2014年秋のGⅠ開幕戦・第48回スプリンターズステークス(芝内回り1200m・18頭立て)が5日、新潟競馬場で行われました。例年は中山競馬場で開催されるこのレースですが、今年は2002年以来2度目の新潟開催。今回は、昨年2着の雪辱に燃える⑮ハクサンムーン、高松宮記念を勝った⑥コパノリチャード、高松宮とヴィクトリアマイルで3着の⑨ストレイトガール、スプリント戦線で復活した元2歳女王②ローブティサージュ、安田記念でジャスタウェイと接戦を演じた⑭グランプリボス、オーストラリアGⅠを勝った⑪ハナズゴール、短距離王国・安田隆行厩舎所属の⑬レッドオーヴァル、他にも⑯セイコーライコウ、④ガルボ、③トーホウアマポーラ、⑫ベルカント、⑤マジンプロスパー、⑱スノードラゴンなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、1番人気がハクサンムーン(2.8倍)、2番人気ストレイトガール(3.6倍)、コパノリチャードが3番人気(8.8倍)。4番人気以降はグランプリボス、レッドオーヴァル、⑩マヤノリュウジン、ローブティサージュ、ハナズゴールと続きました。
向正面からのスタートで、ハクサンムーンとベルカントが好ダッシュを見せたが、コパノリチャードが後手を踏んで後方から。これは痛すぎる!先行争いでハクサンが先手を取ったかと思いきや、⑦ダッシャーゴーゴーが押して先頭を奪う。ハクサンムーン2番手、ベルカント3番手、マジンプロスパー4番手、外からグランプリボスが並びかける。6番手集団にはトーホウアマポーラ、ローブティサージュ、レッドオーヴァル、9~11番手にガルボ、ストレイトガール、セイコーライコウ。中団より後ろのグループには①アースソニック、⑧アフォード、スノードラゴンがいて、15,16番手にリチャードとハナズゴールが並走。後方はマヤノリュウジン、しんがりから⑰サンカルロという展開。
内回り3,4コーナー中間点を通過し、先頭で逃げるダッシャーは前半600mを33.7秒で通過。ハクサンが2番手で追いかける。グラボス3番手、オーヴァルも好位置につけ、スノドラが大外に持ち出す。ストガーは中団馬群、コパノリチャードはまだ後方。4コーナーから最後の直線に入り、ハクサンムーンがわずかに先頭に出るが、ベルカントが最内を突いてハクサンを捕らえる。馬場の真ん中からグランプリボスとレッドオーヴァル、ストレイトガールが馬群を割って上がってきて、スノードラゴンも大外から伸びてきた。残り100mで先頭争いはベルカント、ストガー、オーヴァル、グラボス、スノドラと5頭横一線。その中からスノードラゴンが抜け出してゴールイン!新潟決戦を制したのはスノードラゴン!力強い末脚で秋のスプリント王に輝きました!
スプリンターズステークス 全着順&払戻金
1着⑱スノードラゴン 1分08秒8
2着⑨ストレイトガール 1/2馬身
3着⑬レッドオーヴァル アタマ
4着⑭グランプリボス アタマ
5着⑫ベルカント ハナ
6着⑧アフォード 1/2馬身
7着⑯セイコーライコウ クビ
8着⑩マヤノリュウジン 1/2馬身
9着⑤マジンプロスパー ハナ
10着⑰サンカルロ クビ
11着②ローブティサージュ アタマ
12着⑥コパノリチャード 1/2馬身
13着⑬ハクサンムーン ハナ
14着③トーホウアマポーラ クビ
15着①アースソニック 1/2馬身
16着④ガルボ アタマ
17着⑪ハナズゴール 1馬身3/4
18着⑦ダッシャーゴーゴー 3/4馬身
単勝 ⑱ 4650円
複勝 ⑱ 650円 ⑨ 170円 ⑬ 380円
枠連 〔5〕-〔8〕 2260円
馬連 ⑨-⑱ 7360円
馬単 ⑱-⑨ 26040円
ワイド ⑨-⑱ 1790円 ⑬-⑱ 4370円 ⑨-⑬ 860円
3連複 ⑨-⑬-⑱ 19580円
3連単 ⑱-⑨-⑬ 190930円
12年ぶりの新潟でのスプリンターズステークスは、ラスト100mで6頭が並ぶという見応えのある大激戦となりましたが、単勝13番人気の伏兵・スノードラゴンが大外から一気に差し切って優勝しました。並み居るスプリント界の実力馬たちを破っての大金星です。2着には2番人気・ストレイトガール、3着にはレッドオーヴァルが入りました。スプリントGⅠ連覇を狙ったコパノリチャードは、スタートの出遅れが響き12着、1番人気だったハクサンムーンは、残り100mで失速して13着と大敗しました。
勝ったスノードラゴンは、重賞6度目の挑戦で嬉しい初制覇。通算8勝目となりますが、過去7勝はダートで挙げたもので、芝レースはこれが初勝利です。父・アドマイヤコジーンは12年前の新潟開催で2着惜敗。あれから12年後、スノドラが同じ新潟の舞台で父の無念を晴らしました。ちなみに、アドコジ産駒は2007年のアストンマーチャンに次いで同レース2勝目。
鞍上の大野拓弥騎手は、デビュー10年目で悲願のGⅠ初勝利。スプリンターズSは今回が初騎乗、しかも初優勝の快挙達成。先頭でゴールした瞬間、右手を挙げてガッツポーズを見せておりました。また、管理する高木登調教師もGⅠ初勝利です。馬も騎手も調教師も「初めて尽くし」だった今年のスプリンターズステークスでした。
スノードラゴンは今年から芝のスプリント戦線に参入し、オーシャンステークスで2着と好走すると、高松宮記念でも2着。不良馬場ながらも上がり3ハロンはメンバー最速の36.1秒を記録しました。今回は13番人気の低評価を覆してのGⅠ制覇であり、高松宮記念の2着がフロックでないことを照明してみせました。今後は11月3日に森岡競馬場で行われるJBCスプリント、12月の香港スプリントのどちらかに向かうでしょう。「芝&ダートのスプリントGⅠ連覇」の偉業も見てみたいんだが・・・。