2年ぶりのパリーグ優勝まで「マジック1」となった福岡ソフトバンクホークス。16日からの3連休は、メットライフドームでパリーグ2位・埼玉西武ライオンズとの3連戦です。ホークスは西武に勝つか引き分けでリーグ優勝が決まるわけですが、16日の試合で決まれば、パリーグ史上最速優勝となります。リーグ王座奪還が掛かった大一番で、鷹の主砲がついに目を覚ましました!
両チームのスタメン
ソフトバンク 埼玉西武
1(一)明石健志 (中)秋山翔吾
2(遊)今宮健太 (遊)源田壮亮
3(左)中村晃 (指)森友哉
4(中)柳田悠岐 (一)山川穂高
5(指)デスパイネ (二)浅村栄斗
6(三)松田宣浩 (三)中村剛也
7(右)上林誠知 (左)坂田遼
8(捕)甲斐拓也 (右)外崎修汰
9(二)髙田知季 (捕)岡田雅利
(投)東浜巨 (投)野上亮磨
1回、ホークスは明石と今宮が倒れて2死となった後、中村晃が相手のエラーで出塁するが、4番・柳田が2塁ゴロに倒れて無得点。その裏、ホークス先発・東浜が、西武先頭の秋山を1塁ゴロに打ち取った後、源田と森を連続三振に仕留め、3者凡退の上々な滑り出しを見せます。
しかし2回、東浜が西武4番・山川に2球目のストレートを打ち返され、レフトスタンド中段へのソロ本塁打を被弾。優勝を目指すホークス、序盤で追いかける展開に。
早い内に同点または試合をひっくり返したいホークス打線ですが、3回まで西武先発・野上の前に得点できず。4回、今宮三振で1死の後、中村がレフト前ヒットを放つ。1死1塁で柳田が野上の3球目のスライダーをフルスイング!レフト方向へ高く舞い上がった打球は、スタンドに届いた!柳田に待望の一発が飛び出し、ホークスが2-1と逆転に成功します!
5回、ホークスは先頭の高田がヒットで出塁すると、明石の犠打で1死2塁と得点圏に走者を置く。追加点が欲しい場面で、今宮が2球目を叩き、詰まりながらもレフト前にタイムリーヒット。2塁走者・高田が生還して3点目。中村晃もレフト前ヒットでつなぎ、1死1,3塁で柳田がライト線を破るタイムリー2塁打で4点目を挙げ、西武先発・野上をマウンドから引き摺り下ろします。なおも2,3塁とチャンスは続き、デスパイネが西武2番手・平井克典からライト前タイムリーヒットを放ち、さらに2点を追加。一気の4連打で3点を挙げたホークス、6-1とリードを拡げます。
味方打線の援護を貰った東浜は、5回裏に中村剛・坂田・外崎の3人を全て三振を奪うと、6回は四球とヒットで1死1,3塁のピンチを作ったが、森を1塁ゴロ→3塁走者を三本間で挟殺、4番・山川を遊撃ゴロに打ち取り、何とか0点で切り抜ける。東浜は6回まで1失点の好投で、先発の役目を果たしてマウンドを降りました。
7回、ホークスは1死走者なしから、デスパイネが西武4番手・ガルセスの2球目のストレートを強振!完璧にとらえた打球は、センターバックスクリーンに飛び込むソロ本塁打!ホークスに大きな大きな7点目が入ります。
ホークスは7回裏に2番手・モイネロが四球の走者を出しながらも無失点に抑えると、8回に登板した3番手・岩嵜翔も無失点ピッチング。
7-1とホークス6点リードで迎える9回裏、セーブがつかない場面で守護神・サファテが、「胴上げ投手」として登板。いきなり山川に2塁打を許すと、おかわり中村に投手強襲の内野安打を浴び、2人の走者を背負う。金子を1塁フライに打ち取って2アウトを取り、あと1人抑えれば優勝という場面で、外崎にセンターへの2点タイムリーヒットを許す。2点を失ったサファテだったが、代打・メヒアを3塁ゴロに打ち取り試合終了!7-3でホークスが西武を下し、パリーグ優勝を決めました!
パリーグ 2017年9月16日(土)
西武 対 ソフトバンク 22回戦 メットライフ
<ソフトバンク15勝7敗 観衆:30,608人>
ソ|000 240 100|7
西|010 000 002|3
[勝] 東浜(16勝4敗)
[負] 野上(9勝10敗)
[本] 柳田(ソ/30号)、デスパイネ(ソ/33号)
山川(西/17号)
福岡ソフトバンクホークス、2年ぶりの18回目のパシフィックリーグ制覇!柳田選手に久しぶりのホームランが生まれれば、デスパイネ選手も負けじとバックスクリーン弾。投げては東浜投手が6回まで1失点に抑え、その後はモイネロ→岩嵜→サファテの「最強リレー」で西武の追い上げを凌ぎました。最後に登板したサファテ投手は、3本のヒットを浴びて2失点。いつもは守護神の風格を漂わせているけど、この日ばかりは緊張していたのかな?
「福岡ソフトバンクホークス」としては5度目の優勝、工藤公康監督は就任3年で2度目のリーグ優勝。試合後のインタビューでは「リーグ優勝を昨年できず、クライマックスシリーズで負けてから1年弱、この事だけを思ってやってきた」と言って男泣き。昨年は6月あたりまで首位を独走しながらも、夏場に大失速してしまい、日本ハムに11.5ゲーム差をひっくり返されての歴史的V逸を経験。その屈辱があったから、今年の王座奪還に繋がったと思います。しかも、9月16日での優勝決定は、パリーグ史上最速記録。2年前の9月17日を1日も更新しました。
シーズン序盤から楽天との首位争いが続き、勝利数で楽天を上回りながらも「-0.5ゲーム差」で2位になったり、首位に立ちながらも数日で楽天に抜かれることが何度もありました。8月になると、ホークスが17勝8敗と勝ち越したのに対し、楽天は7勝18敗1分けと大きく負け越し。7連敗のあとに10連敗したのが痛かった。まるで昨年のホークスのようでした。デッドヒートが一転して、ホークスの独走態勢に…。
ホークスは9月になっても勢いは止まらず、マジックを順調に消化し、2位とのゲーム差を拡げました。現在130試合を終えて89勝。2年前の90勝を超えるペース、あと11勝すればシーズン100勝到達ですが、さすがに不可能に近い数字だ…。
さて、今回の先発投手・東浜投手は、6回まで108球を投げ、被安打2・9奪三振・2四球・1失点。2回に山川選手に先制ホームランを浴びましたが、ストレートと多彩な変化球で三振を量産。特に4回の浅村選手から6回の岡田選手まで5者連続三振を奪いました。これで東浜投手は両リーグ最多の16勝目。開幕当時は先発ローテの5番手あたりだったけど、いまやチームの勝ち頭。千賀滉大投手、バンデンハーク投手と共に先発陣を支え続けました。ここまで来たらパリーグ最多勝を獲得してもらいたいですね。
打線は全体で11安打。今宮選手、中村選手、柳田選手、デスパイネ選手、高田選手の5人が2安打を記録。4回に逆転ホームランを放った柳田選手は、この試合3打点。8月23日の西武戦で29号本塁打を打ってから、24日間もホームランが出なかったけど、この大一番で30号に到達しました。その次の打席ではライト線へのタイムリー2塁打。今季の打点数も98打点となりました。デスパイネ選手も3打点を挙げ、7回には3試合連続の33号本塁打。デスパイネ選手も現在97打点ですから、柳田選手との「30本塁打&100打点コンビ」誕生も時間の問題といえそう。
パリーグ優勝を決めたけど、次からはクライマックスシリーズに向けた戦いが始まります。17日の予告先発は、西武・多和田真三郎VSソフトバンク・千賀滉大となっています。西武の方もCS出場が決定しており、もしかするとCSファイナルステージで顔を合わせるかもしれません。2年ぶりのCS制覇&日本一を目指すには、残り13試合を最低でも勝ち越しておきたい。