Jリーグ王者と天皇杯王者が激突する「FUJI XEROX SUPER CUP 2011」が26日、横浜・日産スタジアム(横浜国際競技場)で行われました。Jリーグシーズンの幕開けを告げるこの大会も今年で18回目を迎え、今年は名古屋グランパスVS鹿島アントラーズの組み合わせ。昨季はリーグ戦と天皇杯で3度対戦し、鹿島が3戦全勝。今季のリーグ戦を占う注目の一戦は、今年もPK戦までもつれ込みました。
両チームのスタメン
名古屋グランパス 鹿島アントラーズ
GK 1 楢崎正剛 GK 21 曽ヶ端 準
DF 32 田中隼磨 DF 7 新井場 徹
DF 4 田中マルクス闘莉王 DF 3 岩政大樹
DF 5 増川隆洋 DF 19 伊野波雅彦
DF 6 阿部翔平 DF 5 アレックス
MF 10 小川佳純 MF 15 青木 剛
MF 7 中村直志 MF 40 小笠原満男
MF 8 藤本淳吾 MF 8 野沢拓也
FW 25 金崎夢生 MF 11 フェリペ・ガブリエル
FW 16 ケネディ FW 9 大迫勇也
FW 11 玉田圭司 FW 13 興梠慎三
鹿島は新戦力のアレックスが先発出場したのに対し、カルロンはベンチスタート。FWは興梠と大迫の2トップ。対する名古屋は、清水エスパルスから移籍した藤本がスタメン入りを果たしました。注目のルーキー・永井謙祐は、全日本大学サッカー選手権で退場処分を受け、1試合の出場停止が未消化だったため、この大会に出場できません。
両チームとも互角の展開となった前半、11分に鹿島が中盤でボールを奪った後、小笠原の縦パスから興梠がシュートを狙うが、GK楢崎がボールをはじく。12分には大迫が右から放つもGKの正面。18分、名古屋はペナルティエリア付近から玉田が左足ミドルシュート。GK・曽ヶ端がセーブすると、こぼれ球を左サイドの阿部がクロス→ケネディが頭で合わせますが、わずかにポスト右に逸れました。
名古屋は23分、玉田のスルーパスに金崎がシュートもバーの上。対する鹿島は26分に野沢が右サイドでドリブルを仕掛けてからクロス→フェリペが落とし、青木のシュートが興梠に当たるもその前にオフサイド。29分、左サイドにいた大迫がシュートを打って行ったが、惜しくもクロスバー直撃。37分には名古屋・金崎のシュートはGK正面。41分、興梠→大迫と渡り、フェリペがエリア内に進入するも名古屋DFがブロック、ボールが興梠のところに転がるも、闘莉王が足を伸ばしてクリア。前半は両チーム無得点で終了。
後半に入り、名古屋は3分に闘莉王がミドルもダメ、鹿島は4分に野沢が右サイドからシュート放つもサイドネット、さらに6分の右CKでは興梠がバックヘッドでそらすも右に流れました。そして後半8分、試合がようやく動きます。ケネディが敵陣で倒されてFKを獲得した名古屋は、藤本が左足で蹴り上げると、ゴール前に飛び込んだ増川のヘディングシュートが決まり先制ゴール!J王者・名古屋が均衡を破る1点を先取!
鹿島も負けじと反撃し、12分に新井場クロス→興梠が頭で落とし、大迫が左足ボレーを見せるも枠を外す。16分にも新井場のクロスでチャンスを作るも、楢崎を中心とした名古屋DF陣がゴールを割らせません。後半20分、ゴールほぼ右寄りでのFKを野沢が右足で直接決めて同点!野沢のシュートはゴール右隅に吸い込まれた。これで1-1、勝負は振り出しに戻りました。
試合はこの後、名古屋が27分に右サイドのクロスにケネディが頭で合わせるもGKにキャッチされ、34分にはケネディのクロス→走り込んだ小川がエリア内で倒れるもPKではなく、逆に小川のファウル。鹿島は39分、フェリペのパスを受けた野沢が右足ミドル!しかし、これを楢崎が片手で止めた!試合は1-1のまま90分が終了しました。
90分では決着がつかず、勝負はPK戦に突入。まず1本目、先攻の名古屋はケネディが右隅を狙うも鹿島GK・曽ヶ端に防がれる。対する鹿島の1人目・岩政は真ん中を狙ったが、楢崎が足でセーブ。2本目は名古屋・藤本と鹿島・本山雅志が両者とも成功。1-1のタイで迎えた3人目、名古屋は三都主アレサンドロが左隅に決めたが、鹿島のアレックスは右に蹴り込むも楢崎にキャッチされてしまった。3人目を終えて名古屋が2-1とリード。4人目、名古屋・小川が成功して優勝に王手。外せば負けの鹿島4人目は新井場が登場。新井場のシュートはまたしても楢崎が止めて勝負あり!PK戦を3-1で勝利した名古屋グランパスが、ゼロックススーパーカップを制しました!
2年連続でのPK決着となったスーパーカップは、Jリーグ王者・名古屋グランパスが鹿島アントラーズにようやくリベンジ&鹿島3連覇を阻み、1996年大会以来15年ぶり2度目の優勝を飾りました。新加入の藤本選手が先制点をアシストすれば、楢崎選手がPK戦で神懸かりなセーブを連発。4本中3本を止め、アレックスのPKをキャッチしてみせました。昨年限りで代表引退を表明しましたが、昨季のJリーグMVP受賞、好プレー続出で楢崎健在を改めて証明。今季最初のタイトルを獲得し、リーグ連覇へ幸先良いスタート。今年も名古屋がリーグの主役となるのでしょうか?
3連覇を逃した鹿島アントラーズは、マルキーニョスの穴を埋める事が課題となっていますが、この試合で興梠選手と大迫選手、カルロンのFW3選手が無得点。そんな中、野沢選手が天皇杯に続いてFKを決めました。楢崎選手も反応したけどこれはセーブできませんでしたね。今季は本田拓也や西大伍といった選手を獲得し、柴崎岳選手、梅鉢貴秀選手、昌子源選手といった鹿島の未来を担うだろう「プラチナ世代」の選手たちが加入。大型補強が実り、若返り(世代交代)が成功できればいいのですが…。
3月1日からAFCチャンピオンズリーグ、5日にはリーグ戦が開幕。今年のACLは名古屋と鹿島の他にガンバ大阪とセレッソ大阪の大阪勢が出場。日本勢の優勝は2008年のガンバ大阪以降遠ざかっており、昨年はベスト16で全滅…。今年こそJクラブが優勝し、12月のクラブW杯でアジア王者として出場できるか期待したいですね。Jリーグの方は、開幕戦でいきなり大阪ダービーが実現し、名古屋は横浜Fマリノス、鹿島は大宮アルディージャと対戦します。春の訪れとともに日本サッカーも本格的に始動!今年もJリーグが熱く盛り上がりますように。