、3コーナーを過ぎたところで早くも抜け出し、直線でも勢いが止まらず、2馬身半差の快勝。2着のルールソヴァールは9番人気の伏兵、大外から追い込んだキングズガードが3着に入りました。1番人気だったエピカリスは勢いなく8着と完敗。ベルモントステークス除外の後、レパードステークスで3着、再起をかけた今回のレースでも復活できず。慣れない右回りで力が発揮できなかったのか?3歳勢はローズプリンスダムの7着が最高で、タガノディグオ11着、サルサディオーネは15着。3歳勢にとっては厳しい結果となりました。
勝ったテイエムジンソクは重賞初制覇。古川吉洋騎手は今年の重賞2勝目です。今年5月から古川騎手とコンビを組み、東大寺ステークス、大沼ステークス、マリーンステークスと3連勝。エルムステークスでは2着でしたが、このレースで1着。5戦4勝・2着1回と好成績を残しています。チャンピオンズカップの優先出走権を得たけど、ジンソクは左回りの経験がありません。それに相手も格上ばかりだから、惨敗しそうな予感。大井の東京大賞典なら上位争いしそうだけどなぁ。